round 1-2
次の日学校にて
彼はまた制服姿に今度は耳にヘッドフォンを装着した姿で帰り道を歩いていた。
「ねぇ、ちょっといい?」
唐突に後ろから声を掛けられ、彼は振り返る。
髪の毛を緩い一本の三つ編みにまとめ、赤いフレームの眼鏡をかけた少女。
後ろにいたのは同じクラスに所属している女子だ、今時の女子らしくスカートを短くし彼と同じブレザーのポケットからはかわいいキーホルダーが覗いていた。
名前は……
「ええと……長月さんだっけ?」
彼女は頷き
「ええ、私は長月詩織よ。水島真くん、君にお願いがあるの。すこしお時間いただけるかしら?」
今日の放課後はバイトも予定も入っていないことをスマホで確認すると
「大丈夫だ。」
「それなら立ち話もなんだから話は喫茶店でなんてどうかしら。」
「いいぜ。」
歩きながら、考える。
なんで俺に……声を掛ける。
スクールカーストなんてシステムに辟易した俺はなるべく人と関わらないようにしようとしてきた。
学校という名の社会の縮図を俺は嫌い、そいつらが来ないようなゲーセンを選んでいたのに
なぜ?
なんで?
そう考えているうちに彼女の足取りは止まる
喫茶店「レッドホーク」
連れられて店内に入ると、程よく調整された音量のジャズが耳に入る。
落ち着いた茶色を基調とした店内はカウンターとテーブル席に別れ、彼女はいつもそうしているかのようにテーブル席に座る。
テーブル席の彼女の向かい側に俺は座るとマスターが注文を取りに来る。
俺はコーヒーを頼み、彼女は「いつもので。」とニコリと笑いながら言う。
二人とも何も話すこともなく静かな時間が少しずつ過ぎていく。
ここは俺が喋ればいいのか?
それにしても何を話せばいいんだ?
目の前の彼女がどのように言われているかは少しだけ知っていた。
「学年主席にして完璧」「長月家次代当主にしてIT会社社長」
長月家としての将来が約束されているはずなのに十五歳にて起業、そして一般入試から俺と同じ高校に入学、一回も主席を落としたことはなく生徒会長候補の最有力ともいわれている。
俺とは全く違う存在だと感じる。
そう考えている間に俺の前にはスティックシュガーとアイスコーヒーが、彼女の前にはチョコとクリーム、そしてスポンジが山盛りになったパフェが運ばれてくる。
互いに注文したものが半分の量にまで減った時
「さて、それでは本題に移るわね。水島君、私にゲームを、いやFOU2を教えて」




