筒魁さんの正体
これは第3話です。
謎の美少女転校生が来てからクラスの男子は大はしゃぎ。
黒板の前で見せもののように立っている筒魁さん。
「なぁ涼人、あいつカワイくね?」
とうとう陽向までもが言い出した。
「カワイイっちゃカワイイけど、そんなはやし立てるほどか?」
本音で言ってやった。
目が合った時はドキッとしたけど、それは目が合っただけだからだよな? ね?
そんな時先生が爆弾発言をした。
「席は出席番号順だから佐久間さんのとなりね」
・・・え? 俺の隣?
クラスの男子達からの目線が痛い。
俺なんかした?
筒魁が近づいてくる。
ラノベだったらここで俺は顔を赤くしているだろう。
が、残念ながら俺は筒魁さんに興味はない。
『・・・』
俺も筒魁さんも話さない。
と思ったその時、かわいい声が聞こえてきた。
声、声だから。ここ重要!
「佐久間くん? あ、あの、よ、よろしく。」
「あ、あぁ、よろしく」
よかった。一生無口な座席関係になると思った。
そんな時だった。
俺が目にしたものは幻かと思った。
そう、彼女がリュックから取り出したのは、なんと、俺が大好きなアニメ、『ぶらっくすぴあ』のファイルだった。
「そ、それって・・・」
「ん? これ? ぶらっくすぴあっていうアニメで・・・」
「しってるよ、俺も大好きなアニメだし」
何を隠そう、俺は根っからのアニオタだ。ぶらっくすぴあともなろう名作中の名作、俺が知らないはずないだろう。
「佐久間くん、アニメ好きなんだ」
「あぁ、愛していると言ってもいい」
「そうなんだ」
筒魁さんがやっと笑顔を見せた。
それから、俺と筒魁さんはアニメをきっかけにだんだん仲良くなっていった。
次話公開日は未定ですが、近いうちにだします。