第7話 外部環境分析の重要性
ある日の銀杏大学前にて…
”ガヤガヤガヤガヤ…”
「…繁忙時間を避けて来たつもりだったが………相変わらずここの店は混んでるな…」
「そうですね…」
私と先輩は、午前中の大学の講義を終えて、しばらく学生会館でしゃべった後、大学前にある茂竹食堂に足を運んだのですが…
「…この込み具合だと、席が空くまで相当時間がかかりそうですね…」
「そうだな…」
「先輩。このお店、外観だけで見ると新しいお店に見えますけど…」
「今の店長さんは2代目で、その時にリノベーションしたらしい。サークルのOBの方が在学中にも世話になったって、この前おっしゃっていたから、店自体は結構昔からあるんじゃないかな?」
「そうなんだぁ…でも、國分寺駅にはエキナカができたり、おしゃれなお店が駅周辺にはいっぱいあるわけで、それでもこの店がこれまで長く続けて来られたのって…」
「まぁ、大学の前だからっていうのもあるだろうけど、しっかり外部環境の分析をして、営業をしているっていうのもあるんだろうな…」
「それ、今日の経営学の講義でやってたやつだ!!外部環境の変化は自分でコントロールできないから、外部環境の変化を把握・分析することが大切だって、教授が言ってたよねぇ」
「ああ。外部環境分析には PEST分析 ファイブ・フォース分析 3C分析 SWOT分析 が多用される、とも言ってたな」
「ファイブ・フォース分析は『5つの力』という視点から、それ以外は分析する視点を英語にした時の頭文字で名前が付けられた分析方法でしたよね」
「ああ。PESTは、Political (政治)・Economy (経済)・Society (社会)・Technology (技術)の4つの視点から、マクロ環境を分析する手法だな」
「2021年3月31日まで付与される予定のマイナポイントは、この分析で言えば政治要因による環境変化という訳ですね」
「次にファイブ・フォース分析の『5つの力』とは、『新規参入』『競合の脅威』『代替品やサービスの脅威』『仕入先の交渉力』『顧客の交渉力』のことだ」
「新製品が出た後に、類似品が安く出回ることがあるのは『代替品やサービスの脅威』と言えますね」
「そして3C分析は、顧客 (Customer)・競合 (Competitor)・自社 (Company)の3つの視点から外部と内部を分析する手法。最後のSWOT分析は、強み (Strength)・弱み (Weakness)・機会 (Opportunity)・脅威 (Threat)の4つの視点から外部と内部を分析する手法だな」
「『◯◯分析』って言うと、何だかとても難しいように思えますけど、内容をしっかり理解しておけば、分析することは可能ということですね!」
「そして、実際にその分析を行うことで、外部環境の変化をしっかりと把握・分析し、対処することが大切、ということだな」
「(先輩と私の関係も、しっかり外部環境分析をしておかないと、だなぁ。先輩はサークルでもモテているし、私が大学に入る前は、OBの先輩から告白もされていたし…)」
「…美琴?難しい顔して、どうしたんだ!?」
「えっ!?何でもない!!外部環境分析をしておかなきゃなぁ、と思っただけ!」
「…何のだ!?」
「秘密!!」
「!?」
第8話 に続く
☆検定問題にチャレンジ!!☆
外部環境分析の手法の一つ『SWOT』について述べた1~4のうち、正しいものを1つ選びなさい(剣世炸作成 オリジナル問題)
1.SはStrengthで強みのことを指し、外部環境分析である。
2.WはWorkerで従業員のことを指し、内部環境分析である。
3.OはOpportunityで機会のことを指し、外部環境分析である。
4.TはThreatで脅威のことを指し、内部環境分析である。
正しい選択肢は…
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3.OはOpportunityで機会のことを指し、外部環境分析である。
☆ 解 説 ☆
1は『内部環境分析』、2は『Weaknessで弱み』、そして4は『外部環境分析』であるため、正しいのは3ということになります。