『エルフの集落5』
スラ太郎の作戦とは?
スラ太郎の作戦を聞いた俺たちは、まず最初にエルフの奴隷を助けることにしたのであった。
「よし、やれスラ太郎」
「イェッサー!」
「ホイッサー!」
スラ太郎A、Bはそれぞれ作戦を開始した。
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「ふわぁぁぁ、退屈だな」
「仕方がねぇだろう。エルフたちを捕まえに行ったあいつらが戻ってくるまでの見張りだというのに、モンスター1匹すらこないんだからな」
「それにしても、遅くないか?もう戻ってきてもいいはずなんだが」
「確かにな。ま、大体楽しんで襲っているんだろう」
見張りとして退屈な男たち。だが、そこに忍び寄る者たちがいた。
「しかし、なんでモンスターがでてこないんだ?もう一体ぐらいなら出てきてもおかしくはないんだが」
「おいおい、そんなことを言ってたらでてく・・・」
「どうしたんだ相棒?なんで俺の後ろを見て・・・」
いきなり黙った相棒の反応を見て、男が後ろを振り向くと、そこにはスライムがいた。だが、ただのスライムではなかった。色が紫で、そのスライムの足元(足?)の地面が毒々しく変色していた。しかも、よく見ると一体だけではなく、他にも同じようなスライムがいくつもいた。
「な、なんだこのスライムたちは。ど、毒をもっているのか?」
「まてよ、確か今月の月刊『スライムクラブ』に紹介されていたな」
「お前何読んでいるんだよ⁉︎」
「そんなことよりあれは確か、『ベビーポイズンスライム』だったな」
「見た目からすでにわかるだろ!って、あっちにも別のスライムの群れがいやがる!」
「えっと、どうやらあの赤黒いのが『ヴァンパイヤスライム』、あっちの葉っぱが生えているやつが『スライムトレント』の群れだな。スライムクラブの125ページに載っているぜ」
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「ベビーポイズンスライム」
ポイズンスライムの幼体。まだ幼いながらも、その体にある毒はBランクモンスターまでなら効くほど猛毒である。ランクはB。
「ヴァンパイヤスライム」
吸血鬼みたいなスライム。一説によると吸血鬼として言われているのはこのスライムが元ではないかという説がある。くっついた相手の血を吸い取り、瀕死にさせる。ランクはB。
「スライムトレント」
トレントがスライムに取り込まれ合体したモンスター。ただ、トレントとは異なり、その葉は実は解毒剤のときと、痺れ薬になることがある。ランクはB。
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「やばいやつばっかじゃないか!」
「だが、なんで攻撃してこないんだ?こう話している間にも襲ってきてもおかしくないか?」
みると、そのスライムたちはまったく攻撃するそぶりはなく、ただ男たちの周りにいるだけだった。
「よ、よし、俺たちからしかけるか?」
「いや、止めておこう。うかつに攻撃してこっちがやられたらシャレにならない」
「そうだな。しかし、一体なぜいきなりここまで大量のスライムが・・・?」
その囲まれてしまった男たちの後方で、一体の人型になったスライムがエルフの奴隷の縄を切り、肩に担いで去って行ったことには誰も気がついてはいなかった・・・。
月刊『スライムクラブ』
税込560ゼン
モッセマン編集