表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブ令嬢の、幸せ推し活な学園生活 ~モブでしたが、女神として認められるよう皆と一緒にがんばります!~  作者: 廻り
第一章 『女神の再来』だと精霊に告げられましたが、それより推しに認知されたい

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/143

33 試験と結果1


 それからさらに勉強に専念したモニカたちは、ついに定期試験の当日を迎えた。

 教室では試験が始まるまで、教科書を読みながら最終確認をしているモニカの横で、ルカが余裕がある様子で話しかけてくる。


「モニカ。俺に遠慮したりすんなよ?」

「えっ……?」

「モニカは俺を持ち上げるために、自分を犠牲にしがちだからな」

「そっ……そうですか?」


 じつのところモニカは、そのつもりでいた。なにせ推しがこれほど頑張っているのだから、それなりの成果を得てほしい。高得点はキープしつつも満点は目指さないつもりでいた。


「モニカの学力をすぐに追い抜けるなんて思ってねーし。でも、いつかは追い抜くつもりだからよ。モニカも本気で、俺に追い抜かれないよう頑張ってくれ。目標が低かったらつまんねーだろ?」


 モニカに教えてもらうのは恥だと思っていたルカが、モニカを目標に据えるほど、勉強に対して真剣に向き合うようになるとは。

 推しの成長に、心がジーンとする。


「ルカ様のやる気に繋がるのでしたら、私も気を抜けませんね」

「おう。今日はお互いに、全力を尽くそーぜ」


 ルカは、モニカに向けて拳を差し出しながら、笑みを浮かべる。本番前の気合入れのようだ。男性同士の友情のようなやり取り。これも幼馴染の特権か。


「はいっ。頑張りましょうね!」


 モニカも拳を作ると、ルカの拳にこつんと合わせた。




 その数日後。廊下には、学年ごとに定期試験の結果が張り出されていた。

 登校して早速、モニカはリアナに連れ出されてそれを見に行った。

 すでに掲示板の前には、ほかの三人もそろっており、モニカとリアナの登場で一斉に振り返った。


「やったぜモニカ!」


 ルカは嬉しそうに、モニカへと肩を組んでくる。かなり高揚している様子なので、どうやら成績が良かったようだ。


(もしかして、ルカ様が一位なのかしら!)


 モニカも本気でがんばったが、公爵になると決めてからのルカの熱意は、凄まじいものがあった。

 それにモニカは、勉強ができるといっても基礎は独学の部分が多い。ルカが本気になれば、あっという間に追い抜かれる自信はあった。


「ルカ様、もしかして……!」


 モニカも嬉しくなりながら、掲示板を確認しようとした。けれど目の前にブラウリオが立ちはだかる。

 彼はどうやら一位を取れなかった様子。笑顔に不釣り合いな冷たい視線がモニカに突き刺さった。

 リアナを独占する権利を得られず、ブラウリオはご機嫌ななめのようだ。

 けれどその不満をモニカへ向けるのは、筋違いではなかろうか。モニカはそう思ったが――


「今回は、完敗だよ。おめでとう、モニカ嬢」

「おめでとうございます、モニカ嬢。今度、勉強法を教えていただけませんか?」


 続いてロベルトも、淡々と賛辞を送ってくる。モニカはぽかんと、二人を見上げる。


「あの……。ルカ様が一位なのでは?」

「んなわけねーだろ。見てみろよ!」


 ルカは人をかき分けるようにして、モニカを掲示板の前へと誘導した。

 やっと見えるようになった順位を確認したモニカは、目を丸くして驚く。


 一位 モニカ・レナセール

 二位 ロベルト・スエロ

 三位 ブラウリオ・ アグア・プロテヘル

 四位 ルカ・フエゴ

 五位 リアナ


(うそっ。私が一位……?)


 これは一体、どういうことだ。モニカはこの貴族学園に入学するまでは、ひたすら教科書を読んだり、自分で調べただけの独学。

 一流の家庭教師がついているであろう、ロベルトとブラウリオよりも成績が良いとは信じられない。


「モニカ嬢には優秀な家庭教師がついているようだね」

「そうですね……。先生は優秀な方ですわ……」


(教わったことは、あまりないけれど……。それより、もしかしてあれ(・・)のせいかしら……)


 実のところ、モニカは前世の記憶を思い出してから、勉強への理解力が上がったように思っていた。なにせ、前世では高校生だったので勉強に真っ盛りな年代。その感覚が戻ってきたおかげかもしれない。


(まさかこんなところで、チートみたいな技を使ってしまっていたなんて……)


 けれど、世界が違えば学ぶ内容もだいぶ変わってくる。手探りの独学から、効率的な勉強法を得ただけのこと。モニカが頑張って勝ち取った一位には変わりない。


「モニカちゃん、おめでとう! モニカちゃんが一位で嬉しい!」

「ありがとうございますリアナちゃん。私も嬉しいですっ」


 勉強とは孤独におこなうものだと今までのモニカは思っていたが、今回は皆で得意な部分を教え合ったりして、協力する楽しさを知れた。

 そして大勢と競争するのも、モニカにとっては初めてのこと。頑張った結果がこうして順位に出るのは、なんとも達成感を得られる良い気分だ。


 ルカの公爵家でのイメージを良くするために始めたことだが、ルカのおかげで貴重な体験をさせてもらった。

 モニカは胸がいっぱいになりながら、祝福してくれた仲間たちを見回した。


 しかし皆は、なぜか何か言いたげにモニカに注目している。


(どうしたのかしら……)


 おろおろとリアナに助けを求める視線を送る。するとリアナは、食い気味にモニカの手を握りしめた。


「それで、モニカちゃん! 誰を一日、独占したいの?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◆人物紹介◆

モニカ・レナセール
伯爵令嬢。乙女ゲームのモブ

カリスト・ビエント
教師・男爵家の養子。乙女ゲームの攻略対象(初心者用)

ルカ・フエゴ
公爵令息・騎士。乙女ゲームの攻略対象

リアナ
聖女・平民。乙女ゲームのヒロイン

ブラウリオ・ アグア・プロテヘル
王太子。乙女ゲームの攻略対象

ロベルト・スエロ
侯爵令息・宰相の息子。乙女ゲームの攻略対象

ミランダ・セーロス
公爵令嬢。乙女ゲームのルカの婚約者

ビアンカ・ソルダー
辺境伯令嬢。乙女ゲームのロベルトの婚約者

イサーク・リアマ
男爵・ルカの従兄。乙女ゲームの悪役

ルー
火属性の精霊

gf76jcqof7u814ab9i3wsa06n_8ux_tv_166_st7a.jpg

◆作者ページ◆

~短編~

契約婚が終了するので、報酬をください旦那様(にっこり)

溺愛?何それ美味しいの?と婚約者に聞いたところ、食べに連れて行ってもらえることになりました

~長編~

【完結済】「運命の番」探し中の狼皇帝がなぜか、男装中の私をそばに置きたがります(約8万文字)

【完結済】悪役人生から逃れたいのに、ヒーローからの愛に阻まれています(約11万文字)

【完結済】脇役聖女の元に、推しの子供(卵)が降ってきました!? ~追放されましたが、推しにストーカーされているようです~(約10万文字)

【完結済】訳あって年下幼馴染くんと偽装婚約しましたが、リアルすぎて偽装に見えません!(約8万文字)

【完結済】火あぶり回避したい魔女ヒロインですが、事情を知った当て馬役の義兄が本気になったようで(約28万文字)

【完結済】私を断罪予定の王太子が離婚に応じてくれないので、悪女役らしく追い込もうとしたのに、夫の反応がおかしい(約13万文字)

【完結済】婚約破棄されて精霊神に連れ去られましたが、元婚約者が諦めません(約22万文字)

【完結済】推しの妻に転生してしまったのですがお飾りの妻だったので、オタ活を継続したいと思います(13万文字)

【完結済】魔法学園のぼっち令嬢は、主人公王子に攻略されています?(約9万文字)

【完結済】身分差のせいで大好きな王子様とは結婚できそうにないので、せめて夢の中で彼と結ばれたいです(約8万文字)


+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ