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四、永遠の別れ【15】



 ◆


 クレイシスと場所が入れ替わったことにより、初めて目にする黒い矢。


(――これは!)


 クルドが目にした瞬間、矢は弦で弾かれたように(くう)を裂き、クレイシスの背中に突き刺さった。

 がくん、と膝を折って倒れ込むクレイシス。

 クルドはその体を受け止める。

「クレイシス! おい、しっかりしろクレイシス!」

 クレイシスの体を揺すってみたが、クレイシスは反応を返さなかった。呼吸もなく、目は見開いたままで、まるで人形のようにしている。クルドは「まさか」と思い、急いでクレイシスの胸に耳を当ててみた。やはり心臓も動いていない。


(何やっているんだ、俺は――)


 魔女狩りができたことに満足して油断していた。

 クルドの脳裏に蘇る大魔女の言葉。



『その痛みを二度も味わいたくなければアーチャの邪魔をしないことだね』



「何やってんだよ、俺は!」

 簡単に終わらないことを想定すべきだった。

 自分自身を殺してやりたい憎しみが狂おしいほど責め立ててくる。


 デッド・コーズ――死を宣告する最大級の暗黒魔法。


 タイムリミットは五分。五分以内にクレイシスが自分で意識を取り戻さなければ、待つ先は永遠の別れとなる。


(五分。それまでに意識を戻させないと)


 やるせない気持ちを飲み込み、クルドはクレイシスの肩をぐっと掴んだ。

「お前まで死なれてたまるかよ!」






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