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恋愛戦国時代  作者: 藤田 あゆむ
5/6

俺の後輩

2か月間待たせてしまい、大変申し訳ありませんでした。言い訳をさせてください。受験のため、小説を書くことが難しかったです。これからしっかりと書いていきますので、よろしくお願いします。


これは第5話です。

 さてと。

回避策を見つけるっつっても、なかなか無い。

どうしたものか…。


 そんな中、俺に話しかけてくる声がした。


 「せーんぱいっ♡」


彼女は冬海音葉(ふゆうみおとは)。部活も委員会も違うけれど、帰り道がおなじ方向ということで仲良くなった。髪が肩くらいまで下がっていて、少しパーマがかっている。いつもテンション高めで、まるで広乃みたいだ。ただ、中2のくせに中3女子よりも胸が大きいから、3年女子からはいい目で見られていない。

 現実、私は中学3年の男子だが、クラスでも胸についての話題が飛び交うことは少なくない。

なんというか、女子って怖いよな。

 まー、とにかく、彼女はそういう人だ。


「冬海、どうした?」

「もーせんぱいってばー! 音葉って呼んでっていつも言ってるじゃないですかぁ~」

「無理に決まってんだろ! 下の名前で呼べるかっつーの」


こいつのこういう馴れ馴れしい性格のせいで、後輩たちからは、「涼人先輩って、冬海と付き合ってんじゃね?」的な噂まで流れてしまった。3年フロアに流れてこなくてよかったと心の底から思っている。

なにせ、恋愛系の話題に関してしつこい、陽向がいるからな。

ほらみろ。今ですら回りの人から「リア充死ね」って顔で見られている。

このままだと、3年にまで噂が…。

なんとしてでもこの場を乗り切らなければ!


「と、ところで、なんの用だ?」


上手い! 上手いかわし方だ、俺!

一瞬にして、皆の視線が元にもどった。

よかったぁ〜!


「そうそう、一緒に帰ろって言いに来たんですよ!」


再びグサッと俺に視線が刺さった。

まずい。非常にまずい!

また振り出しに戻ったじゃねーかよ!

こうなったら逃げるか!

俺は冬海の手を引いて教室から逃げた。


「ちょ、せんぱい!強引ですぅ~♡」

「うっせー!後で話があるから覚えとけ!」


くそっ! 絶対教室で噂になるやつじゃん!

どうせ、恋愛脳どもが今頃騒いでんだろ。

とにかく、冬海に馴れ馴れしくすんなって話さないと、大変なことになる。

俺は冬海を連れて、学校近くの公園に行った。

冬海の野郎は相変わらずハイテンションだ。


「もぉ〜せんぱいったら、強引なんですよぉ~! もしかして、これから愛の告白があって、そのまませんぱいの家に連れ込まれて、あーんなことや、こーんなことしちゃうんじゃないですかぁ〜?」

「変な想像すんな! いいか、今お前のせいで俺は窮地に立たされているんだ!」

「どうしてです? も、もしかして私、なんかヤバいことしちゃいました…?」


こいつ、自分がどんなんか分かってねぇー。

え?ちょっとまって…。

泣いてね?


「ぐすん…ぐすん…」

「お、おい、泣くなよ」

「だって、だって、しぇんぱいに嫌われたからぁ~」

「嫌ってないから、な?だから泣くなよ」


こうやって慰めている時に俺に話しかけてくけ声がした。振り返るとそこには。


「佐久間くーん!」


席が隣にして、超絶美少女の筒魁さんだった。

転校してきてからアニメを通して仲良くなった人だ。

ちょっと待てよ。傍から見ると、俺が後輩の女子泣かせてるみたいじゃね?

俺は急いで冬海を背後に隠した。


「お、おー筒魁さん。どうしたの?」

「学校帰りだよ。佐久間くんこそ何してんの?」


ま、まずい。完全に、誤解される!

背後を見られたらおしまいだ。

なんとか誤魔化そうとした。けど、冬海はそんなことお構い無しのようで、容赦なく俺をデンジャラスな状況へ落としていく。


「しぇんぱ〜い!私、私、なにかしましたかぁ〜(ぐすん…ぐすん…)」

「お、おいお前」

「佐久間くんが後輩ちゃんを泣かせたぁ~」


想像してた展開と全く同じだな!


「ち、違うんだよ筒魁さん! これは誤解で…」

「うぇ~んしぇんぱ~い! ごめんなさぁ~い」

「さ、佐久間くん、鬼畜すぎ…」

「違うんだって! これは誤解で、俺はただ、冬海に話があってここに来ただけなんだ。俺は泣かせることは何もしてない!」


まったく冬海のやつ、中2にもなって外で大泣きかよ…。たまにこいつのことを小学生って思うときがあるんだけど、俺だけ?

泣き顔可愛いなちくしょう!


「あなた、冬海さんっていうのね。私はこのゲス男の同級生の筒魁日葵。よろしくね」

「ぐすん…はい、よろしくお願いします」


なんだ?筒魁さん、結構大人っぽいな。あれ?俺いま罵られた?


「ところでさ、冬海さん。ちゃんと佐久間くんに聞いた?『私のこと嫌いなの』って」

「してません」

「じゃあしてみたら? きっと佐久間くん、何も怒ってないと思うよ?」

「そ、そうですか?」

「うん! だって佐久間くんだもん」


因果関係になってねぇ~

なんだよ佐久間くんだもんって。なんか照れんじゃん。

そんなことを思っていると、冬海が近づいてきた。まるでこれから告白されるかのように。

ワンちゃんあるかも、みたいなことを思うと顔が赤くなるのが自分でもわかる。

だって、冬海可愛いし、明るいし。

え?好きなのかって?恋人になるのだとしたら答えはNOだな。

てか、いまそんなこと関係ない!

冬海はいたって真面目だろう。


「せ、せんぱい。わ、私のこと嫌いですか?」

「嫌いじゃないよ! ごめんな、勘違いさせるようなことして」

「ううん、大丈夫です! 逆にせんぱいが起こってないことが分かって安心してます」

「ね? 冬海さん。佐久間くんなら大丈夫だったでしょ?」

「はい! やっぱりせんぱいはやさしいです!」


なんだろう。無性にうれしい! おそらく今の俺の顔はにやにやしているだろう。


「ねえ、冬海さん、一緒に帰りましょ」

「はいっ! せんぱいも一緒に帰りましょうよぉ~」

「いや、俺はコンビニ寄って帰るから」

「じゃ、また明日ね」

「バイバイせんぱーいっ」


全ての誤解が解けて一件落着!

帰って飯でも食おっかなぁ~………。

 あれ?馴れ馴れしいこと注意してなくね?

冬海のテンションはまだまだ続きそうだ。






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