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オーボンの食堂レポート  作者: イカ十郎
5/5

断食食堂 ヤーセザップ

 事の起こりは、一週間前に遡る。


 私は、仮眠を終えて、お腹を掻きながら、


休憩室から出て来た。


 私は、ふと横を見ると、


   仮眠中、起こすな!!


と、書かれたふざけた

 

   頭が剥げた、おっさんのイラスト


が、目に入ったので、


   ピカさーん!!


   時間すよ


とドアをたたきながら、部屋に向かい声をかけると、


  うるせーーー!!


と、怒鳴り声が返ってきたので、無視して食堂に向かった。


 私が、おなかを掻きながら食堂に入ると、


食堂内にいたミーカ隊長が、こちらを一瞥し


  きも!!


  オーボン、あんた最近太ったんじゃない


  仕事が終わったら、ちょっと付き合いなさい


と声をかけてきたので、


  分かりました。

  

  ではまた仕事終わりに!!


と言い、仕事に向かった。


 そして今、仕事が終わり、私は、当然のように


裏口から人目を避けるように職場を出ようとしたところ、


空気の読めないおっさんが、


  おーい、オーボン


  さっきから、ミーカの野郎が探してたぞ


と大声で叫ぶもんだから、口に手をやり


  わーーー!!


  ピカさん声がでかい!!


と小声で言ったが、もう遅かった。


 すぐに小柄な女性が、裏口にきて


  あら、オーボンどこ行くの?


  確か私と約束していたわよね。


  ピカさんありがとう。


と声をかけてきた。


 私は、ピカさんを睨みながら


  へーい、すみません。


  行けばいいんでしょ、行けば!!


と言い、しぶしぶミーカ隊長の後に付いていくと、


一軒の道場にたどり着いた。


 私は、ミーカ隊長に


   隊長、ここはなんっすか?


と尋ねたところ、ミーカは笑いながら


   フフフ、ここはね最近噂のダイエット道場


   断食食堂ヤーせザップよ。


   さあ一緒に入会するわよ。


と言い、

   

   え、30日金貨2枚!!


   高い、高すぎるっす!!


   一か月、コメ抜き!!


   無理っす、無理っす


という私を無視し、無理やり一緒に入会した。


 私とミーカ隊長は、ヤーセザップのメニューの筋トレ的な


分については、全然余裕だったが、食事面が辛かった。


 何せ、一か月


   コメ、小麦抜きなんですもん。


特につらかったのが、昼飯時でね。


 例の空気の読めないおっさんが、横で


   おーい、オーボン!!


   団子買ってきたぞ!!


   え、食べないの?


   ああ、残念だね、ここの団子は絶品ですな!!


   あ、ミーカ隊長!!


   ギャーーーー!!


   痛い痛い!!


   申しませんごめんなさい!!


とちょっかいをかけてくるもんだから、さすがのミーカ隊長も切れて大変でしたよ。


 私とミーカ隊長は一か月間


  コメ!!


  ああ、白米が食べたい!!


  ミーカ隊長!!


  あの店からラーメンのいい匂いが!!


  だめよオーボン!!


  バコ!!


  痛い!!はぁ、隊長助かったっす!!


  って、あんたちょっと何団子買ってるんですか?

  

  え、つい無意識に!!ごめんなさい!!


  それキャンセルで!!


等々の死闘を繰り広げ、友となり、


お陰で、一か月後には、二人とも体重は減り、


見事なモデル体型で、断食道場は無事卒業できた。


 しかしミーカ隊長は、卒業後すぐに、


   フフフ!!


   帝都の食堂が私を呼んでいる!!


   コメ!!ラーメン!!


   待っていろよ!!


   アハハハハ!!


等訳の分からない、謎のテンションで、


よだれを垂らしながら街に消えていった。


 そして、一週間もたたないうちに、


ミーカ隊長は元の体型に戻って、いつものように食堂で、


  ああ!!


  やっぱり、甘いものは美味しいわ!!


と甘味を頬張っていましたよ!!




オーボンレポート


無理なダイエットは、体に毒ですよ。


ちなみに、道場卒業後、帝都には謎の覆面女が現れ、


大食い大会を荒らしたんだって!!


それってきっとあの人だよね。



   


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