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たとえば眉をひそめるような


そんなことするひとをみて


では。


おまえはそうではなかったかと問えば


そうであったかもしれぬ…、と答える鏡がいる



その鏡は情けようしゃなく俺をうつし、


目をそらしつづけるのをゆるしちゃくれない


バカみたいに頑丈で、


石を投げつけてもこわれない


時おり。


おまえは俺をこわしたいのかよ! とやぶれかぶれに叫べば


それは、


おまえのほうだろう? と、せせら笑う



鏡よ鏡



生まれた時から


俺はおまえに呪われている


そうつぶやけば。


鏡はふいにおごそかな声で答えるのだ



それはちがうぞ、よーぅく聴けよ?



これは これはな


祝福なのだ


俺は 俺はな、おまえをうつす、


生あるかぎりうつしつづける、


おまえにあたえられた、


祝福なのだ


祝福が 俺なのだよ



………



そう来られてはもう、降参するしかないじゃないか



おーけい、わかった。 わかったよ…、


わかったけど、エラソーに言うからにはおまえ


ぜったい、俺からはなれんなよ?


死ぬまでつきまとえよ?


約束しろよな



真顔で鏡のやつをにらんでみせる


せいいっぱいのすごみをきかせて


するとあいつ、


またせせら笑うんだ



それはおまえの努力しだいだと



…おい、さっきということが違うじゃないか


生あるかぎりといったよな?


するとあいつ、


こんどはそっぽを向きやがった






「絶対の祝福なんてあるかよ」






ええ、じゃあ俺はどうすりゃいいのさ



すごみなんかわすれてオロオロ



けどもう、鏡は答えなかった


おっそろしくピカピカに光って


俺をうつすだけだった








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