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Come on in, my dear.
見て
朝焼けが燦然として、あなたの手にある
両掌で作った窪みに溜まり、光っている
とろり
薔薇色か
金剛石か
はたまたマリーゴールドのよう
あら、あなた
きょとんとした顔して
気づかなかったの?
そう、気づいていなかったのね
燦然と溢れるものに
光の横溢に
昨日が闇とて
燦然の光を逃し忘れることなかれ
眩い鉱石を溶かしたような液体が、あなたの手の中にある
ちゃぷん
揺蕩い微睡み、輝き、輝く
あなたへと捧げられた讃歌
荘厳なパイプオルガンの音が高らかに鳴り響かずとも
あなたは光に知られ、捕えられて捕えている
相思相愛なのよ
そりゃあね?
片想いだって決めつけるのは簡単よ
クズ籠に鼻紙を投げ捨てる程度
その、クズ籠への放物線で
光から離れ去る軌跡だって追えるし
美しいわ
残酷よ
美しいわ
残酷よ
でも私は、魂を知ってしまったの
だから光から、逃れられない




