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異文化エッセイ

日本語と中国語の外来語の発音について

作者: 中原恵一

 ふと思ったのだが、日本語では外来語は基本的に日本語の発音で読む。英語の単語が書いてあっても、game overならゲームオーバー(geemu oobaa)と読むし、startもスタート(sutaato)と読む。日本語という言語では日本語化した外来語は日本語の発音で読むのが普通である。


 しかし中国語ではどうか。中国語化した外来語は中国語の発音に即して読む。


逻辑(luo2 ji0) logic

拷贝(kao3 bei4) copy などなど。


 たとえば映画の名前では、


阿凡达(A1 fan2 da2) アバター

泰坦尼克(Tai4 tan3 ni2 ke4) タイタニック


 ちなみにタイタニックやウルトラマン(奥特曼ao4 te4 man4)といった単語は、声調は無視される場合がある。つまり軽声のように最初の字の声調以外があまり厳密に発音されない。もしくはそもそも声調がない。


 人名でも、


戴维·卡梅伦(Ka3 mei2 lun2) デイヴィッド・キャメロン

贝拉克·奥巴马(Bei4 la1 ke4 Ao4 ba1 ma3) バラク・オバマ


 こう書かれてしまうと、たまに分からないときもある。日本語の外来語と同じで、原音とかなり発音が異なる場合があるからだ。


 しかし中国語という言語では、日本語と違って中国語化していない英語の言葉が書いてあったらなるべく原音らしく読むのが普通である。


 たとえば


Game over了还可以从头再来嘛


 と書いてあったら、前のGame overは中国語の発音のように声調や音節を意識して読まない。

無論中国人なまりはあるにしろ、本人たちにとっては「英語の発音らしく」読むのが普通なのだ。


 よく中国人は日本人の英語の発音がおかしいというが、言語の習慣の違いなのではないだろうか。


 日本語という言語では、「それではさっそくレッツ・トライということで」と言うとき、rettsu toraiと読むのが普通であって、ずっと日本語をしゃべっていて突然その単語だけ英語の発音らしく読んだら変に聞こえるのではないだろうか。

 少なくとも気持ち悪いという感じを受けるだろう。何かその人が帰国子女であるとか、ハーフであるとか、特別な理由がない限り、「それではさっそく、Let's try」とそこだけ英語の発音で読まないだろう。


 しかし中国語ならそんなことはない。そこだけ英語の発音らしく読んでも中国語ではおかしくないのだ。中国語という言語ではむしろ、原音に即して読まないほうが不自然なのだ。


 これはおそらく中国語という言語と日本語という言語の外来語の音に対する捉え方の違いなのではないかと思った。


補足。昔、自身の担任の教師であった中国人の先生が日本語をしゃべっていたとき、「明日はorientationですから」のように英語の単語の発音だけ英語のような発音で読んでいたのが気になった。同じ現象がニュースなどでも見られる。つまり中国ではこうした読み方は社会的に当たり前の現象なのだと。


補足その2。日本人は漢字に振り仮名をつけて読む。当然振り仮名は日本語の発音である。感覚的に説明すると、もしかしたら日本人は英語の単語を見ても、日本語の振り仮名をつけて読んでいるのではないか?(笑 

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