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ダブルサイココライド ーSaga of Puppeteer ー   作者: KJK
4章 Witchery  魔女と湖畔の街と革命の鐘
32/53

3話



!!


絶叫が校内に響いた。


ゾンビに殺された校舎内の死体たちが起き上がり呻き声を上げ始める。

それに呼応するように校舎外にいる個体が喚きだす。


二人とここに逃げてきて殺されてしまった人達が

ゾンビ化したのだ。

殺された人間の頭を潰して回るなんて

全く考えてなかった!


そうか、ゾンビと相対するってこういうことなのか。

殺された仲間の頭を潰さなきゃいけない。

それは多分、仲間が感染した時も。

助けるのが間に合わなかった時も。


魔眼で校内にいる敵を探す。


2階のルーシーの父も喚いていた。


何処か現実味が無い感覚に一瞬襲われた。

耳に届く動く死体の奏でる喚声は何処か鈍く、

遠くの世界の音のように聞こえる。


1階のゾンビたちが廊下から外に向かって叫んだ。

何故。そちらに向かって叫んでいる。


仲間を呼んでいるんじゃ…


外を見ると…


学校の柵と塀の向こうに動く死体の群れ。

数が多い。

数十体が熱に浮かれたかのように大きな喚き声を一斉に上げ始めた。

その中の一体の個体の声が大きく甲高い。


何かまずいことが起きていることだけは分かった。

2人の足手まといのことが真っ先に脳裏に浮かんだ。


どうする?

二人の人間を抱えながらじゃ満足に戦闘出来ない。


ミネルヴァを飛ばす。

相棒が割れた窓の隙間からするりと飛び立つ。

上空で旋回をはじめ映像を共有してもらう。


敷地内には続々とゾンビが入ってきてる、30、40、60…

屋上に二人を連れていく。

ロッカーや机、重そうなものを屋上ドアに立てかける。

2人にここから動かないように言う。


屋上の外壁から壁伝いに

3階に戻り校内に侵入してきてるゾンビ共を片付けなければいけない。

つむじ風のように校舎を駆けまわっては

出会い頭にゾンビの頭に杖を当て脳を破壊していく。


使い魔になったばかりだがオスカーもゾンビにけしかける。

オスカーの身体能力はヒグマの成獣を超えているだろう。

ゾンビ相手なら前腕で一撃死させられる。


魔熊には瀕死になったゾンビの止めを刺させ、余裕があれば

マナを食べさせてやる。これで成長が速まるかはわからない。

やれることをやっていくしか無い。


その後も校内を走り回ってゾンビを駆逐していく。

20体、24体、30体…


少しして立ち止まる。

もう校内で相当数のゾンビを倒した。

二人の位置はばれてないし、そもそもゾンビたち自身も

明確な目的もなく集まったんだろうとは思う。叫び声に反応して集まっただけ。


このままこの騒ぎが収まってくれれば…

という淡い期待は相棒の上空から送られてきた映像に打ち砕かれた。



校庭のフェンスには

3百では利かないほどのゾンビの群れ。


私の攻撃方法は省エネなほうだ。

マナを杖の先端から外に放出させて相手の脳を破壊している。

それでも無限にできるわけではない、

当たり前だが私の体力も魔力も有限なんだ。


……この戦い。逃げないとまずいかも。


オスカーを肩に担ぐ、重いが問題ない。


屋上に入るために窓から出て、オスカーを担いで押し上げ

外壁から屋上手すりまで器用に跳躍しながらよじ登る。

屋上で一息つく。


我ながら人間離れしてきたなと実感する…


2人は目を見開いたり、不安そうにしたり忙しなく表情を変えている。

どうしようか、このままここで気配を殺してればやり過ごせる可能性も。


ただ直観が告げる。

何かが可笑しいと。

ミネルヴァに注意深くゾンビの群れを観察してもらう。

執拗に、じっくりと。


2体のゾンビに違和感…

フェンス近くの群れの中に少し変なゾンビが2体いる。

他のゾンビに比べてハッキリと違いが分かるほどに

眼を良く動かしていた。

他の個体はこんなに目を使っていない…


時折ボーっとはしているけど、何か目的がある? 

いや役割が違う?

違うタイプのゾンビ。

ゾンビにもタイプがある?

リーダー? いやゾンビを誘導するゾンビ?

わからない。


けどこいつらが何かしてる。

この2体がゾンビを呼び寄せてけしかけてるんじゃないか。

この2体を始末したい…


チッ、群れの中の安全な位置にいる…

体と気を休ませつつ。

考えていく。


少し屋上は寒い。


もう秋だ。

2人も寒いだろう、私よりも。

ここから出たら、民家なりで服や毛布を調達できるかもしれないから

ちょっと我慢していてね…



ん? 伝える?

 

ゾンビは人間を追ってる?

いや何かがいるということしか理解していないだろう。

敵、もしくは獲物が学校にいるというくらい?

どういう認識をしている?

あの2匹が扇動していると思うんだけど。

扇動個体とでも呼ぼうか。


ふと魔熊を見ると

改めてオスカーがレベルアップしていたことに気が付いた。

オスカーの不可侵の毛皮は堅い。

人や犬等のゾンビではオスカーに

傷をつけることは難しいだろう。


オスカー自身は体力に限界があるしいきなりの実戦。

疲れているだろうけど。


---------

オスカー


月の怪物 レベル1→2

アビリティ「不可侵の毛皮」 

スキル  「怪物の前腕」

     「月光浴」new!

---------



月光浴は月の光で体力、魔力、ケガが回復していくというもの。

一瞬で全回復などはもちろん出来ない。数時間かければ

それなりの怪我でも回復が見込めるいいスキルだった。


月光浴を使うように促す。

早速オスカーは気持ちよさそうに月の光を浴び始めた。

みんなでオスカーに抱き着いて暖を取らせてもらう。

オスカーは無傷だったこともあり体調は万全。


学校屋上…

肌寒く風が強く吹き荒れる。

私は手持ちの道具を整理し始めていた。


*魔女のモロトフ

*燃える水

*毒の結晶石

*狂気の爆弾


よし。もうひと頑張りだ。

オスカーと屋上から再度校内に。

私は気配を消して隠れ、オスカーとは校内で別れる。


オスカーは校内のゾンビを「怪物の前腕」をふるいながら蹂躙していく。

体力消費ののペース配分に気を配りつつ

ミネルヴァの視界を共有。魔物の位置を把握。

オスカーに向かってほしい地点を思念で伝える。


校内から学校の裏手に出て柵を破壊したゾンビたちがひしめいている

場所にオスカーが突撃。


ゾンビの攻撃はオスカーにはほぼ通らない。

疲れるまではこちらが有利。

ゾンビが一気にオスカーのほうへ集まっていく。

やはり扇動個体とその周囲の群れは

敵が近くにいても攻撃には向かわない!


ミネルヴァがオスカーと離れた扇動個体のいる群れに

燃える水と魔女のモロトフを上空から投下。


群れていた敵140体ほどを巻き込んで大きく燃え上がる。

もう一体の扇動者のほうの群れに投下していた燃える水に引火。

私は30メーターほどの距離にある草むらで隠れていた。

奴らに可燃水球を3つ放り込む。

ついでに魔女のモロトフももう3つほど。


瞬間大きな反応が起こり一気に火が燃え盛る!

大爆発。


予想以上の大爆発に肝をつぶす。

熱風がここまで届いて顔が熱い!


百以上のゾンビと扇動者が一息で倒せた。

まだ息の根がありそうなゾンビをオスカーとミネルヴァと始末していく。

残りのゾンビたちはまだ百ほどいるが。

扇動者が居なくなったことでだいぶ脅威度が落ちた。

そのままマナを2匹の使い魔に吸わせつつ掃討戦に移行。


使い魔二匹に扇動ゾンビが居なくなった群れを

学校から少し離れたところに60匹くらい誘導するように戦ってもらう。

集まって来たゾンビを片付けていく。

明らかに統率がとれていない。

これでほとんどのゾンビが生き絶え絶えになった。


屋上から女の子二人を連れてきてかろうじて動いている

ゾンビに止めを刺させる。

もしかしたらトニーのように力に目覚めるかもしれないと期待して。


イーヴィー、エヴァンジェリカは頑張った。


ルーシーは最初は嫌がったが、

なら強制はしないというと少し悩んで、やっぱりやらせてほしいと自ら言ってきた。

彼女がゾンビに止めを刺しているときに

父親が焼かれたゾンビの群れの中で力尽きているのを発見してしまった。


ルーシーは泣いていた。


私は声を掛けなかった。


ルーシーは力に目覚めなかったがイーヴィーが目覚めた。

ただイーヴィーは力の使い方がわからないらしく。

何もできない! と憤慨していた。


幻視で見てもよくわからなかった。

何か魔導機械職人だとか…



私と使い魔もレベルが上がった。



----

ルネー

魔女 レベル5→7


「???」「魔眼」「使い魔 魔梟 月の怪物」「チャネル」

 「魔女の呼吸」「ウィッチクラフト」「隠密行動」「水魔法」

----


―技能が取得できます。

以下の中から選んでください。


・ほうき乗り

・炎魔法

・水中呼吸

・魔女の呪文書 


うーん、炎魔法は別にモロトフとかもある。

水中呼吸は一人だけで湖とかに逃げるならいいのかもしれないけど。

そんなに必要だろうか。

ほうき乗りと魔女の呪文書でいこう。


------スキル

「箒乗り」 「魔女のスペルブック」取得しました。


箒乗りはほうきや杖に乗って飛行できるスキル。

ただ私の適性が低いのか熟練度の問題か

高度も速度も正直微妙なところだ。


高度は学校の屋上くらいまでだし、速度も70キロくらいだった、

それでも有用なのは間違いない。


スペルブックは魔女の呪文が書かれている本を手元に召喚するスキル。


召喚した本に使える魔法をあらかじめ込めておくと、

使用コストが本来よりも大分下がる。

完全にコスト無視はできない。

あとは逆に通常のコストより多くマナを

支払うことで魔法を本来の限界より強化できる。





ミネルヴァ===

魔眼梟 レベル2→3

アビリティ「見通しの魔眼」 「感知する魔梟の耳」 「チャネル」

スキル  「回避の心得」new! 「暗殺鳥」new!


オスカー===

月の怪物 レベル2→3

アビリティ「不可侵の毛皮」 

スキル「怪物の前腕」「月光浴」 


以下の中から2つ選んでください


・怪物のマーキング

・雑食怪物

・威圧の咆哮

・怪物の呼吸


雑食の心得と怪物の呼吸を取得。

雑食の心得は死体でも植物でもマナでもなんでも食べれるスキルみたいだ。

あと食いだめも出来る素晴らしいスキル。


オスカーのレベルが少し上がりやすくなるのと餌の心配があったので取ってみた。


怪物の呼吸はオスカーのマナ操作が格段に上がる。

私の魔女の呼吸が攻防、立ち回りすべて楽にしてくれたように。

呼吸系のスキルはとにかく取ったほうがいい気がした。







もしよろしければブクマ、評価等よろしくお願いします。

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