37/44
移ろう季節に
光の並木道
桜氷 さくらごおりのかんばせは
淡く射し初めた春への期待
わずかなおそれ
怖い新しさ
汲めども尽きぬ心の海
ざぶんざぶんしんしんと
さくらごおりのかんばせは
甘く切なく疼く
叫び笑い踊り落涙せよ
したらつちからめがめぶく
ほら 鳥が鳴く
春告げ鳥
さくらごおりのあまくにがい
ほら 鳥が鳴く
夕告げ鳥
冬の落日
きりきりとした残照
時は来る
ほのかにかおる
野花の下生え
さくらごおりのうすわらい
ひやりと背を撫で兆しを示す
てをつないでいっしょにあるこう
光の並木道




