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一服くゆらせ候

猫寿司

作者: 紅月 実


「寿司……、ねえ」

 パソコンのモニターを見ながら諦め半分で呟いた。何せ私は生の魚は口にしないのだ。家人と回転寿司に行っても、もちろん一般の寿司ネタには殆ど手を付けない。イマドキの変り種メニューばかり選んでいる。寿司がお題の企画など自分には縁遠いとしか思えなかった。


 さても世の中はなどと思っていると、友人が「猫寿司」というお題をくれた。ふむふむ、さば猫ならそのまま寿司にできるな。じゃあ模様くっきりの茶虎なら海老、真っ白なら烏賊、丸まった白黒ツートンなら軍艦……。などと考えつつふと目をやった先には、午睡を貪るうちの猫がいた。


 なんだ、うちのも寿司じゃないかと私の口元が綻ぶ。真っ白なお腹の毛は舎利。黄ばんだ染みが濃くなってしまったような背中は、照りのあるツメをたっぷり塗った特大の穴子。しかも縞模様のしっぽは海老そのもの。


 一皿で二度美味しい猫寿司。私はこのスペシャルメニューが大好物である。




【注】ツメとは煮汁などを煮詰めて作ったタレのことです。

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