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モブ令嬢の、幸せ推し活な学園生活 ~モブでしたが、女神として認められるよう皆と一緒にがんばります!~  作者: 廻り
第三章 モブでしたが、女神として認められるよう皆と一緒にがんばります!

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91 モニカの婚約者2


「ブラウリオお前、ヴィーナスモニカなめんなよ」

「ル……ルカ様……!」

「そうですわ。ヴィーナスモニカ嬢はなんでもお見通しですのよ。何と言ってもヴィーナスモニカ様ですから」

「ミランダ嬢……あのっ……!」

「そうだったね。失礼いたしましたヴィーナスモニカ様」

「殿下まで……!」


 モニカがわたわたしていると、リアナが抱きついてきた。


「ヴィーナスモニカちゃん可愛い!」


 初めて女神とモブを調節する画面を見せた後からしばらく、モニカのあだ名はヴィーナスモニカとなってしまった。今では、女神の隠語のように使われている。


(でも皆、語呂が良いから使っているだけで、ヴィーナスがどのような女神か知らないのよね……)


 モニカも言うつもりはない。さらにからかわれそうだから。


「モニカ。あれを確認しなくて良いのか?」


 カリストのその言葉に、皆は一気に緊張した表情に変わる。


(先生。助けてくれたのかしら?)


「はい。皆様、こちらへ集まってくださいませ」


 カリストに感謝しつつモニカは、皆を円陣を組むようにして集める。そしてその中央に両手を広げた。


「 ヴィーナスモニカセッティングオープン 」


 さすがにもう、何度も皆に見せているので、呪文を唱えることへの恥ずかしさは消えた。モニカは淡々とした態度で設定画面を出した。


 みんな揃って画面を確認してみると、女神とモブを調節するバーのつまみが、また女神側へと動いている。ルカが「よっしゃ!」と握りこぶしを天井へと向けて突き上げた。


 皆でがんばってこのバーを動かそうと決意してから、誰かが何かを頑張ったあとは、いつもこうして皆で確認するようにしている。

 大抵の場合は女神側に動いているので、達成感を味わうための良い材料となっていた。


 皆が喜びあっているのを見ながら、モニカも嬉しく思いつつバーを見つめた。この調子で皆で頑張れば、三年生になるよりも早く女神マックスになれそうだ。モニカを特別だと認識させるには、それより前でも良いかもしれない。


 このバーだけではなく、最近はモニカ自身も効果をひしひしを感じている。今も、あちらこちらで、モニカの噂話をしている声が微かに聞こえてくる。


「ほらあちらのご令嬢よ。ロベルト様とビアンカ嬢の関係が改善されたのはモニカ嬢のおかげだそうですわ」

「私は、モニカ嬢のおかげで、ルカ様とミランダ嬢がご婚約できたとお聞きしましたわ」

「最近、聖女様が社交的になられたのも、モニカ嬢の影響だとか」

「これから社交界をリードなさるのは、モニカ嬢かもしれないわ。今度、お茶会にお誘いしてみようかしら」


(社交界をリードするつもりはないのですが……)


 モニカはそれらを聞きながら、飲み物を取りに向かおうとした。その時、ふと視線を感じて振り返ってみると、視線の先にはイサークの姿が。


(また……)


 ルカとミランダの婚約式で話して以来、パーティーなどへ参加するたびに視線を感じ、イサークと目が合ってしまう。

 そして彼は、爽やかに微笑んでくるのだ。

 モニカは嫌な感じがして、即座に視線をそらした。


(何が目的なのかしら……)


 初めて彼と会話した際は忘れていたが、ミランダから以前に、イサークがモニカのことを調べていると聞いている。

 モニカとの接触を始めたということは、調べる段階は終了し、実行に移しているのだろう。


「モニカ。険しい顔をしているが大丈夫か?」


 カリストに顔を覗き込まれて、モニカは慌てて表情を元に戻した。


「あのっ……。大したことでは……」

「イサーク・リアマのことか?」

「先生も気がついていたのですか?」

「モニカのそばにいれば、嫌でも気がつくさ。そろそろ注意すべきか」

「私は大丈夫です。目が合っただけで注意していたら、先生のほうが言いがかりをつけているように思われますよ」

「あいつは、モニカのそばに俺がいるから近づけないだけさ。モニカに話しかけたくてうずうずしているんだろう」

「先生は、そのようなことまでわかるのですか?」

「ただの感だ」


 カリストは、なぜか不機嫌そうにそう答えた。

 精霊の目を通して、人とは違う視点から物事を見ているカリストが、ただの感で何かを決めつけるのは珍しいこと。


(もしかして、私のそばを離れないのは、それが理由だったのかしら)


 イサークと話して以来、カリストはどのパーティーでもモニカを一人にすることはしなくなった。


(知らぬ間に守られていたのね)


「先生ありがとうございます」


 モニカはカリストの腕に手を添えてにこりと微笑むと、カリストは「なにがだ?」と知らぬふりをしながら微笑み返してきた。


 そのような仲睦まじい姿を、イサークが冷え切った目で見ていたいたとは、モニカは夢にも思っていなかった。


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◆人物紹介◆

モニカ・レナセール
伯爵令嬢。乙女ゲームのモブ

カリスト・ビエント
教師・男爵家の養子。乙女ゲームの攻略対象(初心者用)

ルカ・フエゴ
公爵令息・騎士。乙女ゲームの攻略対象

リアナ
聖女・平民。乙女ゲームのヒロイン

ブラウリオ・ アグア・プロテヘル
王太子。乙女ゲームの攻略対象

ロベルト・スエロ
侯爵令息・宰相の息子。乙女ゲームの攻略対象

ミランダ・セーロス
公爵令嬢。乙女ゲームのルカの婚約者

ビアンカ・ソルダー
辺境伯令嬢。乙女ゲームのロベルトの婚約者

イサーク・リアマ
男爵・ルカの従兄。乙女ゲームの悪役

ルー
火属性の精霊

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◆作者ページ◆

~短編~

契約婚が終了するので、報酬をください旦那様(にっこり)

溺愛?何それ美味しいの?と婚約者に聞いたところ、食べに連れて行ってもらえることになりました

~長編~

【完結済】「運命の番」探し中の狼皇帝がなぜか、男装中の私をそばに置きたがります(約8万文字)

【完結済】悪役人生から逃れたいのに、ヒーローからの愛に阻まれています(約11万文字)

【完結済】脇役聖女の元に、推しの子供(卵)が降ってきました!? ~追放されましたが、推しにストーカーされているようです~(約10万文字)

【完結済】訳あって年下幼馴染くんと偽装婚約しましたが、リアルすぎて偽装に見えません!(約8万文字)

【完結済】火あぶり回避したい魔女ヒロインですが、事情を知った当て馬役の義兄が本気になったようで(約28万文字)

【完結済】私を断罪予定の王太子が離婚に応じてくれないので、悪女役らしく追い込もうとしたのに、夫の反応がおかしい(約13万文字)

【完結済】婚約破棄されて精霊神に連れ去られましたが、元婚約者が諦めません(約22万文字)

【完結済】推しの妻に転生してしまったのですがお飾りの妻だったので、オタ活を継続したいと思います(13万文字)

【完結済】魔法学園のぼっち令嬢は、主人公王子に攻略されています?(約9万文字)

【完結済】身分差のせいで大好きな王子様とは結婚できそうにないので、せめて夢の中で彼と結ばれたいです(約8万文字)


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