round 2-3
対戦画面に移行し、真と詩織は一つの画面を共有していた。
遊ぶゲームのタイトルは「エクスナイツ・バーサスカオス」
人気アプリ系現代風RPGの派生した作品でシリーズ三作目。
1P側には詩織が選択した紺色の制服に日本刀姿の女性「ルージュ」、2P側にはベレー帽を被った赤いブレザータイプの学生服を着た少女「スタッカート」
「このゲームには連打コンボってのが採用されてる。試しにAボタンを連打してみて。」
「こういう感じ?」
彼女はゲーム機本体に付属している白いコントローラーを握り、ボタンをタイミングよく押す。
画面の中のルージュがに連撃を繰り出し空中に打ち上げる。
「コンボってのは普通は複数の技を組み合わせて、出すことが出来るものなんだ。」
「このゲームは、相手に接近してAボタン連打で、連続技を繰り出すことができる。体力ゲージの下にある特殊ゲージが溜まっていれば自動的にスキルも発動する。まさに初心者向けでとっつきにくい格ゲーのプレイヤー数をさらに上げたのがこれさ」
そのほかにも教えてみるとスポンジのように彼女は吸収していく。
投げ技、対空技。波動拳コマンドや昇竜拳コマンドをしっかりと使いこなし技を決めて相手キャラクターの体力を減らしていく。
うまいなと真は感じた。
人によって同じキャラクターでもプレイスタイルが全然違っていくものがある。
例えば格闘ゲームにおける「三種の神器」(飛び道具、対空技、突進技)を持つキャラクターがいるとする。(ストリートファイターのリュウでも想像してもらえればいい。)
技一つでも使い方が全然異なってくる。
飛び道具を弾幕の様に撃ち、相手の隙を狙うスタイル。
飛び道具をあまり撃たずに近づいて、しっかりと技を打ち込んでいくスタイル。
地上戦を主にして簡単にジャンプしないスタイル。
だからこそ彼女のプレイスタイルは美しいともいえる。
彼女の使用しているルージュはメインヒロインの立ち位置にいる。
高機動力に日本刀でのリーチのある攻撃をメインとするこのキャラクター。
操作にクセがあり、言うならば上級者向けのキャラクター。
しかし彼女は動けているそして使いこなせている。
しっかりと技を出し、相手のタイミングを確認しながらゲージを使用した特殊技を入れている。
「対戦してみる?」
薦めたアーケードモードのノーマルを教えた技術をすべて使い簡単にクリアした姿に真は言うと学校では見ることがほぼないであろう笑顔を見せた。
真が使うキャラクター「シオナ」の特性を述べよう。
身長156cm、「組織」所属の実力者5人組集団「クインテット」のリーダー、そのメンバーを呼び出して戦い、スタンダードな性能を持つが高い操作難易度とクセを持つこのキャラクター。
アーマードスーツやバイクでの突進攻撃を行う「コンモ」、遅延型の飛び道具を持つ爆発物担当「スピリ」設置及び対空技に機雷を放つ「コンフ」カウンター技限定の「アジタ」そしてインファイタータイプの「シオナ」。
真はこのキャラクターをなぜ選んでいるのか?
このゲーム自体はコンボゲー、簡単に言えば「コンボが続くだけダメージが入る。」もっと簡単に言えば「即死級のダメージを叩きだすコンボを入れられたら勝ち」という現象が起きる。
しかしそのコンボを「崩す」ということが出来るがその難易度は高い。
この「シオナ」はそのタイミングを掴ませにくいトリッキーなスタイルをもって「崩す」ことが出来る
だからだ。
ルージュがリーチのある、刀の一撃が放つ、その瞬間にシオナは飛ぶ。
「コンフ!」
「了解!」
その声に応じてルージュにまっすぐ突っ込んでいく鋼鉄の巨体
コンフの操る重機を改造した外骨格がルージュを画面端に吹き飛ばす。
セーラー服の少女「スピリ」が、そこに小型の単発式ロケットランチャーを放つ
そのロケット弾がルージュをさらに空中に打ち上げる
ルージュが立ち上がろうとした瞬間に真はコマンドを打ち込む。
シールドを持った少女が画面端に登場する。
その名はアジタ。
真はその子を立ち上がったばかりのルージュにぶつける。
強制的にカウンター技が出た瞬間に、そこからの追加コマンドを真は打ち込んでいく
そこで最後にシオナの技が入ると演出に入る
コンモがアーマードスーツで相手を捕縛し、スピリがランチャーを展開し始める、その横でコンフが機雷を用意して投げる。
アジタが、ルージュを押し込んでそのままコンモのアーマードスーツが作り出した檻の中に突っ込む。
最後にスピリが取り出したのは歩兵用携行式多目的ミサイル
FGM-148「ジャベリン」
アーマードスーツごとロックオンすると発射する。
最後に爆発と共にシオナが勝利したという表示が出る。
またやってしまった。これで詩織に対して十連勝、途中で休憩代わりにやっていたFOU2にてもこちらがキャラクターをランダムし、彼女が最強キャラを使うというルールに出たがそれでも5勝1敗。
集中していたことと始めてやったはずなのに感覚でなかなかのプレイを見せた彼女に対して本気を出してしまったことに対して、シンプルに謝ろうと真は考えボソリと
「ごめん」
と言った。
「なんのことですの、あれだけハンデを加えてこちらが有利になった状態なのに、なんで謝っているんですか、あなたが勝ち続けてしまったことに対して多少の文句はありますが。それでもあなたの勝ちと言えばあなたのこれは勝ちです。勝負事なのですから……」
と頬を赤らめた状態でそのまま早口になりながらも俺が勝ってしまったことでなぜ俺が謝るのかということを壊れたコピー機のような状態で言い続けた。
三分間ほど彼女がまくしたてるというか彼女が悔しさを隠すために言っているのはわかった。
彼女が落ち着き水を飲み、話ができる状態になったのを見計らい、時間もいいところなので解散しようということになりこうして彼女への格闘ゲーム講座、第一回目は終わった。
詩織は荷物をまとめて、ドアから出ようとしている真に
「あなたは強いわ。」
真はきょとんとした顔で彼女を見つめ返す。
「そうなのか?わからないけど。」
「うん、だから」
彼女はびしりと真を指さして
「自信を持ちなさい!!」
言われた張本人は
「ありがとう」
としか言う言葉が無かった。




