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ダブルサイココライド ーSaga of Puppeteer ー   作者: KJK
6章 異界衝突 傀儡師と魔女と巨人の軍団
46/53

2話 


州都郊外 北東エリア

ANKH領ショッピングモール前、交差点



John・Smith



領内を散歩中。聞き覚えのある駆動音が耳に入って来た。交差点付近に再びあの魔導バイクなる自動車がやって来たのだった。魔道バイクが横断歩道脇に停止するとエヴァンジェリカが空き巣でもする気なのかというほどに辺りを慎重に見渡しながら降りて来た。生来の警戒心の高さなのか、それとも他の勢力だからなのか。しつこいほど見回している。


車両の持ち主は此方には目もくれずキョロキョロと辺りを見渡してから交差点のショッピングモール前の電柱に紙を張り付けて帰っていった。


無視された? 

あ、隠形を使っていたからだ。


電柱に貼られていた紙を剥がして読む。内容は協力関係にならないかというもの。出来れば仙桃を取引したいようだった。日を追って代表同士でコンタクトを取りたい旨。


仙桃はそこまで大量生産できないから、この前のは特別だと言ったけれど、それでもってことか。普通の果物ではないのは理解しているとは思う。一応仙桃にたいして何をこちらに差し出せるのか聞いてみないと。基本的によほど特別なものでないと仙桃との取引材料にはならない。


ただこちらとしてもゾンビ菌に仙桃が有効なのかは知りたくもあった、そういう意味では少量なら安く譲ることはむしろした方がいいかもしれない。データと引き換えにと言うやつだ。


翌日も例の美人の伝令がやってきてそのまま手紙を置いて帰ろうとしたので隠形を解いて声をかける。


やぁ、と言うとあちらも手のひらを振りながら、やぁ、と返してきた。


「普通に口頭で交渉できるけれどこのまま手紙でやり取りするの?」と聞くと、別に会話でもいいと言うので、じゃあ君が色々と決めちゃってもいいの?と聞く。すると「うん、私は多分全権大使的な何かだと思うから」とイーヴィは言ってきた。多分? 大丈夫だろうか。 


「とりあえず、いろいろお互いに交渉してみよう」

「うん、騙されないぞ~! 」

「いや、騙さないから。大丈夫」

「でも詐欺師はみーんなそういうんでしょ?」

「それはそうかもしれないけど」


とりあえず、取引すること自体は問題ない。その場で交易関係の話はこれからもするとお互いに決めた。全権大使は紙にそれを書いてサインもしてくれた。此方もさせられたけど…


お互い外交官なんてやったことは無い。

ついつい心の何処かでこんなものこの世界で意味あるのか? と思ってしまうが、記録に残す癖をつけておくのは大事だろうことは理解できた。今後他の勢力に出会ったらイーヴィーのように俺もやろう……


「交差点にいても何だし、場所を移動する?」

「いいけど、何処かによりますけど?」

僅かに身構えながらイーヴィーが言った。


「デパート前のカフェにしようか。そこでいい?」

「カフェ? ……コーヒー出せる?」

「出せるけど」

「うん、じゃあ行く」


交渉場所が決まり、ショッピングモール内へ。

彼女はぼーっとしつつも興味津々と言った様子で施設内を見回していた。


交渉内容。


ANKHからはゾンビの死体を希望した。動く死体の動かなくなった死体だ。弱体化させたゾンビやその体の一部などのサンプルも。他には魔女のアイテム類をいろいろ見たいことを伝えた。


イーヴィからは仙桃などのアイテム類から生活必需品などの取引の希望。お互い具体的な話にはならなかったけど。そんなものだろう。


大型モンスター討伐に効果的なアイテムとウィルスに対抗できる手段が欲しいようだったが。そんなものあったかな…… 大型モンスターは普通に戦って倒してきたし、ゾンビとは戦っていない。いや、属性卵爆弾と仙桃が役立つかもしれない。一応少数を渡しておく。


代わりにあちらからは魔導ランチャーと弾薬。毒のスモークボムと狂気のスモークボムを少し。魔女の秘薬などがこちらとの取引出来るものらしい。お返しにとイーヴィの車の中にあるものをくれた。




***




翌日。


約束通りイーヴィーが領土間を3往復してゾンビなどをこちらの領土に置いて行った。彼女は魔導バイクがゾンビの匂いで地獄になっていると怒っていた。泣きそうになりながらゾンビ化した魔物やエイリアンの死骸を受け渡しに来るイーヴィーに申し訳なく思った。


ゾンビは思いっきり腐った人間や魔物の死体。そりゃ嫌だったろう…… 同情する。


匂いとかもそうだが、感染とかも怖いし俺も触りたくない。子蜘蛛に運ばせているとイーヴィーが…… 「私には死体に触って抱きかかえてってやらせれてるのに皆は触りもしないんだね…… こんなにプリティフェイスなのに何も思わないのかな? 」と人間不信になりそうな顔で呟いていた。


あの乗り物は運搬に適していない。確かに生物の亡骸を助手席に乗せて運んでくるのは酷か。


畑から収穫した仙野菜をいくつか持たせる。これも取引リストに入れられると告げると嬉しそうな顔になる。


「私にだけ何か特別にあればもらうけど…」


何かない? と恐る恐る聞いてきた。

え? 君にだけ特別にって?


「だって頑張ったから、なんか欲しい…」

「えーと、じゃあ生命の水と缶詰とジュースとか、他の野菜とかがあるからそれをちょっと…」


イーヴィーは近づいてきて小声でありがとうと言ってきた。どういたしまして…


あとWitchery は魚も取引してくれるらしい。魚! 魚は保存食や缶詰以外は久しぶりだ、かなりうれしい。




***




X州 東部地方 ペアマウント湖


Renee Ripley



Witcheryがネフィリム軍と戦争状態に突入してから。ここしばらく敵軍に有効な損害を与えられていなかった。


最初は悪くなかった。

ただここにきてWitcheryが一日で相手に追わせられる被害とネフィリム軍の兵の増員数に差がつき始めていた。


ルネーがため息をつく。最近は一日でわたし単独でも百体以上のゾンビを狩っているけれど、それにも関わらず敵は増え続けている。


Witchery

領土 8㎢

構成員 21


ネフィリム軍


領土 122㎢

構成員 1万+?



大量の魔物を倒してきた。いくらゾンビが旨味のない相手でも流石にレベルもあがった。


ルーシーには魔導ランチャーの弾のプログラムに専念してもらっているけれど、まだ多少コストが安くなった程度だ。それ以外では弾の射程と保存がもう少し融通がきくようになった。マナはその場に留めておくのが難しいエネルギーなので有難い。


イーヴィーには魔導装甲車でルーシーを連れて逃げてもらったり、霧の外の方面を探索を任せている。私たち以外にも能力者のグループがいるかもしれないからだ。


そしてついに先日。

州都郊外のほうでイーヴィーが出会った人間の勢力と交易を始めることができた。勢力名「ANKH(アンク)


漸く生き残りの人間と出会うことが出来た。しかし領主以外の人間を見ないということ。領土の様子がどうにも怪しいとイーヴィーから報告が上がってきていた。領主自体はいい人そうだとも言う。


お互いが勢力を持つ者同士でのファーストコンタクト。こちらと同じように人間の構成員が少ない可能性もあった。何せこちらは私以外の人間がたったの二人なのだ。舐められるとまずい可能性もあったためこちらの戦力や人数は秘密にしている。勝手に主導権を取り吸収しようとしてくる可能性だってある。慎重になっているのはあちらも同じなのかも知れない。


コツコツと信頼関係を深めていければと思っている。幸運だったのは仙桃という果物が交易で手に入ったこと。そしてこの果物。ゾンビ菌に対しての抵抗力が上昇する効果が見つかった!


治癒できるかは不明…

ゾンビに食べさせてみたけど、何も変わらなかった。完全にゾンビ化する前の場合はどうなるか。予防には使えそうなだけでも大収穫だったけど。


あと野菜! 野菜はしばらく食べられなかったので貴重だった。生命の水も素晴らしかったし。栄養満点、精神安定効果、リラックス効果。集中力向上、睡眠改善、アンチエイジング効果、ダイエットにも良い。さらに作物を植えたらこの水で育ててやると? 夢のお水みたいな感じなのだろうか。





-----七日後



Witchery領土内マリーナ。

      

イーヴィーがANKHという勢力と交易に出ているタイミングだった。彼女が私たちの本拠地に帰ってくるはずの時間。帰還場所をゾンビ軍の猛攻で攻め落とされてしまう。



「しばらく戻ってこなくていい。もしくは来るなら最大限に注意しながら合流するように」


至急ミネルヴァを介してチャネルで思念を伝える。


イーヴィーは了解したようだが、その後連絡が途絶える。マナが足りなくなったのかも、あと距離が離れすぎたか。

心配だ。魔導機械の燃料はWitcheryの領土で加工したマナを燃料としている。彼女もあまり遠くまでいけない。それに燃料はいつまでも持たない上に消費期限がある。ミネルヴァを何度も飛ばしたが近くには居なそうだった。ANKH領に向かっているのは魔道装甲車のタイヤ後などの痕跡からわかった。


探索範囲を広げるには領土を広げなければならない。ゾンビ軍相手にしながら領土を拡大するのは至難の業。そして今は選択肢の中には入れていなかった。



***



ペアウエスト



夜の帳が降り、上弦の月がその帳から顔半分だけ出していた。それは魔女の一味の犯行を覗き見をしているようであった。


隠れ家にしている廃屋の一つ。電気は無く暖炉に点けられた火の明かりが揺れ、一味の顔を照らす。仙桃をメンバーで分け合ってかぶりつく。梟が窓から夜の街へと羽ばたいていくのを皮切りに他の面々も動きだした。


ネフィリム軍領土となりつつある西側の町ペアウエストで残されていた物資を引き上げ。さらに置き土産のように街に火をつけていく。ルーシーが魔導ランチャーで魔女の炎を射出して回る。十分な成果を得てミネルヴァが彼女を安全な場所まで退避させた。


火の手が街中に上がり街はオレンジに染まる。


頬がジリジリと熱い。

夜の住宅地の路地、燃え盛る家々が秋の冷たい風に中に熱風を加わえている。


敵軍は西側での活動が日に日に活発になり。この街は捨てて、西側の軍を削ることを決めた結果の作戦だった。


市街地での戦闘はこちらが一方的に押せている。オスカーが怪獣化してゾンビを蹴散らす。怪獣化したオスカーはまさに一騎当千の活躍を見せてくれる。


今回はオスカー、私とミネルヴァ、グラムとその配下8体を中心に襲撃。と言っても大体このメンバーがいつも中心となる。人間の二人にはまだ白兵戦はさせたくない。


燃え盛る家が崩れ落ち、バスにちかいサイズのそこに巨大なコモドドラゴンのようなエイリアンが姿を現す。最近ネフィリム軍にゾンビ化された大型異界獣で手ごわい個体だ。怪獣化したオスカーと力で渡り合える上に炎と水に耐性がある。


しかもこれとセットなのが…


丁度現れた。


路地からゆらりと出て来たのは巨大なヘラジカの魔獣ゾンビ。燃える街の中を幽鬼のごとき静けさで歩く。この個体が厄介極まりないのだ。


大ヘラジカが川辺に水を飲みに行くような軽快さでオスカーへ突進していく。オスカーが受け止め応戦。こいつを好き勝手にさせてしまうと他のことが出来なくなる。


オスカーに任せる。ルーンフィールドでヘラジカを浮かせては前足で叩き、突進攻撃時には重くし、上から馬乗りになり殴打し噛みつく。が相手も頭を振り回し角を胸ながら突進や後ろ蹴りを放つ。


その間にグラムは人間ほどの長さと質量を持った魔剣を召喚しコモドドラゴンに立ち向かう。


上空にいるミネルヴァと自身をチャネルで繋ぐ。箒と共に舞い上がり、器用に箒の上に立つ。スペルブックを召喚。魔法陣作成、胸の前へ。魔法威力強化の効果を得て高位攻撃魔法「滅びの矢」の矢の部分を召喚、スペルブックを消し滅びの矢を撃つための弓を召喚。


撃つ準備。


オスカーがヘラジカを抑え込んでいる間に滅びの矢を放つ!


濃密な霊気の塊が大気を揺らし轟轟とした音が残響となり響いた。ヘラジカが肩から胸にかけて撃ち抜かれ腹ばいに崩れ伏せた。


が、ヘラジカの体が光りだす。気泡のようにも見える魔力の粒が周囲から立ち昇り始める。他のゾンビ兵からマナが抜け出す。次々と倒れていくゾンビ兵とすれ違うようにヘラジカが膝を折っていた足を真っすぐにして立ち上がった。


静かなオーラを身に纏いこちらを一瞥してきた。目が合う。何を考えているのかわからない目だった。


回復能力。これがこいつの厄介なところだった。ダメージを与えても仲間から魔力を取り上げて回復してしまう。私の滅びの矢は一日に何度も撃てない。でもやるしかない、この前は撤退するしかなかったけれど。


それからオスカーと私とグラムたちで戦闘を続けたがなんとヘラジカがコモドドラゴンを回復しだして戦局がまた変わってしまった。


「仲間まで回復できるなんて聞いてない! ……ホントにもう!」


回復できるのは自分だけに対してかと思い込んでいた!

仲間たちに合図を送る。

ここで撤退する。



***




明朝。


船内でカレンダーと睨めっこをしていた。私とルーシーで日付に対する認識が違うことが発覚。私に至ってはもはや曜日感覚などとうに無くなっていて気にもしていなかった。というわけで正確な日付が分からないのだ。


秋なのは間違いないが… 気候だけで日付を当てる知識など持ちあわせていない。ANKHに尋ねてみようか。彼らなら知っているかも知れない。


ちなみにイーヴィを預かっているという手紙がANKH領とペアウェストの中間地点に置かれていたのをミネルヴァが発見! 胸を撫で下ろし、今度迎えに行く旨を伝える手紙を書いておいた。イーヴィはANKHでお世話になりながら魔道装甲車を修復しているらしい。数日後に返事が来てもうしばらくかかるかも、とのこと。


湖の中心近くにある中洲。湖南アップルヘッズから橋が架かっていて駐車場やBBQが出来るスペースがある、宿泊施設のトレイラーが並ぶキャンプ場も。湖南にいるときはこの中洲と、その付近に船を停めて休んでいる場合が多い。


まだ日は出たばかり、他の面々は眠っている。船内はルーシーとミネルヴァ。オスカー、グラム達は中州のトレイラーに。私ももうひと眠りしようかと寝室に行こうとした時だった。サロンのテーブルで眠っていたミネルヴァが何かに反応。驚いたような顔で外に頭をクルっと動かした。


「なに? どうしたの?」


!!

大きな水飛沫が上がる音と船体に何かが衝突した音!


音と共に船が大きく揺れる。船体がひっくり返りそうになる!ルーシー達がすぐに外に飛び出す!あの大コモドと羽の生えた飛行する羽根つきヒト型エイリアン… 羽根つきの方は新型だ。


そして湖の中に浸かりながら、肩から上だけを出してこちらを凝視するネフィリムがいた。チャネルで中州にいるグラムとオスカーを呼び出す。視界から映像思念を切り取って送る。


直ぐにスペルブックを手元に開き、杖は右手に。水魔法で船を立て直す、と同時にネフィリムに大きな波を作りだしてぶつける!波をもう一度おこし皆を体制を立て直す。ルーシーには船内にいるように指示。


飛び上がったミネルヴァが上空からヘラジカのマナを感知。回復薬が後方からこちらへ向かっているのも視認も出来た… もうじきヘラジカもここで戦闘に参加するだろう。


ネフィリムはあまり泳げないようだが水の中でもタフなことには変わりない。ルーシーが船内でパニックに陥り悲鳴を上げたり、いろいろしてるが気にかけていられない。水の中だとコモドドラゴン型がかなり強い。それにこの羽根つきエイリアン上空から弾丸を発射してくる!


ステイシーのサイコバリアでエイリアンの射撃を防いでもらう。


中州から飛び降りて来た忍者剣士エイリアンが水上を器用に駆けネフィリムの方へ。


使徒グラムが魔剣を召喚する。空間が歪み出現した長大な剣を駆けながら最初切っ先を敵に向け下段に構え距離が十分になった所で雄牛の構え。頭の横に持ち手を上げスピードスターで速度を一気に加速。


ネフィリムに斬りかかる。巨人は一息の間に10以上斬り込まれ血飛沫を上げた。


私は魔法陣を宙に書いて水魔法で外側から船の操作をするのに専念する。苦肉の策だが魔導機械船はイーヴィーじゃないと操作できない。


「もぉ! こんな所にまで攻めに来て!」


頭に血が上って悪態をつきながら船を動かして逃げる。


ニンジャに僅かに遅れて駆けつけて来た魔熊が大コモドをルーンフィールドで沈ませる。水の中で身動きできなくさせようとするが今は朝。月が出ていない、怪獣化は不可。力負けしている。何とか抑えているが物理でこられたら今のオスカーではやりあえない。


「オスカー! 周りの敵を沈めて!」


熊は自分を浮遊させ逆に周りの敵を水中に沈めはじめる。コモドやネフィリムも水の中に。


ネフィリムはフィールド射程から少し離れたところにいていったん沈んでいったが離れたところからまた水面に顔をだす。この忌々しい巨人もいったん距離を取りさえすれば月界から抜けられることをわかっているようだった。


一方コモドドラゴンは月界で水中から浮かび上がってこれないように未だに抑え込めている。フィールドから羽根つきが逃げおおせたが…


カチッという音。


上空から忍び寄って来た梟が首輪を嵌めた。ミネルヴァが狂気の首輪を取り付けるのに成功。羽根つきの挙動が一変する。


酷くたどたどしく飛び回り突如ネフィリムに近づいていき空から奴に向かって口を開ける。弾を撃ち始めた。顔にBANGBANGと一定のリズムで射撃。水面から頭と肩だけだした巨人が手で打ち払おうとするが届かない。無表情でそいつに手を届かそうとしては失敗していく。


私は一時的に船の操作を中止。大鹿が到着した。箒に跨り船の上空から滅びの矢を大鹿に放つ。


こいつからやらないとどうせ回復されるからね!ヘラジカは大ダメージを喰らい回復を開始。コモドと羽根つきから魔力を吸い取り始める。気づいた巨人がグォボォーと声を出すとヘラジカがそれを止めた。ネフィリムは今回はここまでだというようにほかの大型ゾンビどもとそこから離れ始める。


丁度オスカーの魔力切れでコモドも抑えられなくなって来てた。


「ここでダメ押ししてやりたかったけど、深追いはしないほうがいいかもしれない」


ーみんなよくやってくれたね。違う場所に移動しよう。





***




______1週間後


半分だった月が丁度満月になった頃。


ミネルヴァがネフィリム軍の動きを感知。頼れる相棒に偵察を任せる。


ミネルヴァの視界から送られてきた映像では亡者の軍団はペア・ウエストからさらに西へと軍を進めた。道中にいたヒト型エイリアン等をゾンビ化していくがそこで妙な魔物の集団が出現。


それは総勢30体以上の樹のヒト型異星獣だった。


特徴としては動きは遅いものの、とにかく身体が堅い。亡者の軍勢は最初数で圧倒しようとして2千ほどの兵を差し向ける、が殆どのゾンビでは何もダメージを与えられなかったうえに謎の胞子を撒いていて動きが鈍くなるゾンビが現れた。しかもその樹のヒト型はゾンビ化しない? 噛まれても、特に問題ないように見えた。アレを噛む方もだろうけれど。


弱体化させる胞子の詳細な効果は不明。ネフィリム軍のゾンビ連隊2千は一晩で壊滅。


翌日には西側にて再度ゾンビ・アーミーに動き。ゾンビ連隊2千にコモドとヘラジカが付いた上で再度西方前線に。


西側地域はいつの間にか強靭な蜘蛛の巣が張り巡らせられていてゾンビ軍はそれを払うこともできず、焼き払う力を持つ者もなくコモドとヘラジカだけがどうにかこうにか戦えるだけでだった。


それ以外のゾンビたちはその触れると体を溶かされる糸に掴まり総崩れに。


そこに大型魔獣や初見のエイリアンたちが出現。コモドとヘラジカに総攻撃を開始してヘラジカが溶解糸に絡まって

何の役にも立ってないゾンビ軍のマナを吸い取って回復をしだす。が優先的に攻撃され始めるものの遅すぎた。この戦いでヘラジカ魔獣ゾンビが死亡。


大コモドが隙をみて脱出に成功。ネフィリム軍の領土に逃げ帰った。



ミネルヴァからの視界共有を切る。


あの蜘蛛の巣とかって…

そうだよね?


泣きそうだ…


「私たちの交易相手… ANKHってこんなに強かったの!? 」




Witchery 

領土 7㎢


ネフィリム軍

領土 195㎢


ANKH

領土 165㎢


ルネー


魔女 レベル9→10

固有アビリティ「???」

革命軍リーダー レベル2

「湖の加護」

アビリティ 

「魔眼」 「使い魔1,2」 「チャネル」 「使徒1,2」 「使徒エイリアン1」

特殊スキル 

「テレポート」 「魔法陣」new! 

スキル 

「魔女の呼吸」 「ウィッチクラフト」 「隠密行動」 「水魔法」 「雷魔法」new!

          「ほうき乗り」 「魔女の呪文書」 「滅びの矢」


魔法陣は使うのに時間がかかるが普通よりもずっと強大な魔法が使えるようになる。

スペルブックに簡易魔方陣を書いておくとかもできる。



ミネルヴァ

魔眼梟 レベル6→7

アビリティ「見通しの魔眼」 「感知する魔梟の耳」 「チャネル2.0」 「幻覚の邪眼」new!


skill   「回避の心得」 「暗殺鳥」 「透明化」 「純粋強化」



オスカー

月の怪物 レベル5→7

アビリティ「不可侵の毛皮」 「病気耐性(中)」new! 「怪獣光線」怪獣時のみ new!(射程30Mほど)

特殊アビリティ

「怪獣化」 月夜の晩限定。 全能力大幅up、+ 満月時さらに巨大化 


skill 「怪物の前腕」

    「月光浴」 「怪物の呼吸」

    「雑食怪物」「ルーンフィールド 月界」 


怪獣光線: 怪獣オスカーが口から放つ光線 大威力

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