60A列車 新しい「スーパー北斗」
3月12日。旅行最終日。乗る列車は8時39分の「スーパー北斗6号」だ。僕らは札幌駅5番線でその列車が入ってくるのを待った。
「今度来る「スーパー北斗」ってニューカラーかな。それともブルーカラーかな・・・。」
「さぁね。仮に来るとしても、不揃いだろうなぁ・・・。」
萌に問いに僕はそう答えた。
これから乗る「スーパー北斗6号」はダイヤ改正を機に「スーパー」化(=高速化)された「北斗」だ。元々同じ時間にキハ183系で運行される「北斗」が運行されていたが、ダイヤ改正で使用車両をキハ261系1000番台に変更、愛称も「スーパー北斗」に改められた。また、「スーパー」化も同時に実施され、約10分時間短縮された。
さて、萌の言う「ニューカラー」は最近キハ261系1000番台に限って施工されている新HETカラーである。青でカラーリングされていたところは白に改められ、窓下には紫色のラインが新しく追加された。なお、この色は平成29年度までにJR北海道が保有するすべてキハ261系1000番台に施工される模様だが、まだ全車両にその塗装が施されたわけではない。そのためブルーのHETカラーと白のHETカラーの混結編成を「スーパーとかち」・「スーパー北斗」で見ることが出来る。「不揃い」と言ったのはそういう意味だ。
「あれ・・・。」
萌がそういい僕をつついた。
「チョッ・・・。」
「何か「スーパー北斗」来たよ。」
と言った。ちょうど7番線に入ってきた。時間はまだ8時10分にもなっていない。だが、この時間に「スーパー北斗」の幕を掲げて札幌駅にやってくるのは「スーパー北斗6号」しかないかぁ・・・。じゃあ、これが「スーパー北斗6号」になるだろう。来た車両は1号車と2号車が白。3号車から後ろはブルー・・・。見事に不揃いだ。今7番線の止まっているキハ261系1000番台は昨日見た「ライラック」の789系と99%似ている。素人目には色の違いぐらいしか分からないぐらいだろう・・・。
「これだろうなぁ・・・。」
「これかぁ・・・。ちょうどニューカラーじゃない。後ろ違うみたいだけど・・・。」
そういうと、萌は少し声を小さくして、
「統一感無いわねぇ・・・。」
と言った。
「ディーゼルなんだからいいじゃん。この統一感の無さがさ。」
僕はすかさずそう言った。ディーゼルカーはそれぞれの車両で塗装がそろっていなくても違和感ないんだよなぁ・・・。だって国鉄の時から「編成美・・・。何それおいしいの。」だったのだし・・・。
(・・・私って電車の見すぎかな・・・。)
いや、たぶんそう考える女子も萌と同じ属性の人たちだけだと思う・・・。
塗装は1号車、2号車、5号車が白。後の3号車、4号車、6号車、7号車はブルーだった。本当に見事な不揃いっぷりだ。
8時28分。7番線からいったん千歳側に回送されたキハ261系が5番線へと入ってくる。
「さ、帰ろう、ナガシィ。「はやぶさ22号」が待ってるよ。」
「そうだね。」
(あんまり帰りたくはないけどなぁ・・・。)




