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プロローグ

これからゆっくりと書いていきたいと思います!

暖かい目で見届けてください!



 ある時、私、エイル・カールマンは一つ疑問が生まれる


 なぜこの世界には差別や迫害が起きるのか、と


 実際に見たことはないが、よく耳にするのは、「亜人に売るもんはねぇ」、「亜人なんかを泊めるところなんかないわ」


 同じ言語を話す、同じ命であるのに、なぜそんなことが言えることができるのかが理解できない


 それを、一度父親に聞いたことがある


 その際


 「? 何を言っている? 奴らが私たちと同じであると? はっはっは! 面白いことを言うな!」


 と、ろくに話も聞いてはくれなかった


 また、この話をいろいろな人にも話したが、みんな同じ反応だった


 「もしかしたらおかしいのは俺の方なのか?」と、考えるようになったが、そんなことはないと自分に言い聞かせて、ついぞ20歳になった


 「それじゃ、おやじにはよろしく言っておいてくれ」

 

 家を出ると、父親にはいっていないので、こっそりと出ていくことにはなるが、きちんと伝えてもらうよう言っておく


 なぜ家を出るのかというとやりたいことがあったから


 亜人や、忌み子、双子といった差別の対象の人たち、そんな人たちを受け入れるための宿をやりたいと思ったからだ


 「郊外まで頼む」


 止まっていた馬車に行き先を告げて、一旦考えをまとめることにする


 「建物は・・・一応用意できた、申請もしただろ・・・・あとは、衣食と道具か?」


 一応家にいる間に、勉強して、何が必要か、やらなければいけないことなどは頭に入っている


 「そうだ、宿の名前でも考えておこうか」


 どこの宿でも、わかりやすい名前がついているので、自分もそんな名前を考えないといけないと思い、目的地に着くまでに考える


 「・・・・うーん、だめだ、センスがねえ」


 いろいろとアイデアは出るが、それだというものは出てこない


 「到着しました」

 

 「ん、ありがとう」


 御者に礼を言って、馬車から降りる


 「・・・結構広いな」


 改めて、自分が経営していく建物の中を見てみると、意外に広いのをあたらめて認識する


 「この広さであの値段か・・・」


 建物自体、大して値段はしなかった、立地的にもあまりいいところとは言えないので、買い手もいなかったようで大分安くしてくれた


 「掃除は・・・明日でいいか」


 父親にばれないように出てきた関係上、時間は夜中になっているので、あまり騒音を出すわけにもいかない、なので、掃除も日が昇ってからにして、今はとりあえず見回っていく


 「二階の部屋数は・・・四つか、ちょっと少ないか?」


 宿をやる以上、もう少し部屋数は欲しいが


 「最悪、下の部屋も貸し出すか」


 自分の計画では、二階を宿屋にして一回を飯処にする予定であったが、一階にも部屋は二つあるので、そこを貸し出してもかまわない


 「自分の部屋は・・・いらないか」


 扱う客が普通とは違うので、厄介ごとも増えるだろう、なので、自分の部屋でゆっくりする暇などあるのかわからないので、それなら自分の部屋として一つ部屋を潰すより、一人でも多く客を入れたほうがいいと考えている


 いったん裏口から外に出て


 「裏庭は・・・塀は必要だな」


 それなりに広い庭があるが、隣から丸見えであるので、高めの塀を立てる必要がある


 「日当たりも良さそうだし、十分だな」


 「よし、確認はいったんこれでいいか」


 「明日は掃除と、寝具作りからだな」


 ベッドの材料は事前に運んでもらっているので、それも組み立てなければならないし、机やいすも買わなければならない


 「まあ、今日は寝るか」


 日が明けるまで音の出る作業はできないので、一旦眠りにつく


 「・・硬いが、うん、眠れるな」


 寝具も何もないので、床にそのまま寝ることになるが、問題なく眠れそうだ


 そのまま数時間、一度も起きることなく眠り続け


 「ふぁあ、もう朝か」


 外から人が動き出す音で目を覚ます


 「体がバキバキだ」


 床に直に寝たせいで、体中が痛いがそれほど問題はない


 「よし、さっそく作業するか」


 なるべく早く宿を開くために、時間を無駄にするわけにはいかない


 それから就寝以外の休憩をはさむことなく、ひたすら寝具の組み立て、机やいすの購入から組み立て、建物中の掃除、看板の作製を三日かけて終わらせる


 「ふう、完成!」


 作業をしている間に、看板に書くこの宿の名前も考え、シンプルなものにした


 「【黒猫の宿】、シンプルでいいな」


 完成してそのまま、看板を目立つところにつるす


 「あとは、魔法をかけてっと」


 このままではただの宿になってしまい、欲している客が来るとは思えないので


 二年ほどかけて独学で作り出した魔法、ある程度幸せを感じている人には認識できないようにする魔法を宿全体にかける


 もし、迫害されていたり、差別されている状態で幸せを感じているのなら、自分に救うすべなどない、なので、この効果の魔法でいいのだ


 「あとは、客が来るのを待つだけだな」


 呼び込みをするでもなく、ただここを必要とする人をもてなす


 なので、客を迎える準備ができた以上、あとは待つだけ


 自作した、カウンターの中に座って、安心して生活ができる場所を求める人をひたすら待つ


 


 


 

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