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新学期 ~せんせいとのおはなしと、ともだちとのおはなし~

新学期、突入ー!

「寝坊だぁっっ!」

 いつもいつもこの話が鼻歌で始まると思っていたら、それは大間違いだ。現在時刻八時五分。冬休み気分で起きたところ、こんな時間になってしまったので、鼻歌を歌う余裕なんてないのである。食パンをくわえながら凄い速さで走る姿は、まるで漫画のようだ。ちなみにこの家から学校までの距離は二~三キロで、学校の席に着かなくてはいけない時間は八時十五分。普通は間に合うはずないのだが……。

「ふぅーっ、着いたぁ」

 なんと、五分で着いてしまった。あと五分もあれば、準備も余裕でできる。準備をサッとして、「うーんっ」と伸びをしていると、誰かが声をかけてきた。

「ちーびちゃん、おはよう!」

「ピノ! あけおめだね!」

 そう声をかけてきたのは、ちびの友達のピノ。いちごミルクのような毛と、口の周りのミルク色の毛が特徴のウサギだ。

「ごめんね、年賀状書く時間がなくて、今年の年賀状送れなかったけど」

「いいよ。……どうせくれないもん、ピノ以外。なんでだろうね、友達いるのに」

「ら、来年は絶対送るよ!」

「ぴ、ピノっ! 大好きぃ!」

「そこまで喜ばなくても……」

 ピノが苦笑気味に言う。ちびは、少し暗い笑顔で返した。

「寂しすぎて、遂に自分で自分宛に送ってしまうあの虚しさというと……」

「ごめん、私が悪かったよ!」

 ピノは、今年の年末は絶対時間を空けてちびへの年賀状を送ろうと決心した。



 そんなこんなで新学期が始まった。しかし! 新学期のワクワクに立ち塞がるものが!

「今年位はやってくると思ったんだがなぁ」

「ぴ、ぴゅーぴゅぴゅーぅ」

「わざとらしい口笛吹くな」

 そう、冬休みの宿題フカノウだ!






・・・ ・・ ・






 放課後の教室。

「さーて、言い訳から聞こうか。なんで宿題忘れた?」

「……言わなきゃ駄目?」

「駄目だ」

 ネズミの先生に聞かれ、ちびは、その理由を渋々話し始めた。

「それは、冬休みの初日のことでした」

「なんだ」

「なんと、突然空から魔法少女が降ってきたんです!」

「嘘だろ?」

「はい、嘘です」

「嘘なのかよ! 正直に言え」

「実は、宇宙外生命体とずっと戦っていたんです!」

「宇宙外!? 地球外じゃなくて?」

「はい。タコっぽかったです」

「そこだけ発想が子供か! 子供なんだが!」

「えへへ、照れますね」

「どこに照れたよ! ……嘘なんだろうけど、お前なら本当にしてそうで怖いな」

「まぁ、嘘ですけど」

「だろうな。で? なんで忘れた? 本当のことを言え」

「面倒くさかったからです」

「あっはっはー。正直ー」

「あはははは」

「馬鹿」

「……すみません。あと、先生ツッコみスキル高いですね!」

「うるさいわ!」

 そのあとこってり叱られた後、ちびは家に帰された。






・・・ ・・ ・






「ただいまー」

「お帰り。……どうかした?」

「新学期、頑張るよ!」

「なんでそんな涙目? まぁ、頑張れ」

「……うん」







 次回は、花が主人公です! 本当は花も主人公なんですけどね……。

 とにかく、お楽しみに!

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