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感染者の街  作者: cozy
5/7

感染者5

経過


工場に辿り着いて初めての睡眠から飛び起きた悟は悪い汗を拭い、蛇口を捻ると水が出る事に少し安心しながら顔を洗う。


「・・・嫌な夢だったな。けっこう参ってる証拠か。」


何もする気力の起きない悟は工場の鍵を閉め、シャッターを降ろすとソファに座り込む。昨夜聴いたラジオもつける気にはならず、缶詰一つ食べただけで空腹を感じながらも無気力に一日を過ごしていく。


そのまま眠りにつき、再び悪夢とも思える感染者であった時の夢を見る。目を覚ました時に自らの意識を確認し、今は感染していないかと自らに問いかけていた。


(新しい朝が来たか、・・・今は感染も潜伏もしてないみたいだな。じゃあこのままって訳にも行かないし、動くか。)


自らが今は感染していない事を自覚した悟はノロノロと動くと、まず最初に始めた事は体力の回復であった。まだ少し余裕のある食料に手をつけて胃に収め、以前は日課であった筋トレを開始する。


筋肉の動きを確認しながらゆっくり以前と同じメニューをこなすが、筋肉が衰えてる様子はない。一年近くさぼっていたとは思えない動く身体に、少しの恐怖を覚えながらも悟はそれを忘れてしまえと筋トレを続ける。全身に疲労物質が貯まるとトレーニングを止め汗を拭うが、その動きで次の驚くべき事実に気付いていた。


「風呂入らなきゃな。だけどそれ以前に一年近く風呂にも入ってないはずだよな。・・・何で臭わない?」


結論の出るはずのない悩みを考えようとするが悟はすぐに考える事を諦め、全身を濡らしたタオルで拭いていく。そして工場に置いてあった予備のツナギに着替えて一心地つくと、工場の軽トラックにエンジンを掛けようとするがそこには一年の月日が感じられていた。


「そりゃ掛かんねえよな。バッテリーか?ガソリンは、・・・一年くらいならいけるか。」


軽トラックの整備を続けエンジンはすぐに息を吹き返す。

しかし作業した事により悟は多少冷静になると、鍵を捻りエンジンを切っていた。


(エンジンなんて掛けてどうするんだよ?道路はほとんど放置車両で使えないし、感染者を呼び寄せちまう。また噛まれるのは勘弁だよな。)


おとなしく再びソファに座り何をするでもなく時間が過ぎていく。

置いてあった食料を食べ、筋トレを行い、ソファで夢を見る。


夢を見るごとにはっきりしてくる感染者の時の記憶と、目減りする食料に悟は外に出る決意を決めていた。


(あの公園だよな、行くしかないか。何がしたいのかも分からないけど、食料を取りに行くついでだついで。)


少なくなった食料をボストンバッグに詰め込み、必要そうな工具も適当に放り入れていく。

一応の感染者対策にと軍手をはめ首にタオルを巻き、安全靴を履くと工場を後にするのであった。





次の次あたりで一人ぐらい登場人物を増やそうかなと考え中です。


一人しか出ない話はなかなかに書きにくい。

そしてまだ感染者も出てないという始末。困ったもんです。

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