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真・恋姫†無双 ―恋影無想―  作者: 月神
外史帰還編
4/13

4話 帰還・これからの事

4話になります。今回から三国編です。




「いてて、ここは?」




辺りを見回す。どうやらどこかの家の中のようだ。

ん?誰もいないのかな?




「あ、お目覚めですか?一刀さん。」




声を掛けてくれたのは小喬だった。よく見ると文官の格好をしている。




「あ、この格好ですか?私この外史では一応魏の文官として働いているんです。」




「そうだったんだ。ん?魏?てことはここは魏なの?」




「いえ、ここは三国の中心部に作られた〝頼〟と言う都です。この都は三国の絆の証のようなもので殆どの重鎮達がこの都で暮らしています。」




「てことは華琳達や他の王達も?」




「はい。そうですね。ちなみに姉さんは蜀の武官として働いてます。」




「そうなんだ。ありがとう小喬。」




「どういたしまして。あ、真名をお教えしておきますね。私の真名は〝澪-シズク-〟と言います。以降澪とお呼びください。」




「ありがとう。俺の真名は優だよ。よろしく澪。」




俺は小喬こと澪と真名を交換した後澪にカツラと眼鏡を借り少し街を見て歩くことにした。少し外に出るだけでも賑やかで笑顔が溢れているのがわかる。これは3年間の間三国の者達が尽力した結果だろう。ただ元の魏、蜀、呉が寂れてないのか心配ではあるけど華琳達の事だ。そんなことは無いだろう。さて『そこの兄ちゃん!豚まん蒸したてだよ!どうだい?』あぁ、こっちの活気あるこの感じやっぱり好きだなぁ。


「1つもらうよ。」




「まいど!」




買った豚まんを1口食べる。あっちでも豚まんは食べたけどやっぱり本場は格が違うなぁ。超うまい。

ん?あそこにあるの服屋か。ちょっと覗いてみるか。


あ、あの店員の人魏で服屋してた人だよな。なるほど魏から店舗移動してきたのか。にしてもゴスロリとかもあるんだよなぁ。色々伝えすぎたかな…まぁ、次行くか



店を出ようとした時だった


ドンッ




「あ、すいませ…っ!」



店の入口で人とぶつかった。顔をみて驚いた。と言うか嬉しかったし哀しかった。




「す、すみません。夏侯淵将軍。よそ見をしていて。お許しください。」




「いや、大丈夫だ。私もよそ見をしていたからな。怪我は無いか?」




「大丈夫です。お気遣いありがとうございます。」




「にしても男がこの店に1人で…?」



秋蘭は途中で口を閉ざし俺の顔を見る。カツラと眼鏡で分からないはずなのだよな?ハッ!眼鏡が無い。ぶつかった時に眼鏡を落としたのか!?俺は慌てて眼鏡を拾い掛け直した。


「あ、あのぅ?夏侯淵将軍どうかなさいましたか?」




「すまない。知り合いに似ていたのでな。では気をつけてな。」



〝知り合いに似ていた〟そう言われただけで目頭が熱くなる。今すぐに抱きしめたい。でも、俺はやるべき事があるから帰ってきたんだ。自分で曲げる訳には行かない。


「はい…申し訳有りませんでした。」




秋蘭と別れると俺は足早にその場を去った。途中で誰かに肩を叩かれた



「大喬か?」




「よく分かったわね。もうすぐ程昱と趙雲と郭嘉がこの通りを通るわ。一旦家に戻るわよ。」




「程昱さんと郭嘉さんと趙雲さんか。懐かしいなぁ。教えてくれてありがとう。戻ろうか」



もしも風達に出会えてなかったら俺は華琳達と会ったときに無礼者として春蘭からこうスパーンと首を切られていたことだろう。春蘭は華琳様命だからな。ハハ。何にしても風辺りはものすごく鋭いからな。会うのはおろかすれ違うのも避けてほうが良さそうだな…



「え?えぇ。こっちよ。」




俺達はその場から退却してすぐ家に帰った。




「あ、お帰りなさい。姉さんも一緒だったんだ。」




「ただいま。澪。」




「あら、真名交換したのね。それなら私のも預けとくわ〝雹香-ヒョウカ-〟よ。」




「ありがとう。俺の真名は優だ。」




「わかったわ。一応普段から優と呼ぶわね」


なんかこう。真名っていいな。前の時は真名がなかった分どうも罪悪感というか文化や風習の違いって分かってるんだけど相手は預けてくれてるのに預けれないって言うのが寂しかったんだよね。今回はちゃんと親がつけてくれた真名がある。それでもこの世界にいる間に預ける人は10人にも満たないだろうけど…



「で、優さん街どうでした?」




「あー、うん。夏侯淵さんと遭遇した以外は特に問題なしだね。みんな幸せそうな顔をしてて見てるこっちが楽しかったよ。」




「え?あ、そ、そうですか。それは良かったです。」




「でさ、俺はこれからどうすればいいの?」




「優さんには呉に入り、呉の方々を監視するようにしてもらおうと思っています。私が魏で姉さんが蜀。呉だけ人がいないので」




「呉っていうと孫策さんだっけ?」




「いや、今の呉王は妹の孫権よ。この都ができた時に王位継承してる。孫策は隠居って事になってるわね。」




「そうなのか。わかった。でも平和だし今更人員は足りてるだろ?どうやって呉で働くんだ?」




「呉は定期的に武官を募集しているわ。この街の中央通りにある広場で半年に1度試験として周泰の部隊の連中と戦って実力や潜在的なものを見た上で採用してる。でもここ1年半1人も入隊出来てないけどね。」




「ん?周泰?周泰さんって隠密部隊の人じゃ?」




「そうなんです。最近まで違う仕事をしていた人がそもそも隠密部隊の隊員に勝てる訳もなくて、勝てなくともセンスがあるような人は既に兵士や隊員として働いてますし。だから今回で募集は終わるらしいです。」




「なるほど。ラストチャンスって事か。でも俺隠密部隊相手に立ち回る自信はないぞ?」




「大丈夫です。広場は見渡しが良くて隠れる場所はありませんし今の優さんならきっと周泰相手でも遅れはとりませんよ。気楽に行ってください。」


そう言って澪は俺に笑いかける。うっ。笑顔にドキッとしたのは内緒にしておこう。てか俺ってそんなに強くは無いしなぁ。そもそも隠密部隊って事は忍衆みたいなもんだろ?そんなの相手に大丈夫かな。


「で、その募集試合いつなの?」




「明後日よ。」




「明後日!?身体なまってるのに…」




「優、あまり自分の実力を低く見積もらないの。それはあんたより実力が下の連中に対する嫌味みたいなもんよ。夏侯惇や張遼を見てきたならわかるでしょ。今のあんたなら名すら無いモブの格下に負けたりしない。一々身体を解す必要も無いわ。わかった?」




「あ、はい。すみません。」




「わかったならいいわよ。取り敢えず仕事が決まるまではここに住みなさい。仕事が決まって呉に派遣されるなら呉で、(ここ)の呉の支部で働くならこの家なり他の家を探すなりするといいわ。」




「ありがとう。助かるよ雹香。」




「うっ!べ、別にい、い、いいのよ。あ、あんたには悪いと思ってるしこれはそもそも当たり前の事で…」




『ちょ、姉さん大丈夫?』


『だ、大丈夫よ。久しぶりにあの笑顔見たから少し、こう、不覚にもドキッとしただけよ。』


『まぁ、どこの外史の一刀さんもアビリティ〝女殺し〟持ちだからね。ここの一刀さんは最初(オリジナル)の一刀さんよりも酷い気がする…』




「2人ともどうしたの?」



なんか2人で見つめあって百面相してる澪と雹香。その度に俺の顔をチラチラと見てるんだけど。俺なんかしたっけ?


「な、なんでもないわ。今日は優は家の中にいなさい。私は午後から馬超の部隊と蜀領内に出てる猪退治があるわ。帰ってくるのは夜中になりそうだし。」




猪退治ってわざわざ都から行かなくても蜀に駐在してる兵士達じゃダメなのかね?まぁ、俺が考えても仕方ないけど。




「私も午後から書類整理に向かわなければならないのでいません。晩御飯までには帰りますけど。」




「猪は兎も角午後から書類整理って珍しくない?少なくとも俺がいた頃は午前からぶっ通しだったけど。」




「あぁ、それは桂花さんとその部下の文官が男性の文官の分をチェックしてくれなくて午前に皆さんがやった分を私達が午後からチェックするようになってます。コレに関しては曹操様も諦めているようで…」




「荀彧さんまだ男嫌い治ってないのか。まぁ、俺がいた頃からそうだったけど。にしても仕事に支障をきたすのを曹操さんが許してるなんてね。少し驚いたな。それも平和が成せる事なのかな。」




「そ、そうですね。」





『さっきからなんか違和感があると思ってたんだけど今分かったわ。』


『うん。魏の重鎮達を真名で呼ぶのやめてるね。夏侯淵さんからなんか言われたのかな?』


『わからないけど、見てて心が痛いわ。本人はもっと辛いでしょうね。』


『私達が招いた事ですから私達が支えになってあげないと…こんな重荷を背負わせたのは私達管理者だから…』




「ちょ、2人とも!」




「え、あ、なに?」




「もうそろそろ出なくちゃいけないんじゃないの?」




「あ、はい。行ってきますね。本は沢山ありますからご自由に読んでください。屋根裏部屋に荷物は置いてありますから。」




「外にはできるだけ出ないでね。じゃ行ってくるわ。」




「2人とも行ってらっしゃい。」



そう言って俺は2人を見送った。呉で働く事がどうなるにしろ今は…


「いるんだろ?出てこいよ。」




「おやおやメスゴリラも小喬も気付かなかったのによくお気づきになりましたね。」



于吉だ。さっきからかすかではあるが気を感じていた。于吉の気は何ていうか身の危険を感じる感じの気だから分かりやすい。性質で言えば〝変〟だろうか。勿論変態の変だけど。



「違うな。わざと俺が気づくようにしてたんだろ?」




「正解です。自分の力に慢心したりしてなくて安心しました。」



そもそも俺に分かって管理者の澪や雹香に分からないはずないんだから冷静に考えればわかる事だ。




「で?どうしたんだよ?」




「今日夏侯淵に会った際危うくバレそうになりましたね。私は今後そういう事がないための対策に来ました。」




「夏侯淵さんの事については不注意だった。ごめん。で、対策って?」




「あなたには髪の毛の色、量、眼の色を変えてもらいます。希望はありますか?」




「それって後から変更できるか?」




「えぇ。あなたに私が術を教えればいいですから。」




「術って、俺使えるの?」




「まぁ、まがいなりにも管理者ですから。その程度であれば使えますよ?」



「それは初耳だな。ぜひ教えて欲しい。てか希望かぁ。特にないんだけど?」


なんか、うん。バレるときはどんな感じにしても見抜かれる気がする。まぁ、昔と比べれば多少筋肉の付き方は変わってるけど基本体型は変わってないしなぁ。




「わかりました。ではイスに座ってください。ついでに性別も変えましょうか?」




「いや、性別は色々保てなくなりそうだからいいや。じゃ、よろしく頼むよ。」



「~~~~~~~~~」


なんかブツブツ言ってるけど聞き取れない。まぁ、教えてもらえるならその時にしっかり聞くけど…にしても性転換までできるのか。




「終わりました。明日の朝には変わってると思います。」




「どんな感じにしたんだ?」




「変わってからのお楽しみです。」


二タァ。于吉は不気味な笑みを浮かべている。やっぱり希望を出すべきだったか!?。




「私は次にやる事があるので行きますね。これ、置いて行きますから。」




于吉がテーブルに置いた3冊の本には〝仙術の使い方基礎~仙術の使い方を覚えよう~〟〝猿でも使える仙術&応用暗殺術〟〝1冊で分かる五斗米道の全て〟と書かれていた。それなりに分厚いけど、なぁにこれ?





「右から私、左慈、華佗からの贈り物です。それを読めば多分わかります。読む順番としては華佗のを最初に読んで気の使い方を覚え私のを読んで左慈のを読むのをオススメします。それでは。また今度。」




「あ、おう。ありがと。気を付けてな。」




于吉は〝待っててください!今行きますよ!左慈!〟とか叫びながら消えていった。顔が喜びに染まっていたので左慈に何かあった訳ではなさそうだ。……これから何も無ければいいけど。


于吉が帰った後俺は屋根裏部屋にある荷物を整理してからさっき目が覚めた時に寝ていた寝台に転がり…あれ?これってもしかしていつも澪達が寝てる?顔を沈めるとスゴイ甘い香りが……って違う!ダメだダメだ。3年間閉じ込めた性欲(モンスター)が爆発しそうになってる!ヤバイ今すぐ離れよう。そもそも本は転がって読むものじゃないしな。よし。イスに座ろう。



その後気を取り直してイスに座って本を読み始めた俺は澪が帰宅して声を掛けてくるまでひたすら読み老けていた。澪は本を見ながら〝あぁ、于吉さんが来たんですね。わぁ、その仙術基礎懐かしいなぁ。管理者なりたての頃よく読みました〟と言っていた。どうやらこの本は新米管理者の間では愛読されてるらしい。内容はそれなりに難しくはあるが分からない程では無い。ただ普通に身体を鍛えるのと同じで気での攻撃や医療を使えるようになるにはかなり時間がかかりそうだ。



「じゃあそろそろご飯作りますね」



「あ、手伝うよ。」



「ありがとうございます。炒飯の作り方わかります?」



「一応中華料理は向こうで覚えてきた。」



「ふふ。そうですか。お手並み拝見ですね。」






4話をお送りしました。多少のネタバレになりますが、次話よりNTR要素&胸糞悪い要素を含みます。ご気をつけ下さい。

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