11話
州都郊外 北東エリア ショッピングモール
JOHN・SMITH
ショッピングモール周辺のエイリアン及び魔物の掃討が完了。
まだまだ外から入り込んでくる可能性はあるが一区切りした。
予想外だったのは霧の中の化け物の討伐に失敗した事だった。
思っていた以上に強い。そもそも果たして倒せるような物なのか怪しくなってきた…
霧の中でダメージを与えても効いているようには見えなかった。
此方としてもこれ以上特にやれる事も無かった。
タフすぎる上に途中で子蜘蛛が掴まって霊気状に分解された。
こいつらに掴まれ続ければ死あるのみ。
しばらく霧の中は放っておくしか無いだろう。
領土化すれば霧が払われるなら、領土拡張していけばいいだけの話でもあった。
それ以外ではマザーが成長。
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エイリアンスパイダー
宇宙蜘蛛 司令 LV4→5
技能: 溶解糸の蜘蛛の巣 大回復(夜) 夜行
溶解散弾液 粘着榴弾、新! 槍手 生産
---リーダー技能取得可能
・SAS スパイダーエアサービス
・キリングハウス
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えーとSASで…
SASはスパイダー達によるスペシャルな空からの贈り物。
新技能は「粘着榴弾」を取得。
モール駐車場で試射してみることに。
簡易的な試射場を子蜘蛛に車などをどかせ設営。
巨大エイリアン蜘蛛が口内筒から弾を発射した瞬間。
周囲の空気が爆発を起こしたかのように衝撃波を巻き起こした。
一瞬で土煙が辺りを包み的代わりにした車両の凡そ半分が吹き飛ぶ。
予想を上回る威力に思わず一瞬息を飲んだ。
衝撃波が余韻の様にビリビリと空気を揺らしている。
これは… 凄い威力だ。
敵対していた時マザーがこの技を持っていなくて良かったと思った。
試射は終わりにしてショッピングモールの搬入口を傀儡製作室にリフォーム。
一部の子蜘蛛達に散弾やシールドをもたせ始めた。
コストが思った以上にかかる。LMPが足りない。
大量に開発、改造していくのは大分先になるかも。
さらにもう1体ヒト型エイリアンを傀儡化。SGの配下に加える。
シールドを持った槍持ち個体。
相性が良い上に他のヒト型より優秀だった。上質個体といってもいいかもしれない。
名はローム。
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ヒト型エイリアン傀儡 ローム
LV3
技「アシッドブレス」「槍術」「盾術」「身かわしの心得」
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こうやっていそいそと戦力を整えているのも領土拡張をするためだ。
理由としてはまず土地を領土化すれば霧が晴れていくこと。
次に領土は大きさや土地自体のマナの埋蔵具合に応じた
LMP。ランドマナパワーを産出出来る。
結局の所これが欲しいんだ。傀儡改造、製作、維持。
全て霊的資源があるほど楽になる。
土地から得られる霊的リソースが勢力の強化につながる。
領土拡張先の候補は3つあって…
*西側バスターミナル方面の大通りのホテルとその裏手のゴルフ場。
*北側、ショッピングモール裏手にある公園および住宅地。
*東側の大型ホームセンター、図書館。市役所と高校周辺。
*南側の大きなジャンクションに隣接している建物やそこに並ぶ店と住宅。
どこから攻めるか迷っていたが。結局楽そうな所からにした。
東側の大型ホームセンターおよび図書館方面だ。
子蜘蛛部隊をショッピングモール東側出口から30体ほど送り込む。
その後様子を見て向かったが大した敵はいなかった。
10体程度のイヌ型エイリアンのグループがいたくらいだ。
そのまま討伐して領土に組み込んで制圧完了。
次は北側の小さな公園に侵攻。
明らかにエイリアンの数が図書館方面よりも多かった。
ヒト型エイリアンまでいて10体。
それ以外はイヌ型とサル型エイリアンが20体と。小鬼がほんの少し。
カラスみたいなエイリアンが意外と多くいた。魔獣化したカラスも。
今までなら簡単には手だし出来なかっただろうが。
正直勢力としても個人としてもだいぶ強くなっている。
攻め落とそう。
公園で戦闘開始。
俺とSGで連携しあとは子蜘蛛達に散弾を打たせてそのまま殲滅。
被害は子蜘蛛7体ほど失ってしまった。
こちらが得たのは領土とヒト型エイリアンが4体。
全て傀儡化した。
自分の傀儡とするかSGに渡すか後で決める。
別に改造パーツや製作用、宝具作成にまわしても良い。
ヒト型はかなり強いエイリアンなので霊気的にも傀儡的にもうれしい相手。
今回の戦闘でSGとフォートと何体かの子蜘蛛兵が成長。
俺も領主として力が増す。
そのまま公園とその周辺も制圧。
しかしここにきて重大な問題に気がつく。
だれが守るんだ?
この領土…
俺達しかいない。守る自信は?
……ない。
守りを固める算段がないうちからどんどん領土拡大なんてヤバそうだ。
加えてマザーは新しい種になって日光で死ぬことはなくなったけど、
引き続き日光が苦手で昼間は能力が半減する。
子蜘蛛たちはその縛りはないがマザーが昼に機能しないのはまずい。
特に防衛面で。
いったん整理しよう。
ーー戦力
*ジョン・スミス
*SGおよび傀儡(俺から離れられない)
*マザー
*子蜘蛛兵 42
子蜘蛛たったの42体でここを守っていくなんて無理だ。
今日倒したヒト型エイリアンならば14体もいなくても守りを突破できる。
ヒト型3体もいれば子蜘蛛10数体くらい倒せるだろう。
1体で多分子蜘蛛兵6体以上相手どれる。
マザーが産める子蜘蛛の数はどのくらいだろう。
一度に産む量は30から40くらいか。
出産時期は毎季節。
ヒト型はエイリアンは野良で複数群れているところを何度か見ている。
そいつらにたまにエンカウントするだけで子蜘蛛達は直ぐに全滅させられてしまう。
今回失った子蜘蛛たちごめんね。
思ってたより子蜘蛛は稀少だった。
これは蜘蛛軍団みたいなのを作って数で敵を押しつぶしていくのは現実的じゃない。
「子蜘蛛大事に」へ方針転換する。
マザーと子蜘蛛たちで守りが薄そうな場所で溶解糸の蜘蛛の巣を張り
領土の守りを念入りに厚くしていくことに。
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ヒト型エイリアン傀儡 SG
LV4→5
技能: 散弾 リーダー 対物ライフル弾 小隊長
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---取得可能技
・連射
・忍び足
・威力強化射撃
威力強化射撃取得。
「散弾」と「対物ライフル弾」に
「強化散弾」と「強化対物ライフル弾」が加わり撃ちわけが可能に。
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ヒト型エイリアン傀儡 フォート
LV3→4
技能:盾強化 回復呼吸法 シールドバッシュ
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---取得可能技
・堅牢
・受け流し
受け流しを取得。
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子蜘蛛兵1
LV2
技能:溶解糸 散弾 SAS隊員
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---取得可能技
・麻痺糸
・擬態
どうする、擬態にしようか。
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カトー(ジョンスミス)
種族 超人
仙人 LV6 領主 レベル2→3
技能: 8つの世界
傀儡師の左手 幻視 三略 隠形 仙人の呼吸
宝具作成 傀儡製作
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---領主LV上昇 領主技選択可能
・監視傀儡
・仙桃栽培 小果樹園
どうしようか。仙桃が欲しい。
こっちで。
--小果樹園(仙桃)を取得。
仙桃は各種回復効果がある果物のようだ。
公園のあたりに果樹園が作ってみるか。
しばらくは領土拡張はしないことになったし焦らずやろう。
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___数日後
しかしせっかく手に入れたこのスキル「小果樹園(仙桃)」はすぐに使用不可になった。
守りが心もとないと思っていた公園周辺が魔物の群れに襲撃されたのだった。
そして防衛戦は芳しくなかった。
それは狼魔獣と狼型エイリアンの群れだった。
初めてみるタイプで20数頭の群れで行動している様子。
ヒト型エイリアン並みに強い個体もざらにいる。
しかも連携が上手く粘り強い。
無理すれば防衛できたかもしれないが最初の襲撃で子蜘蛛を10体以上失ってしまった。
あちらの損害は2体。撤退を決める。2体は傀儡化して領土に持ち帰った。
公園周辺の領土を失ったことで領主レベルが2に戻ってしまう。
手にいれたスキル果樹園も使用不可となった。
図書館のほうの防衛を強化するために蜘蛛の巣の工作に力を入れる。
これ以上戦って勝利したところで領土維持自体難しいと判断して
こちら側からあっさり引き下がるような形に。
あちらはリーダー格の狼が2頭、公園を領土化。
その個体のどちらかが領主になったようだ。いやもしかしたら両方なのかもしれない。
確かめる術などは無いので憶測でしかない。
どちらも魔獣化した狼でエリアンでは無い。
他の狼より大きく黒に紫や紺が混じってるような
色合いの毛皮を持っている個体と雪のように白い個体。
イヌ型エイリアンはエイリアン的な皮膚で
毛とかは生えてなかったが狼型魔獣はエイリアンというより
動物の狼そのままという見た目。
動物とほとんど同じ見た目の魔物は俺と同じで力に目覚めた動物だと思う。
エイリアンみたいなのとは別で普通の生物で力に
目覚めた両方がいるのだろうと思っているのだが。
イヌ型エイリアンはエイリアンで、狼はもともと狼か。
エイリアンと魔獣で言うとエイリアン系の魔物の方が個体差が少ない、より具体的に言えば
戦闘能力の個体差。何故かはわからないが元々この世界に生息していた生き物の方が多様?
理由は不明。考えてても分からないことだらけだった。
呪い猿や部下チンプは…あいつらは動物。
動物がベースとなってそうなのはもっと意識して魔獣と呼ぼう。
今まではなんとなくで結構使い分けてたな。
カバはなんか動物のカバぽかったけどエイリアンぽさも少しあった。
何故か鬣とかもあったし。
河馬型エイリアンと呼ぶけど実際何なのだろうか。中間のような存在もいる?
最初に見たあの餓鬼は?
チンプ達とは全然違う感じだった。
猿が魔物化したものとかでは無いだろう。しいて言えば人間に近い。
ここら辺の法則がランダムでよくわからん。
よくわからん動物系もエイリアンも魔獣もひっくるめて魔物呼びでいいか。
困ったら魔物。
今回狼魔獣と共にいた狼型エイリアンはイヌ型エイリアンの上位互換といった感じで
噛みつきも回避能力も連携も全てが上だった。注意しなければならない相手だ。
この新たな敵勢力を【WOLFPACS】と名付けた。
ウルフパックスは少しづつ俺たちの領土の反対方向へ領土を拡張しはじめた。
判断が早いことに多少面食らう。放っておくのも得策じゃないだろう。
こちらから襲撃をかけに行く。
ウルフパックスは例の公園にいた。強襲をかけて
狼を数体仕留めて撤退。領土へ帰還。
今回は子蜘蛛の損害はなし。




