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61A列車 「はやぶさ22号」

 12時07分。新函館北斗(しんはこだてほくと)に到着。新函館北斗(しんはこだてほくと)からは北海道新幹線(ほっかいどうしんかんせん)に乗って東京(とうきょう)まで戻る。「スーパー北斗(ほくと)6号」に乗るのもここまでだ。ホームでキハ261系の不揃い編成7両を見送って、新幹線改札口で稚内(わっかない)から京都(きょうと)市内の乗車券と「スーパー北斗(ほくと)6号」の特急券、「はやぶさ22号」の新幹線特急券を見せて乗り換える。当然、「スーパー北斗(ほくと)」のグリーン券は乗車記念の印鑑を押して貰った。

「「はやぶさ22号」って使ってるのH5系(エイチゴけい)よね。」

萌が言う。

「そうだね。H5系(エイチゴけい)はいいよ・・・。きっとね。」

「はやぶさ22号」は新函館北斗(しんはこだてほくと)を12時44分に出発する東京(とうきょう)行きの新幹線だ。そして、北海道新幹線(ほっかいどうしんかんせん)で数少ないH5系(エイチゴけい)新幹線で運行される「はやぶさ号」である。

「「はやぶさ13号」も前乗った「はやぶさ11号」も「はやぶさ30号」もE5系(イーゴけい)で運行する奴だったしなぁ・・・。なにげにH5系(エイチゴけい)って乗ったことなかったんだよね。今まで3回も乗ってたのに・・・。」

「しょ・・・しょうがないじゃん、最初に言った時はゴールデンウィークで取れるかどうかすら怪しかったんだし・・・。」

僕はそう言った・・・。

「キャッ・・・。」

「違うでしょ。最速達で行って帰ろうと思ったけど「はやぶさ34号」じゃ京都(きょうと)まで戻ってこれないって事が分かったから仕方なく一本前の「はやぶさ30号」にしたんでしょ。」

そこまでお見通しかぁ・・・。

 萌の言うことは当たっている。前に北海道新幹線(ほっかいどうしんかんせん)に乗った時僕はどちらも最速達便で行って帰ろうと思っていた。その列車が「はやぶさ11号」であり「はやぶさ34号」だったのだ。「はやぶさ34号」は新函館北斗(しんはこだてほくと)を17時21分に出発し、東京(とうきょう)には21時23分に到着する(「はやぶさ11号」は東京(とうきょう)9時36分発、新函館北斗(しんはこだてほくと)13時38分着)。だが、「はやぶさ34号」が東京(とうきょう)駅に到着する21時23分、東海道新幹線(とうかいどうしんかんせん)新大阪(しんおおさか)行き最終便「のぞみ265号」が出発してしまう。この後大阪(おおさか)方面に行く列車は「サンライズエクスプレス」があるが、大阪(おおさか)を運転停車で通過してしまうと言うおまけ付き。疲労がマックスになっているであろう時に夜を越えることも「サンライズ」に乗るという選択もなかった。

「で・・・でも、「はやぶさ22号」の切符が取れないだろうなぁって思ったのは本当だよ。」

「・・・そう。」

 12時22分、12番線に東京(とうきょう)からの「はやぶさ5号」が入線。

 12時31分、11番線にH5系(エイチゴけい)新幹線「はやぶさ22号」が入線する。E5系(イーゴけい)はピンクのラインにエンブレムは鳥を模したもの。隣の12番線に止まっているE5系(イーゴけい)新幹線とそれ以外大きな違いは無い。H5系(エイチゴけい)は紫のラインに北海道をもしたエンブレムとなっている。H5系(エイチゴけい)E5系(イーゴけい)と血を分けた兄弟だ。

「来たね・・・。」

「来たよ・・・。」

その言葉の意味はこれから現実に引き戻されるための準備かな・・・。

「今度は私が窓側いっていい。」

「・・・いいよ。」

「・・・じゃんけんで決めよっか。それならいいでしょ。私がかったら私が窓側行くね。」

(勝ち目無いじゃん・・・。)

車体上部の常磐グリーンと車体下部の飛雲ホワイトの間に映える紫のラインを横目に僕は萌とのじゃんけんに臨むのだ。


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