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100話直前記念 王都の夏祭り前編

今回初めて前編・後編分けてみた!

この話は99話!!


 これはゼロたちが王都にて3か月ほどたったころの話である・・・


「『王都夏祭り』?」

「はい、3日後に開催される毎年恒例の祭りです」


 俺たちが王都にきて約3か月、季節は入学した時の春から夏真っ盛りへと移り変わっていた。

ギルドにて、いつものように依頼を探そうとしていた時に受付嬢からその話を聞いたのである。

  

「ついこの間ぐらいに表彰式で祭り騒ぎだったのにか?」

「この国の人はみなお祭り好きですからね」


 受付嬢はそう言い苦笑した。



 たしかに、このグライトス王国の人たちは何かとお祭り好きのようであった。ことあるごとに騒ぐのである。


「この祭りの期間だけはギルドも休業いたしますので、依頼の受注と依頼達成報告はこの期間は行えないんですよ」

「それって何かあったときにまずくないか?」



 緊急の依頼があったときなどに危なさそうである。


「大丈夫ですよ。この期間は王都中に祭りを楽しもうと、普段ほとんど王都にいない高ランク冒険者たちまで集まってきていますからね!

仮に、高ランクモンスターの襲撃や、ほかの国が戦争を突然仕掛けてこようとしても、あっという間に撃退されますよ!!

「祭りの邪魔をするな!!」という団結心でね!!


 祭り恐るべしである。


「それに、今はゼロさんがいますからね。そんな面倒ごとを起こそうとはしないでしょう」

「え?なんで俺がいるだけでそうなるんだ?」


(((自覚していないのかよ!?)))


 このとき、その場にいたゼロを知っているほかの冒険者たちの心が一つになった。


 強力なモンスターたちを従えているゼロは、実はほかの冒険者たちには恐れられているのであった。一部にはその従魔たちへのファンクラブがいるとか・・・。


「とにかく、王都の夏祭りは他の祭りとは一味違いますのでその辺は楽しんでくださいね」



 王都での夏祭り、それは面白そうに思えたのでその祭り向けて体力を残すためにそのあと3日間は早めに終わる簡単な依頼をこなすだけに終わった。






 夏祭り当日。この日、王都はいつも以上に賑わっていた。普段は王都にあまりいない高ランク冒険者たちや祭りの出店で稼ぐために来た商人たちなどがおり、いつも以上に王都には人がたくさんいた。


「よし、それじゃあ祭りに行くぞ!!」

「「「了解!!」」」


 ハクロたちを出して、俺たちは祭りという名の戦場に向かったのであった。



 王都での祭りは昼の部と夜の部で分けられている。夜の部は日本のお祭りみたいな感じだが、昼の部は違った。


 昼の部は、王都での腕自慢たちが戦う『王都夏季限定武闘大会』が行われているのであった。


 そこには様々な高ランク冒険者たちも集まり、その武闘大会の賞金目当てがほとんどだった。


 ちなみに、俺は出るつもりは全くない。というか、出られない。この大会は戦士や魔法使い限定で、俺は魔物使いであるので出られないのであった。


 そのため、今回のは見物客として楽しむことにした。




『さーっ、ドルマンが自慢の斧でコンマに襲い掛かったーーっ!!』


 ガキィィン!!


『なんとコンマは真正面からこれを剣で受け止めたーー!!』


ウワァァーーーーー!!


 ドルマンと呼ばれた大男の戦士が振りかざした斧を、相手のコンマと呼ばれる小柄な若い剣士が受け止め、その様子に観客たちは盛り上がった。今大会優勝者候補の人たちらしい。

司会は毎度おなじみモッセマンさんが行っていた。


 というかあんた、校長だよね?こんなところで司会なんてやってていいのかよ。


 その試合は最終的にドルマンの勝利となった。


『しかしすごい試合でしたよねー!解説のアルテミスさん、この試合で注目すべきところはどこでしたか?』

『そうじゃのう、ドルマンとかいうのが斧を振りかざした際に、コンマが剣で受け止めたとこかの。完全に力比べでやったならば、あのままドルマンが押し切っても良いと思えた。

じゃが、あのコンマとかいうのは完全な力比べに行かぬようにてこの原理を使用して力を均衡な状態までもっていったところかの』

『なるほど、そういう工夫が凝らされていたのですね!!』

『おそらくじゃが、あのコンマとかいう者は今大会で優勝してもおかしくなかったであろう。じゃが、惜しむらくは体力が負けていたために最終的に押し切られてしまったとこかの』

『あー、それは残念でしたよね』

『じゃが、双方すばらしい試合じゃった!!』


 いつの間にか、アルテミスが解説者になっていた。どうやら長年の経験もあることから解説役にと頼まれたようである。




 試合は次々と進んでいき、ついに決勝戦が終わり、今大会の優勝者はドルマンになった。


『いやー、すごい試合が多くありましたねー』

『そうじゃのう、久々に血が燃えてきたわい!!せっかくじゃからあの優勝者と戦ってみたいのう』

『いや、それはだめですって・・・。この大会はあくまで冒険者だけなんですから。アルテミスさんはゼロさんの従魔でドラゴンでしょ』

『えー、最近我と同じように人化している同族が、同じような大会に参加していたとかいう話を聞いたのにー』

『えっ!?』


 その爆弾発言に会場中が驚いたが、アルテミスは結局その人物のことを語らなかったのであった。


次回後編へ!!100話に行くぜ!!

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