表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/14

55A列車 稚内行き特別急行

 3月11日。この日はよいよ最北端稚内(わっかない)を目指す。

 今回の3月4日ダイヤ改正で稚内(わっかない)行きの特急列車と網走(あばしり)行きの特急列車の運行形態は大きく改訂された。朝方と深夜に札幌(さっぽろ)駅まで乗り入れてくる稚内(わっかない)行き「宗谷(そうや)」と網走(あばしり)行き「オホーツク」以外はすべて旭川(あさひかわ)駅で折り返し、稚内(わっかない)行きは「サロベツ」、網走(あばしり)行きには「大雪(たいせつ)」の名が与えられた。そして、札幌(さっぽろ)旭川(あさひかわ)間では特急「ライラック」が愛称復活し、「ライラック」が「サロベツ」・「大雪」の接続する。しかし、これはJR北海道の経営の厳しさを体現したようなダイヤ改正でもあった。数少ないディーゼルカーを効率よく運用するため仕方が無いのだが・・・。

 今回は「宗谷(そうや)」で稚内(わっかない)を目指し、「宗谷(そうや)」で札幌(さっぽろ)まで帰ってくる。7時30分に札幌(さっぽろ)を出発し、稚内(わっかない)到着は12時40分。復路は17時46分に稚内(わっかない)を出発し、札幌(さっぽろ)には22時57分に戻ってくるのだ。

 僕らは6時少し前にホテルを出て、札幌(さっぽろ)駅まで歩いて行った。すすきのから札幌(さっぽろ)までは地下道でつながっているため、わざわざ寒い外を歩く必要は無い。札幌(さっぽろ)に着いたら、大きい荷物をコインロッカーに預けた。こうせざるを得ないのはホテルを連泊で取ることが出来なかったからである。ホテルは取れたからいいのだが、連泊で取ることが出来なかったのは残念だった。まぁ、コインロッカー分の代金が多くかかるだけだけど・・・。

「さて、行こうか。」

稚内(わっかない)行き「宗谷(そうや)」は8番線から出発する。

「まもなく、8番線に稚内(わっかない)行き、特別急行「宗谷(そうや)」が到着します。列車は4両編成です。指定席は1号車、2号車、3号車。自由席は4号車です。グリーン車は1号車の一部です。」

そのアナウンスの後に現れたのはキハ261系。高い位置にある運転台。ヘッドマークと同じ高さに横向きで着いたヘッドライト。青色の先頭部とステンレスの車体。先頭部横に書かれたTilt261のロゴ。違いは大きいがイメージは昨日乗ったキハ281系とあまり変わらない。ヘッドマークには宗谷(そうや)地方が描かれているが、そのどこにも列車愛称の表記は見られない。

「愛称すら書いてないね。」

「うん・・・。何か寂しいヘッドマークだね・・・。」

「まさか、「スーパー宗谷(そうや)」が愛称消滅するとは思わなかったもんね。」

「うん、「スーパー宗谷(そうや)」に愛称統一するものだと思ってたからなぁ・・・。」

列車に乗り込み、出発を待った。

 出発時間7時30分。

「フィ、フュー.」

甲高いブレーキ解除の音が車内にまで届く。

「ブルルン、ズズズズズズズズズズ。ギュイィィィィィィィィン。」

エンジンが大きくうなりを上げ、ディーゼルカーではほとんど見受けられない加速力を見せつけて札幌(さっぽろ)駅を離れる。札幌(さっぽろ)近辺は雪が降っている。そういえば、傘をコインロッカーに預けた荷物の中に入ったままになっていることに今気づいた。稚内(わっかない)は雪が降っていないといいなぁ・・・。

 岩見沢(いわみざわ)美唄(びばい)砂川(すなかわ)滝川(たきがわ)深川(ふかがわ)ととまり、旭川(あさひかわ)まで行く。旭川(あさひかわ)まで行くと多くの人がおり、そして大きな荷物を持った人が多く乗ってきた。

 ここから先は北に向かう唯一の鉄路。宗谷本線(そうやほんせん)へと入る。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ