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こわいこわい
こころが盲目になって
それにきづかないまま
尖ったものをふりまわして
ふりまわしているときづかないまま
踏んで
にじって
はての流血もみえず、悲鳴もきこえず
踏まないで
踏まないで
いたいいたいいたいいたい
心を歌うならば
心を聴いて
いたいようって
泣いているから
そんなふうにして
ひとのよにきずがきずきあげられてゆくってきづいてよ
へんなの
夕景が綺麗
陽が温かい
風が私を傷めない
誰にそんな優しさを教わったの
慰めようとも思わないで
どうして私を拾い上げるの
知る者のない心を
ころん、ってちいさく転がってる
なんにもできないんだよ
ぽっけも空っぽなんだよ
返せるものももたないんだよ
なあ、カラス
お前だって知ってるだろ
なのにさ
優しいものってへんだよね