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48A列車 計画

 2017年2月。

「3月のシフトが決まったんだよね。それで4連休があったんだよ。」

僕は(もえ)にそう言った。

「4連休ねぇ・・・。多過ぎでしょ。2月にも連休があったじゃない。ナガシィまた希望出した。」

「シフト希望出してないのは(もえ)も知ってるでしょ。それよりも、出来るよ。4連休もあれば。」

「まぁ、移動するだけで3日あれば出来るもんね。」

僕は時刻表を取り出した。と言っても、この時刻表は北海道新幹線(ほっかいどうしんかんせん)も開業する前の2016年3月の時刻表だ。これにはまだ3月26日以降に運転される新幹線や優等列車のダイヤしか載っていない。そのうえ2017年3月4日からはこれを見ても意味が無くなる。

「朝から行けるから。このパターンで稚内(わっかない)に行こうよ。」

「「はやぶさ13号」と「スーパー北斗(ほくと)15号」を乗り継いでいくの。・・・いいんじゃない。確か、「スーパー北斗(ほくと)15号」ってキハ281系で運転する「スーパー北斗(ほくと)」だよね。」

「そう。それに、ダイヤ改正の後に行くことになるから、「はやぶさ22号」に接続する「北斗(ほくと)6号」が「スーパー北斗(ほくと)6号」になるし、車両もキハ261系に変わるから。去年のゴールデンウィークに言ったのと併せて、「北斗(ほくと)」に使うディーゼル全部に乗ることになるよ。」

「・・・その代わりに、そっちは「スーパー宗谷(そうや)」じゃなくなるけどね。」

「これは仕方ないね・・・。と言うか、愛称消滅すると思わなかったよ。」

「あれはいろいろと衝撃だったよねぇ。「ライラック」とか「大雪(たいせつ)」とか。私は知らなかったけど、「大雪(たいせつ)」って言う列車も昔はあったのね。」

「と・・・とにかく。行こうよ。稚内(わっかない)。」

「いつ消えるかわかんないもんね。それに次行くときは鉄路で稚内(わっかない)行こうって約束してたし。いいわよ。その代わりに、帰りは全部グリーン車にしてよね。」

「いいよ。」

「ナガシィ。」

「何。」

「これが新婚旅行の代わりっていうことにしておくからね。」

「うん。オッケイ。」

 すぐに計画を立てた。そして、できあがった行程がこちら。

1日目:守山(もりやま)~「新快速(しんかいそく)」~京都(きょうと)~「のぞみ210号」~東京(とうきょう)~「はやぶさ13号」~新函館北斗(しんはこだてほくと)~「スーパー北斗(ほくと)15号」~札幌(さっぽろ)

2日目:札幌(さっぽろ)~「宗谷(そうや)」~稚内(わっかない)~「宗谷(そうや)」~札幌(さっぽろ)

3日目:札幌(さっぽろ)~「スーパー北斗(ほくと)6号」~新函館北斗(しんはこだてほくと)~「はやぶさ22号」~東京(とうきょう)~「のぞみ245号」~京都(きょうと)~「はるか50号」~守山(もりやま)

 まず、新快速(しんかいそく)に乗り京都(きょうと)まで移動。京都(きょうと)から7時36分に出発する「のぞみ210号」に乗り、東京(とうきょう)に9時53分に到着する。そこから、10時20分に東京(とうきょう)を出発する「はやぶさ13号」に乗車。終点新函館北斗(しんはこだてほくと)には14時37分に到着する。新函館北斗(しんはこだてほくと)でキハ281系で運用される特急「スーパー北斗(ほくと)15号」に乗車、終点札幌(さっぽろ)には18時41分に到着する。

 翌日は札幌(さっぽろ)から最北端稚内(わっかない)を目指す。札幌(さっぽろ)を7時30分に出発する特急「宗谷(そうや)」に乗る。この列車は札幌(さっぽろ)から稚内(わっかない)まで直通する列車のため、旭川(あさひかわ)での乗り換えは必要ない。この列車で行くと終点稚内(わっかない)には12時40分に到着する。帰りは稚内(わっかない)を17時46分に出発する「宗谷(そうや)」に乗る。これで22時57分に札幌(さっぽろ)に戻ってくるのだ。

 最終日、札幌(さっぽろ)を8時39分に出発する特急「スーパー北斗(ほくと)6号」に乗る。新函館北斗(しんはこだてほくと)には12時07分に到着する。新函館北斗(しんはこだてほくと)からは北海道新幹線(ほっかいどうしんかんせん)では数少ないH5系(エイチゴけい)で運用される「はやぶさ22号」東京(とうきょう)行きに乗車。12時44分に出発し、東京(とうきょう)には17時04分着。東京(とうきょう)からは「のぞみ245号」に乗車。17時20分に東京(とうきょう)を出発し、京都(きょうと)には19時38分に到着する。京都(きょうと)からは新快速(しんかいそく)ではなく20時34分に出発する「はるか50号」まで待って、守山(もりやま)へ帰る。降車駅である守山(もりやま)には20時56分着だ。

「・・・相変わらずハードよねぇ。」

東京(とうきょう)の接続は伸ばしてもいいから、乗り換え時間多く取る。」

「多く取った方がいいんじゃない。大きい荷物下げてくんだし。」

「じゃあ、新幹線一本前と一本後にずらして・・・。行きは「のぞみ106号」。帰りは・・・「のぞみ55号」。これでどう。」

「のぞみ106号」は京都(きょうと)7時26分発、東京(とうきょう)9時43分着。「のぞみ55号」は東京(とうきょう)17時30分発、京都(きょうと)19時48分着。

「うん、それがいいよ。」

「あっ。」

こんどは僕があることを思った。

「ねぇ、(もえ)。大きい荷物下げて、新快速(しんかいそく)乗りたい。」

「・・・あっ。」

「でしょ。」

「でもあるの「びわこエクスプレス」。あれ、時刻表見たら休日運休じゃん。そもそもここから出る日は平日なの。」

初日は3月10日。金曜日で「びわこエクスプレス」は運行される。最終日は3月12日。日曜日で「びわこエクスプレス」は運行されない。

「ちょうどあるよ「びわこエクスプレス」。」

「じゃあ、それで京都(きょうと)行きましょう。その方が楽よ。「はるか」とか閑古鳥だし、簡単に指定席取れるでしょ。」

(もえ)はそう言った。ああ、でも「びわこエクスプレス」の指定席のふたを開けたときはびっくりしたなぁ。だが、その衝撃がやってくるのはまだ先の話だ。

「そうだね。じゃあ、これで行こう。」

 これですべての行程が決まった。そして、決まった行程がこちらだ。

行程

1日目:守山(もりやま)~「びわこエクスプレス1号」~京都(きょうと)~「のぞみ106号」~東京(とうきょう)~「はやぶさ13号」~新函館北斗(しんはこだてほくと)~「スーパー北斗(ほくと)15号」~札幌(さっぽろ)

2日目:札幌(さっぽろ)~「宗谷(そうや)」~稚内(わっかない)~「宗谷(そうや)」~札幌(さっぽろ)

3日目:札幌(さっぽろ)~「スーパー北斗(ほくと)6号」~新函館北斗(しんはこだてほくと)~「はやぶさ22号」~東京(とうきょう)~「のぞみ55号」~京都(きょうと)~「はるか50号」~守山(もりやま)


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