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真・恋姫†無双 ―恋影無想―  作者: 月神
旅立編
2/13

2話 管理者・肯定する為に

2話目です。




目の前に立つ赤髪のロン毛の男

まさかこいつ、


「華佗か!?お前華佗なのか?」




「ん?あぁ、久しぶりだな。一刀」




「あぁ。待ってるよ。」

「そうだ!美菜!美夏!」




「大丈夫だ。気を放って眠ってもらっただけだ。しかし現代の子供があそこまでの殺気を出せるとは驚いたよ。」




「華佗。遅かったじゃないですか。」




「すまないな。こっちの世界に来るのに手間取ってな。どうも管理者達が多く動いてるようだ。こっちの世界でも2人ほど確認した。」




「!。そうですか。華佗、すみません後は任せます。左慈!すぐ行きますよ!」




「あぁ。今回の事同じ管理者として北郷一刀とという人間を見てきた者として本当に申し訳なく思う。お前やお前の妹になら殺されてもいいと思った。だが今は無理だ。また会おう。于吉頼むぞ。」




「華佗。あなた達は北郷家の道場に送っておきます。では北郷一刀また会いましょう。「解」!「発」!」



術を唱えた瞬間左慈と于吉は消えた

消えたのを確認した瞬間道場にいた。


「一刀。」




「華佗。すまん、話があるんだろ?だけど先に美菜と美夏を家の部屋まで運んでいいか?ちゃんとした所で寝かせないと体を痛めるからな。」




「あぁ。美夏ちゃんの方を俺が運ぼう。」




「すまん。頼む。」


俺と華佗はふたりを背負って部屋まで連れていきベッドに寝かせた。


「なんで2人ともあそこにいたんだ?」




「多分于吉の仕業だろう。左慈のやつが妹にも聞かせるように頼んで異空間に一緒に閉じ込めたってところだろう。」



「そっか。とりあえず、俺の部屋で話すか。父さんと母さんはまだみたいだしじいちゃんもいないし。」




「わかった。」



それから俺達は隣の中学の頃まで俺が使っていた部屋に入り鍵を閉めお互い椅子に座った。




「華佗も管理者だったんだな。」




「あぁ。俺はどっちかと言うと中立の管理者だがな。」



「中立?」




「あぁ。俺の管理者としての使命は肯定者のように無駄を消し見守ることでも否定者のように主人公を殺すことでもない。俺の使命は外史という物語でまだ死んではいけない者達を助けることだ。」




「なるほど。肯定者のようにできる限り世界に干渉しないわけでもないし、かと言って否定者のようにその物語の主人公を殺すわけじゃない。だから中立なのか。」




「そうだ。さっきの左慈達の話からよく理解してるな。」




「まぁな。にしても華佗、性格違くないか?お前ってさもっと、なんていうか熱くなれよ!みたいなやつだったろ?」



「それは俺が外史に行く時故意的に性格を変えてるんだ。誰かを本気で助けたいと思ってる自分、人の死を割り切れずに悔やむことができる自分。その部分のみを外史に行く時もっていってる。ちなみに管理者としての記憶も封印してある。」



「なんで…」



「管理者として行くとどうしても割り切れないんだよ。道筋に立っていられる者しか助けてはいけない。近くに助かる人間がいるとしてもそちらを無視して他を助けなきゃならない。それが管理者としての使命だから。それを続けてたらな段々頭がおかしくなるんだ。〝次助けるのは誰だっけ?あぁ、あそこで倒れてるのか。隣のはもう死ぬな。しょうがないか。この先必要ないんだろうからな。〟ってな。だから外史に行く俺には封印させてもらってる。医療を事務的な作業とは思って欲しくなくてな。」


華佗は強く強く拳を握りしめていた



「すまないな。俺の話になってたな。他に聞きたい事はないか?」




「いや、いいんだ。」


華佗も辛かったんだろう。



「そうだ、左慈達は魏の外史を観察するために俺を送った連中を肯定者でもなく否定者でもなく〝管理者〟と呼んでた。それって華佗みたいに別の使命を持った管理者がいるってことか?中立者って言うのか?」




「あぁ。あいつらは管理者の元締めみたいな連中だ。外史を管理する管理者を管理する連中だな。奴等は基本的に外史の事についてはノータッチなんだが今回の3つの外史に関しては連中が直接関与してる。」




「そうか。で、なんで連中は魏の外史を、華琳を消そうとするんだ?どんな影響があるのかはわからないんだろ?なら何も影響がないかもしれないのに。」




「あのな一刀。俺達管理者はやり方は違えど共通の使命を持っているんだ。なんだがわかるか?」



「正史を守ること…」




「そうだ。だから肯定者も否定者も管理者達も〝正史に少しでも影響を及ぼす可能性がある物は排除する〟って事だ。」



「でも、そんなのあんまりじゃないか。」




「あぁ、俺もそう思うさ」




華佗がそう答えたその時だった



キャーーーー!ちょっと!離して!



廊下から悲鳴が聞こえた。

俺と華佗はドアを開けた。

するとそこには、忍者のような格好をした二人が美菜と美夏の首元に刃を当てている姿があった。




「美菜!美夏!二人を離せ!」


殺気全開で叫ぶ



「一刀。大丈夫だ。こいつらは俺の知り合いだ。二人とも一刀の妹を離してやれ。」




「華佗さぁ。行き先くらい教えてくれてもいいでしょ?私達がこの世界に来てどんだけ探し回ったと思ってんの?」


そう言ってその二人は美菜と美夏を離した

美菜と美夏は解放されると俺の元に走ってきて抱きついた。



「大丈夫か!?二人とも」



「あ、うん。大丈夫です。」



「私も大丈夫。」



「やっと華佗のいるとこを見つけて来てみたらドアの目の前で聞き耳立ててる女の子がいるもんだからビックリしたわよ。」



「だからって姉さんもいきなり切りつけなくても。」



「あんたもやったんだから同じでしょう?」




「ちょっと待ってくれ。君達は?」




「あぁ、ごめんなさい。私の名前は小喬。こちらは姉の大喬です。」




大喬、小喬だって? 孫呉の二橋か!?



「にしても気配を完全に消してたこいつらもだけどさっき出してた殺気。あなた本当に北郷一刀なの?」




「大喬。お前が知ってる一刀は最初の北郷一刀のみだろう。この一刀のは魏の外史から帰った後自ら鍛えた結果だ。」



「お二人も突然切りつけてごめんなさい。私達は…」




「管理者さんですよね?」




「はい。」




「あなた達に言いたいことがあります。」



「北郷一刀。座ってもいいかしら?」


大喬は言葉を完全に無視して手で俺に尋ねる。

今は全員が立った状態だ。それに左慈や于吉、華佗に二橋まで来たとなるとただ真実を伝えに来たわけでは無さそうだ。もしそうであれば顔見知りの華佗のみを向かわせればいいのだから。



「っ!あんたなぁ!」




「今はあなた達と話している暇はないの。それに私達は管理者の存在を知ったあなた達に感謝こそされど殺意を向けられる覚えはないわ。」



「もう我慢出来ない!」




「美菜。」


このままじゃ話が進まない。

さっきは華佗が止めてくれたが今度は俺が止める。妹に手を上げたくはない。なら言って聞かせるのが一番だ。威圧感のある声…逆らえない重圧。俺はそれを間近で見てきたんだ。今の俺ならできる。




「美菜の言う事もよくわかる。俺のことは別にして何も分かってもない状態で華琳をあの世界の皆を消すなんて許せない。でもこいつらは敵じゃない。それにわざわざ俺の所にこんな人数で真実を伝えに来たわけじゃないと思う。俺はそっちの話を聞きたいんだ。すまないが邪魔をするなら部屋から出ていってくれるか?もちろん美夏もだ。」



「ゾクッ~~~~~~~っ!ごめん。兄ちゃん。黙って聞くからいさせてくれ。」




「ならいいんだ。ごめんな。大喬達座ってくれて構わないよ。美菜と美夏はベッドに座ってくれるか?」




「ありがと。」




「失礼します。」





『 ねぇ、小喬。今のって』



『 うん。確かに今のは〝覇気〟だった。』



『 やっぱりこの北郷一刀はいや、〝魏の北郷一刀〟は他のとは違いすぎる。これなら大丈夫ね。』



『 一刀さんが了承すれば、ですけどね。』



『 するわよ。北郷一刀なのには変わりはないもの。どこまでも女に優しく、包み込んでくれる。この私が雪蓮様や冥淋様以外で初めて愛した人だもの。』






「よし。皆座ったか。じゃ大喬、小喬、華佗。この世界に来たもう一つの理由を教えてくれないか?」




「率直に言うわね。貴方には管理者になってほしいの」




「どういう事だ?」




「それについては私が説明します。一刀さんには私達と同じ管理者になって欲しいんです。」




「すまん、お断りだ。」




「でしょうね。私だって同じ立場ならそう言うわよ。」




「なら、なんで?」




「一刀、ちょっと待ってくれ。なんか変だ。」




「ん?どうした華佗。え?」


視界が歪む。大喬や小喬も同じらしい。



「っ!ここは道場か?」




「いえ、ここはあなたの家の道場を模した異空間です。」




「于吉!」



「コラ!于吉!あんたもうちょっとやり方なかったの!」


「あぁ?メスゴリラは黙って頂けますか?耳障りです。と言うより動物園に帰らないんですか?」


「よし。そこ動くな。切り刻んでやる。」


「メスゴリラ如きの刃が私に当たるとでも?」




「于吉!いい加減しろ!」 「姉さん!今はやめて!」



「「チッ」」



「左慈、于吉〝あっち〟はどうなったんだ?」




「あぁ?あぁ、あの二人なら私の異空間に閉じ込めました。このまま時間切れを待つつもりです。」




「?」


「北郷一刀。お前は気にするな。」




「あ、うん。あぁ、そうだ。左慈、」




「なんだ?」



「その北郷一刀ってのやめてくれないかな?なんなフルネームで呼ばれるの苦手でさ」




「わかった。なら北郷と呼ぶ。」




「ありがとう。でさ、なんでわざわざ異空間に移動したんだ?それに美菜達はいないみたいだけど。」




「えぇ。それに関しては今から話しますがこれから話す話は妹さん達に聞かれると非常にやっかいなことになりかねないので移動させてきただきました。正直あなたもこれ以上は妹さん達を巻き込みたくないのでしょう?」




「あぁ、当たり前だ。ありがとう。于吉」




「いえ、では本題に入ります。あなたに我々、つまり管理者になって欲しいというのは聞きましね?」




「あぁ。」




「ではさらに細かく話をしましょう。外史には専属の管理者がいます。その者達の役目は〝外史の終端をどんな形であれ見届ける事〟です。」




「それで?」




「私達は今回の事あなたには本当に申し訳ないと思っています。だからこうしてあなたに会いに来たんです。あなたに選んでもらうために。」




「一刀。お前には魏の外史の専属の管理者になってもらいたいんだ。魏の外史がこれからどんな風になるかはわからない。だけどこのまま消されるなんてあんまりだ。だからお前には管理者になってあの外史の行く末を見守って欲しい。」




「これから管理者達があの外史に送り込まれるわ。そして曹操や家臣達が狙われる。」




「三国同盟を崩すため曹操以外の君主や家臣を狙う連中もいるだろう。あの外史ではもはや何が起こるかわからない。今まではなかったが他の奴が主人公になれる可能性もあるからな。」




「だからこそ俺達は一刀にあの外史を守って欲しい。一刀自身の手であの外史を〝肯定〟して欲しいんだ。」




「ちょっと待ってくれ。それは俺に管理者になってあの世界の管理をしてくれってことか?」




「いや、それではただの肯定者だ。一刀にはあの外史にいる三国の重鎮達を守って欲しいんだ。これからあの外史がどうなるかわからない。だからそれを一刀には見守って欲しいんだ。あの外史の存在を〝否定〟する管理者達から守りあの外史を〝肯定〟して欲しい。」




「もちろん我々も影からサポートします。」




「なるほど。それであの世界を守れるなら華佗達の提案に乗らせてもらうよ。でも俺ってただの人間だぞ?管理者なんかになれるのか?」



「専属管理者の条件はその外史に行ったことがある事、気を扱える事、そして書類にサインする。これだけです。」



「その、2つはわかるけど俺大して気は使えないぞ?周りを探ることが出来る程度だし。」




「そうですね。多少鍛えなきゃだけど…そこは華佗さんお願いしますね。」




「わかった。」




「あとはこの書類にサインお願いしますね。あとは私から管理者の管理局に送っときますんで。」




なんかここだけシュールだなぁ。とな思いつつ書類にサインしていく。




「できたぞ。」




「あ、印鑑お願いしますね。」




「机の中だぞ?」



パチン

「はい。どうぞ。」




「お、おう。」

于吉が手を叩くと目の前に印鑑が現れた。もうなんでもありかよ……



「できたぞ。」




「ありがとうございます。私達はあなたの事で色々と工作しなければいけないので一度消えますね。小喬。メスゴリラ。行きますよ。華佗と左慈はすいませんがアレについて説明を。」




「「あぁ、任せろ。」」




「では。また今度。「発」。」


そう言うと于吉達は消えていった。大喬が于吉に対してものすごく怒っていたが気のせいだろう。残ったのは左慈と華佗。道場の異空間が残ってるということはまだ伝えてない事があるのだろう。




「なぁ、北郷。」




「なんだ?」




「俺達はまだ専属の管理者の決まりについて伝えていない。」



「だろうな。」



左慈の表情が異様に暗い。



「俺がお前に〝そこ〟にお前の居場所がなく、直接会えなくてもか?と聞いたのを覚えているか?」




「あぁ。」




「それについて説明する。一刀、よく聞いてくれ。お前が作った警邏隊〝北郷隊〟は既に解散している。後任に楽進が就いている。三姉妹のマネージャーも蜀の公孫賛が引き継いでいる、」




「居場所が無くてもってのはそういうことか。」



警邏隊の後任には凪が就いたのか。まぁ、妥当な所だな。真桜も沙和もサボり癖があるからな。天和達のマネージャーは公孫賛さんか。よく知らないけど決めたのは華琳だろうから適任なんだろう。




「専属の管理者には大きな決まり事が3つあるんだ。〝主人公とその周囲の者と繋がりを持たない事〟〝自分の正体をその者達に明かさぬ事〟〝外史で死亡しない事〟だ。」



そういう事だったのか。直接会えないというのは。確かに守ることはできる。でも会えない。ましてや自分はこの世界に帰ってきていると伝える事すらできないということか。それは確かに辛いのは辛いな。




「北郷。本当にすまない。こっちの都合で外史行ってこっちの都合で戻されて。2度も愛する者と引き裂かれて。そしてあの世界に戻れても影から支えることしかできない。そんな状「いいんだ左慈。」っ!」




「いいんだよ。お前達がこの状況を作り出した訳じゃない。確かに1度目は家族と2度目は恋人と2度も引き裂かれた。それでも俺はまだ生きてる。それに俺は真実が知れて嬉しいよ。確かに管理者達のやったことは理不尽だと思う。勝手だと思う。でも今の俺ならこう考えれる。〝あちらの世界で学んだ事は俺の宝だ。あちらの世界で出会った人々は俺の誇りだ。そして魏の皆は俺の大切な家族だ。だから管理者達にはあっちの世界に送ってくれたことを感謝したい〟ってな。」


今なら思える。そうだ、あの世界の全ては俺の命をかけても守りたいものだ。悩む必要なんてそもそもないんだ。




「一刀…」 「北郷…」




「二人とも大丈夫だよ。俺はその3つを必ず守る。」




「すまな…謝罪するのはもうやめよう。これから半年後紅い満月が満ちる。その夜に迎えに行く。」




「半年か。」





「大丈夫だ。曹操達はそれまでは俺達の仲間が影から守ってくれる。安心しろ」





「そうか。ありがとう。」




「礼を言われることじゃない。」




「俺達もこれで戻る。正史にいれる時間は限られているからな。では北郷また半年後に。」





「では、一刀またな。」




「あぁ、待ってるよ。」



5話までは一気に投稿しますよ。その後からはボチボチです、かね?

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