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ダブルサイココライド ーSaga of Puppeteer ー   作者: KJK
3章 異界衝突 新世界戦争
17/53

4話


--州都、北東エリア 


半日近く経っただろうか。

北を目指し撤退戦を続けけていた。


北東にかけて走る東部高速道路入口近くにあった橋を渡り

魔物が少なさそうな丘陵地帯へと出る。

そこから再度北上。

陽が沈み始めたあたりで、襲撃されることが無くなって来た。

このまま見つからずに行きたい。


夜の帳が降りた。漂う霊気の状態を慎重に観察していき

魔物の気配が少ない公園で休む。

都心から離れたせいか、はたまた時間経過なのか呪いが弱くなっているように感じた。

その証拠の様に公園に潜んでいた魔物に対して隠形が機能し始めていた。


さすがに解けることのない呪いなんて無いか…

ほっと胸を撫でおろす…

もうかなり家に近い。もうひと踏ん張りだ。


「あと少し…」


損傷しすぎた傀儡は

分解してまた他の魔物を傀儡化したりしてやりくりした。

が、傀儡化する度に霊気を消費するのでやらないで済むなら

無駄に傀儡化の回数は増やしたくない。

やはりと言うべきか霊気というエネルギー自体、馴染んでいくものの様で

似たような傀儡でも使い慣れた傀儡の方が優れている。俺が慣れているかではなくて

俺の霊気が馴染んでいるかでの違いが明確にある。


今操っている傀儡は散弾吐き(ショットガン)とヒト型盾持ち

(こいつはだいぶ活躍してくれた)。

自身の身体の一部が盾となっている個体。左手がいびつな形をしていて

それが盾に変形する。体の色は銀灰色だが、シールド部分は白い。


あと狂ったオウムのような魔物。

見た目が動物にすごく近い場合は魔物呼び。

エイリアンぽい場合はエイリアン呼びすることにした。


オウムの魔物は戦闘には向いてなさそうであったが

貴重なアビリティ持ちだった。

あとで重宝するかもしれない。


分解、結晶化したのは

ヒト型 エイリアン

チンプ 魔物

カラス 魔物

イヌ型 エイリアン


河馬型エイリアンは弱っていた個体を傀儡化したが

抵抗が今までで一番あった。傀儡コストも高い。

既に瀕死だったのですぐ分解した。


また新たに判明したことは

傀儡化してすぐに分解すると結晶の質が良くないということ。

河馬の結晶に至ってはひびが入っていた。


あとはヒト型(盾)とオウムのレベルが上がった。


==エイリアン ヒト型 盾持ち

レベル2

技 「シールド強化」

技選択

・防御の心得

・回復の呼吸

・シールドバッシュ

==


回復の呼吸がいいんじゃないか。


取得する。


==オウム型 魔獣 

レベル2

特殊技能「狂人の話」

技能選択

・伝書鳩

・おねしょ

・悪口

==

このスキルは高確率でこのオウムのことを敵が無視する。

毎回そうなるわけではないが、面白い力だった。


技能選択で「伝書鳩」を取得。

期待できるかは分からないけれど

アムスたちと連絡がとれるかもしれない。


公園にあった建物の中で瞑想、仮眠を取って過ごすと

夜が明けた。


日が昇ると同時に行動を開始する。

早速オウムにメッセージを与えて飛び立たせる。

都心から少し南西を探すようにいったがどうなるか。

アパートの場所も一応伝えておく。


飛び立っていくらも離れないうちにオウムと自分の接続が切れた感覚があった。

激痛が走るかと思ったが、少しナイフで指を切られた程度の痛み。

自分から傀儡を離した場合はこのくらいなのか? 謎だ。


そのまま真っすぐ飛んでったが大丈夫だろうか。

傀儡状態が切れても何処かに落ちてあとは一定期間すると体が朽ち始めるだけだろう。

あれ? あのオウムは生きたまま傀儡になったやつか。

生きながら傀儡になったやつとの接続が切れたらどうなるんだ…

全く分からない。 

距離が離れすぎて一度糸が切れた傀儡は操作難易度が

大幅に上がったりしたのは確認済み。


ここら辺も検証してみる必要がある。



運が良ければそのまま飛んで行って

伝書鳩してくれるかもしれない。

人間に対して攻撃しないだろうな。

あの二人を襲ったりしないだろうか。

少々心配になった。


昼前。霧が濃くなり始める。

曇が地上にまで降りて来てしまったかのようだった。

1時間ほどゆっくりと歩いて、自分のアパートに到着。

もう呪いは消え去ったようで敵には感知されなくなっていた。


ただし俺の傀儡達は隠形が使えない。なので見つかりたくない時は

基本ある程度離れておくしかない。

傀儡が襲われそうになった時は傀儡だけで対処できる場合そうしている。


ストリートの両脇に店が並ぶ交差点の角。

スーパーマーケットとその横にカフェ、その向かいのビルが見えた。

俺のアパートだ。漸く帰って来た…

漸く帰還だ! 強い安堵の感情の後、全身から力が抜け始める。


「考えられない、有り得ない状況の連続だった… 何とか生還出来た…」


さっさと自室のベッドで手足を放り出して寝てしまいたい!

はやる気持ちを抑えながら入口に向かうと

ガラスの自動ドアは割れていた。非常階段のドアは何かが

強い力でぶつかったようにひしゃげている。


無理やり引っ張り形を変形させて身を滑り込ませるための隙間を作る。

最上階へ。人の気配は無い。隣人たちはどうなったのだろう。

赤毛の体躯のいい男や、アジア人の老夫婦。

白人男性と黒人女性の夫婦。挨拶程度しかしない間柄だった。


部屋に入ってバッグから荷物を取り出す。

水は出る、が電気は止まっていた。

体を洗って歯磨きもする。着替えてそのまま睡眠をとった。


起きてから持ち物を確認。

シンディが作ってくれた。革の戦闘服。

なんか某ゲームのスニーキングスーツみたいでかっこいい。

暗い紺の迷彩の戦闘服を着てみる。


シンディの強化革戦闘スニーキングスーツとでもいおうか。


---幻視

ANKH 

---


そうだ、引き出しからANKHを回収。確かにこれは忘れちゃいけない気がする。

あと部屋に立てかけられていた蜘蛛の槍も。これも忘れてた。

今持っている槍と宝具作成で合成。

純粋に少し強化された感じ。


さて。これからどうしようか。

大量の人間が死んだ。都心はあんなだった。残骸都市。

皆いなくなってしまった。人類の時代は終わったのだ。


生き残りの人間はたったの2人しか出会えていない。

都市は魔物やエイリアンだらけで…

それらと戦って…

そういえばエイリアン同士でも争っていたな。

生き残りをかけているのは人だけではないようだ。


俺はどうしよう。

オレの目的は…

生存することに決まってる。

でも他には?


生存自体は何とかできたとしてそのままあと50年生きれたなら

そのほかに何に時間を使いたい?

もし今望んでいることすべてが叶ったら?


もし生存が問題なくできるなら? 家族や恋人も出来て満足して

収入やら力にも満足して。

手に入れたもの全部なぜか保証されて…


全てにおいて満たされたなら何に残りの時間を使いたい?

逆に何一つ思い通りにならないなら?


意味があることがしたい。そう思えることがしたい。

別に大きいことでも小さいことでもいい。

スーパーマンの人生の価値は別にその辺の恋愛ドラマや日常ドラマの

キャラよりあるわけじゃない。

平凡な人生のキャラクターも同じくらい価値のある人生を歩んでる。

それぞれの大きさや、スタイルがある。

実際みんなそう感じてるだろう。自分のことになると目が曇ることもあるけれど。


自分のできること…

好きなこと得意なことをして結果的に人類に貢献

出来たらいい。

人類に貢献…

恋人や家族単位でもいいし、グループ、コミュニティ単位でもいい。

人類単位でも。どれでもいいが…


どれがしっくりくるだろうか?

人類に貢献。俺はそれがしっくりくるんだ。


エイリアンも戦っていた。縄張り争いみたいに…


エイリアンは動物のようなものから人間に近い骨格のものまで確認できた。

見た目は思いっきり野生動物とは違う感じだが。

カバとかは結構似てたけど魔物じゃない。

本物のカバにたて髪があって牙ととか爪がもっとまがまがしさがあるかんじ。

ヒト型はまさにというようなエイリアンぽさがあった。


たまたま変な世界にいって

変な力を他の人よりも運よく早く手に入れてそれを使って生き延びた。

世界が終わった、いや新しくなったのか。


魔物もエイリアン同士も争ってた。

縄張りを作ったり。仲間と連携してたり。

ゲーム序盤に中盤、終盤のためにポジショニングしてるみたいだ。

チェスの序盤みたいに。


……参戦するか。


参戦しよう、人類のためにこのよく分らない戦いに。

よし、そうしよう。

俺が勝ったら人類の立場が少しはマシになるかな。


すっきりとした気持ちになった。

やることは決まった。


シンプルだ。

ただ勝利する。それだけだ。


ANKHを見る


脳裏にイメージが浮かんできた。


-----VISION:新世界での覇権及び人類の生存圏の確立



途端、目の裏に痛みが走った。


---幻視

土地 霧 契約 主 異界衝突 宣戦布告 嵐が来る

---



これは何だ。




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