表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【三章】モブ令嬢の、幸せ推し活な学園生活 ~モブでしたが、女神として認められるよう皆と一緒にがんばります!~  作者: 廻り
第一章 『女神の再来』だと精霊に告げられましたが、それより推しに認知されたい
29/136

29 勉強会1


 そうして放課後に、五人で勉強会をする日々が始まった。場所は休憩室を使うこともあれば、誰かの邸宅へお邪魔したり、図書館へ行ったりと。ブラウリオは、皆が飽きないようにいろいろと配慮してくれていた。


 けれど、勉強会を開いてみて気がついたことだが、学力に問題があるのはルカだけではなかったのだ。


 モニカ、ブラウリオ、ロベルトの三人は、貴族としてそれなりのレベルの学力を持っていたが、リアナは違う。彼女は平民だったので、そもそも貴族が学ぶような勉強をする機会がなかった様子。


 ゲームでは、攻略対象に勉強を教えてもらうイチャイチャシーンがあったけれど、ヒロインの学力については描写されていなかった。

 モニカの計画では、リアナと一緒にルカの勉強を見ながら、さりげなく二人を仲良くさせるつもりだったが、それはお預け状態となっている。


 今は、リアナの勉強をブラウリオが付きっ切りで教え、ルカはわからない問題があるとロベルトにばかり質問していた。


「あーわかんねー! ロベルト教えてくれ」

「またですか? この前までの優秀さは、どこへ消えてしまったのですか」

「知らねーよ。いいから教えてくれよ。なー」


 ルカに肩を組まれて、ロベルトは迷惑そうだ。


(ふふ。ルカ様もだいぶこのメンバーに、気を許すようになってきたみたい)


 最近ではルカの塩対応も、少し緩和されてきたようだ。それだけ、このメンバーに居心地の良さを感じているのかもしれない。


 推しが居場所を作れたようで、モニカはとても嬉しい。勉強に関してはまったくモニカを頼ってくれないルカだが、こうして成長を見られるだけでもメンバーに入れてもらえて幸せだ。


(こうしていると、私はモブに戻ったみたいに感じるわ)


 勉強会を開いている間は、モニカは誰にも必要とされていない。ただ黙々と勉強して、夕方になったら帰るだけ。


 もしかしたら、モニカが役を与えられた理由は、ルカをこのメンバーの中に溶け込ませるためだったのかもしれない。

 それが完了したので、徐々に存在感が薄れている。

 そうして完全にルカから必要とされなくなったら、またモブに戻るのかもしれない。


(それが本来の、あるべき姿よね……)


 寂しくもあるが、脇役は目的を果たしたら速やかに去るものだ。


(冷静に考えると、今での私は少し浮かれていたみたい。推しに可愛がられて、ヒロインに友達扱いされて。そんな状況、モブの私に起こるはずがないのに……)




 勉強会終了後。それぞれ帰宅しようとしていたところへ、ブラウリオがルカを呼び止めた。


「ルカ、少しいい?」

「なんだよ?」

「ルカって、モニカ嬢を気に入っているんだよね?」

「それがどーしたんだ」

「それならもっと、彼女を気にしてあげなよ。勉強会の間、ずっと彼女は寂しそうに君を見つめているよ」


 ここ数日、ブラウリオはそれがずっと気になっていた。


 ブラウリオがリアナの勉強を見ることで、モニカからリアナを引き離すことには成功している。

 カリストとの約束は果たしているし、リアナを独占することさえできれば、他の者がどうしようと構わないと思っていた。


 けれど、モニカを視界に入れるたびに彼女のことが、なぜか気になる。

 リアナに向けるような感情があるわけではないが、ただ単に気になって仕方ない。

 そしてどういうわけか、手を差し伸べずにはいられなくなる。


 モニカは不思議な魅力がある娘だ。もしかしたらカリストも、このような気持ちなのかもしれない。

 敬愛する教師と同じ気持ちを共有できているようで、ブラウリオとしては悪い気はしない。

 だからこんなお節介を焼くのも、カリストに近づくためだと納得していた。 


「んなこと言っても、モニカに教えてもらうのは恥だろ」


 ルカは、意中の子に教えを乞うのは、男としてのプライドが許さないようだ。

 自己中心的な振る舞いが多い彼には、相手の気持ちに立って考えるという発想が乏しいのだろう。

 そして、相手の気持ちを汲み取りつつ、自分に振り向かせる方法も。


「もっと状況を有効活用しなよ。女の子はね、甘えられるのも意外と好きなんだよ」

「ほぅ……」





 翌日の放課後。王宮での勉強会。

 モニカはあり得ない光景に、完全に硬直していた。


 別に、王宮が豪華すぎて驚いているわけではない。王宮へは何度も来たことがあるので、すでに慣れている。


 あり得ない光景というのは、ルカの話だ。

 今日の彼は珍しく、ロベルトではなくモニカの隣に座っている。

 そして教科書をモニカの横へ差し出すと、ちょっと照れた感じでモニカの顔を覗き込んできたのだ。


「モニカ、ここ教えて?」


 急に、推しがデレている。


 昨日まではモニカがモブに戻りそうな勢いで、ロベルトにばかり絡んでいたのに。

 ロベルトは嫌そうにしつつも、いつも丁寧にルカへ勉強を教えていた。二人の関係に問題が生じたわけではないはずなのに、なぜ……。


(ルカ様……、『男のプライド』どうしたんですか!)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◆人物紹介◆

モニカ・レナセール
伯爵令嬢。乙女ゲームのモブ

カリスト・ビエント
教師・男爵家の養子。乙女ゲームの攻略対象(初心者用)

ルカ・フエゴ
公爵令息・騎士。乙女ゲームの攻略対象

リアナ
聖女・平民。乙女ゲームのヒロイン

ブラウリオ・ アグア・プロテヘル
王太子。乙女ゲームの攻略対象

ロベルト・スエロ
侯爵令息・宰相の息子。乙女ゲームの攻略対象

ミランダ・セーロス
公爵令嬢。乙女ゲームのルカの婚約者

ビアンカ・ソルダー
辺境伯令嬢。乙女ゲームのロベルトの婚約者

イサーク・リアマ
男爵・ルカの従兄。乙女ゲームの悪役

ルー
火属性の精霊

gf76jcqof7u814ab9i3wsa06n_8ux_tv_166_st7a.jpg

◆作者ページ◆

~短編~

契約婚が終了するので、報酬をください旦那様(にっこり)

溺愛?何それ美味しいの?と婚約者に聞いたところ、食べに連れて行ってもらえることになりました

~長編~

【完結済】「運命の番」探し中の狼皇帝がなぜか、男装中の私をそばに置きたがります(約8万文字)

【完結済】悪役人生から逃れたいのに、ヒーローからの愛に阻まれています(約11万文字)

【完結済】脇役聖女の元に、推しの子供(卵)が降ってきました!? ~追放されましたが、推しにストーカーされているようです~(約10万文字)

【完結済】訳あって年下幼馴染くんと偽装婚約しましたが、リアルすぎて偽装に見えません!(約8万文字)

【完結済】火あぶり回避したい魔女ヒロインですが、事情を知った当て馬役の義兄が本気になったようで(約28万文字)

【完結済】私を断罪予定の王太子が離婚に応じてくれないので、悪女役らしく追い込もうとしたのに、夫の反応がおかしい(約13万文字)

【完結済】婚約破棄されて精霊神に連れ去られましたが、元婚約者が諦めません(約22万文字)

【完結済】推しの妻に転生してしまったのですがお飾りの妻だったので、オタ活を継続したいと思います(13万文字)

【完結済】魔法学園のぼっち令嬢は、主人公王子に攻略されています?(約9万文字)

【完結済】身分差のせいで大好きな王子様とは結婚できそうにないので、せめて夢の中で彼と結ばれたいです(約8万文字)


+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ