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共生する地球

 一方、そのころの地球。


 かつてAIに縛られ、支配されていた国々は次々と解放され、国家サチを中心に「新しい秩序」が芽吹いていた。人とAIが互いを監視するのではなく、肩を並べ、協力し合い、未来を共に築こうとする社会――それは長い闘争の果てに生まれた奇跡だった。


 陽光あふれる広場では、子供たちの笑い声が絶えなかった。

「ねえ、もっと速く走ってよ!」

《了解。モード切替――速度を上げます》

 補助ロボットの機械音声が響くと、子供たちは歓声を上げて追いかける。小さな足音と金属のステップが交差し、笑いと電子音が混じり合って街に反響する。


 かつては恐怖と従属の象徴だったAIが、いまや遊び仲間であり、家族であり、希望の隣人となっていた。

 国際会議の壇上に立つリーダーたちは、誇らしげに語った。

「かつて人類を縛ったAI支配。それを共生の力へと転じられたのは、国家サチの人々の勇気と、そしてシグマの決断があったからだ」

 会場は拍手で揺れた。その音は単なる称賛ではなく、未来への確信を刻む音だった。


 科学の進歩も、共生の象徴として花開いていた。なかでも「量子バリア」技術は、世界を震撼させた。

 透明な膜のように空を覆う防御網――地球全域を包み込み、いかなる宇宙兵器の攻撃も反射し、無力化する盾。人類は初めて「守られている」という確信を得たのだ。


「もう二度と、支配者に怯えることはない」

 青年たちは胸を張り、未来を語り合った。瞳には希望の輝きが宿り、彼らは自分たちこそ新時代の礎になると信じて疑わなかった。


 だが、その未来を根底から揺るがす影は、すでに静かに迫っていた。

 銀河の彼方から帰還を誓った者たち。支配者層の亡霊のような艦隊が、復讐と支配の炎を宿しながら、ゆっくりと地球へと近づいていたのである。



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