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オーボンの食堂レポート  作者: イカ十郎
2/5

団子屋 団子サンキョウダーイ

さてさて、疲れたときには食べるスイーツは最高ですよね。

帝都で流行りのスイーツは?と言うお話です。

 ゴーン・ゴーン!!


と終業時間を知らせる鐘が帝都に響き渡る。


 先に仕事を終えたあっしは、相方のピカさんが、残業で、ヒーヒー言いながら、あっしに対して


 「オーボンくーん、 手伝ってくれよ」


と話しかけてくるのを無視し、仕事場を後にしようとした。


 さてと疲れた身体には、


  甘味が一番!!

  

  今日は、どこのあん団子にしようかな?


とオーボンは、考え始めた。


 最近、帝都で流行りの甘味といえば、団子である。


 オーボンは、帰宅前に、女性隊員達が


  「あぁーん、 何これ、美味しい!!」


  「もうダメ…… 蕩けそう」


  「……すごい濃い……」


などとキャーキャーと騒いでいたので、気になり、ふとそちらの方を見た。

 

 すると、そこには、初めて見る団子があった。


 今まで、帝都で団子といえば、


   焼いた餅にあんこ乗せ


という物を橋で食べるのが、定番であった。


 ところが、今日見た団子は、


   一本の串に丸い形のだんごが3つが刺さり!!


   何やらドロっとした黄土色ぽい黄金色のソース!!


   脳天に突き抜ける甘辛い匂い!!


がする物であった。


 オーボンは、


「なんだ、この匂いは!?


 この鼻の奥を刺激し、


 吸い込むだけで極楽に行けそうだ!!


 それに、あのソース!!


 黄土色かと思えば、光が当たれば黄金色に。


 あのソースの下の白い団子も柔らかそうなこと。


 そして、あの食べる人のことを考えて


 手が汚れないように串に刺すとは、


 あ、あれは……団子の究極系や!!


 食べたい!!


 食べたい!!


 食べたいぞー!!」


と声に出し、だらしなく涎を垂らし、鼻をピクピクとさせながら女性隊員達に近づいた。


 女性隊員達が、オーボンに気が付き


「え!! ちよっと汚い、


 オーボン、 ヨダレ、ヨダレ!!


 え、この団子?


 下町の団子屋 団子サンキョウダーイの新作よ


 これで、一本たったの銅貨2枚よ

 

 あ、オーボン、待って何処行くのよ


 今から行っても……。」


と、最後まで聞かずに、


 「団子サンキョウダーイだな


  ありがとよ」


といい、急いで職場を後にするのであった。


 数十分後、オーボンは、今教えてもらった店

  

   団子屋 サンキョウダーイ


前にて、呆然と立ち尽くしていた。


 店のシャッターには、


  本日売り切れ!!


と言う紙が貼ってあった。


 オーボンが、しばらくして、動き出し何とか、帰宅の途につくと、


前から見たことのある冴えないおっさんが、


 右手に包み紙


 左手に串に刺さった団子


を持ち歩いてきて、


 「おお、オーボン!!


  やっと仕事が終わったぜ!!


  しかし、今話題のこの甘辛い団子は、最高のだな」


と団子を食いながら声をかけてきた。

 

 オーボンが、


 「エーー!!


  ちよっと、ピカさん、それどうしたんですか」


とピカさんに駆け寄ると


 「うん?


  隊長が、残業中に差し入れしてくれたんだよ。


  しかしうめーな、これ!!


  じゃあまた明日な」


と言い、呆然とするオーボンを残し、団子を、完食し立ち去るのであった。


オーボンレポート(後日試食の感想)

団子屋 団子サンキョウダーイ

味   ★★★★★

匂い  ★★★★★

値段  ★★★★★

(オーボンの気分で評価項目が変わります。)


昔の人は、


情けは人の為ならず


という素晴らしい言葉を残されておりますね。


後日、団子を食べる事ができたオーボンさんは、大満足だったようですよ。

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