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海を吐く歪なチョーク

過ぎた冬

作者: 海之本

じわりと広がるシミのように

夜がゆっくりと穴をあけていく


ああ 声が聞きたい


そうか、寂しいのかと


空が月を隠して

私は一人歩く


風はやみ 星は消え

冷たい空気さへ感じない


私を呼ぶ声は過去へと


聞かせて欲しい

もう誰も思い出しはしない名を


きっと冬は過ぎてしまった

吐く息さへも白くはならない


そうか、皆どこかへ行ったのか


漏れる灯りも霞む


寒い冬が好きだった

歩いた道も枯れ葉が残るだけ


もうすぐ色とりどりの花が咲くのだろう


闇に満ちた静けさが震える

その声は温かかったのだ


忘れられた冬のように消えてゆく


そうだ、私はここにいるのだと

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― 新着の感想 ―
[一言] ほのかなしい雰囲気が漂う詩ですね。 「私」が好きだった季節は過ぎ去ってしまったのですから。 色とりどりの花が咲く季節になっても、ひとりきりでは寂しいでしょうし。 それとも、これから先の季節で…
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