round 0-4
機材の故障なのか、三試合目を開始しようとした瞬間に
画面がブラックアウトした。
それが数分前の事、三回戦前からリマッチとなり途中休憩となった。
モニターをチェックし、調整するためのエンジニアがチェックしているのが見えた。
一番大きなモニターと俺たちが使っていたモニター全てがオフになっているのだ。
ある意味大問題であろう。
「んっんっ……ぷはぁ。」
勢いよくミネラルウォーターを飲み干すと
真はゼエゼエと過呼吸気味になりながらもにやりと笑う。
ここはバックステージ、表のステージすべての演出を操作する場所
追い詰められている状況でこんなことを思い出すなんてな。
現在の状況、三本先取りの形式にて二本取られている。
まずい
十人中十人が危機的状況だと言うだろう。この状況を
よほどの馬鹿でなければ、崖っぷちに立っている俺の姿が見えるだろう。
ロムロムのデータを用意してはいたがここで俺とぶつかると思わなかった。
もう一人の「あいつ」が出てくるのかと思ったが、ロムロムと準決勝でぶつかり惜しくも2-2の状態で互いに時間をいっぱいいっぱいに削りあうという、ギリギリで負けたらしく控室でアケコンのチェックをしている俺に、圧を掛けてきた
『勝てよ、この野郎。』
ボソリと「あいつ」は呟く。
日本人離れした外見に両腕にいくつも描かれた黒基調のタトゥー、髪は色を抜いて白(本人曰く薄い金色)とネオンカラーのオレンジとグリーンのメッシュを前髪に入れている。
メタルバンドのパーカーの下には所属している「」のメンバーTシャツが見えた。
壇上に戻り深く深呼吸をして、アケコンに触れていた手をグーパーグーパーと握ったり開いたりすると周りの様子が見えてくる。
見知った顔が一つ、二つ、あっちにもこっちにも。今まで対戦してきた相手が壇のすぐそばにまで来ていたりしている。
そうか、みんな見に来ているんだ。
そう思うと、口ににやりと笑みが浮かぶ。
そうか、立ち回りとかに気を取られずに俺らしいプレイをすればいいのか。
気が晴れた。
飲み物を口に含み、ヘッドフォンに流れる音楽を選曲する。
最後の決戦と言えばこの曲だろう。
試合中はいままでと同じ曲にしていたから変化がない試合しかできなかったんだ。
そう決めると選曲した順番で入るようにプレイリストを整理する。
『さて、ロムロム選手が二本先取していますが、ジンジャーさんこの状況に対してどうお考えですか?』
『面白いことになってきましたね。今までのプレイは彼らしいプレイが出来ていない感じでした。
今までのキャラクターとは異なるタイプの「バズヴ」という刃を持ち込んだ分、ヴォルフの感覚に戻れていない感じがしています。ですが……』
『ですが?』
『最後のラウンドから何かを掴んだようなプレイをしておりギリギリのところまで相手に対して掴ませないようなプレイをしていました。ここからならば逆転してくれそうな気がします。彼自身がいくつもの試合で素晴らしい逆転劇を見せてくれていますので期待しています。』
『ロムロム選手に対してはいかがでしょうか?』
『個人的にはあこがれるような素晴らしいプレイを見せてくれています。闘乱では彼は僕のチームメンバーとして共闘しているんですが、彼もまた最後の最後で逆転劇を見せてくれるタイプなんですよ。』
『ジンジャーさんは楽しみにしていると?』
『はい、両方に期待しています。一瞬のスキをついて攻めるロムロムのスタイルに投げと力強い攻撃を主軸としたジャムのスタイル。このぶつかり合いはめったに見れるようなものではないと思います。』
『それでは両者、いったん休憩を挟みまして機材チェック終了後、試合開始となります。』
ボタン配置の画面に移るといつもの設定にボタンを配置していく。
キャラクター選択画面に入ると迷わずヴォルフを選択。
カラーを選択し、デフォルトからいつもの定番の黒にネオンタイプのブルーが入ったカラーにセットする。
さぁ、取り返しに行くぞ。
最近、R6Sのプロリーグとかも見てるんですが海外プレイヤーのエイムすごいですね。
特筆するならばG2ですが
ゲームを書く上で様々な作品を参考にしたりしています。
ゲーム関連で言えば「僕と彼女のゲーム戦争」や「弱キャラ友崎くん」
勝負事の心情描写で言えば「3月のライオン」や「りゅうおうのおしごと」、「境界線上のホライゾン」を読んだり、参考にしたりしています。
将棋自体は僕の中では格闘ゲームに通ずるものがあると思います。
このお話は別の日に
山勘でした。




