『エルフの集落4』
前編・後編と分けてみたくなるんだけどなかなか使いどころがなぁ。
スラ太郎のストレートな言葉があったものの、一応猛省しているようなので、ゴロツキどもに対する扱いはエルフたちに任せて、俺たちは森の中にまだいるという残りの奴らと奴隷商人を捕まえるために一旦村から出た。
「ハクロ、お前の糸に何か反応はあるか?」
「やはりこの近くにはいないようです。ですが、話にあった通り、森の外側の方に反応があります」
今回、ハクロが有能にすごく見える。普段の明るい様子やアルテミスとの喧嘩を見ていると、今のハクロとは信じられないように思えた。
「ゼロ様、今何か失礼なことを考えていませんか?」
「考えていないよ」
こういうことには勘が働くんだよなこいつ。
とりあえず、気づかれないようにその場所へ向かうと、いくつかの明かりがみえた。
どうやら松明で明かりを灯し、辺りを警戒しているようである。
「人数は大体2、30人ぐらいか。聞いていたぐらいとはいえ、やっぱり数が多いな」
「所詮、金に集まった烏合の衆どもよ。あの程度、我らの敵ではないのじゃ」
「あの中央のやけに趣味が悪いテントに奴隷商人がいるのでしょうかね」
「よく見るとその横に檻があるな。あそこに今回捕まえる予定だったエルフを入れるつもりだったんだろう。他に周りには・・・あれか。あそこにいるエルフを使って結界にはいったんだな」
悪趣味なテントの近くに、縄で繋がれたエルフがいた。体にはあちこち傷があり、ひどい仕打ちを受けていたようだった。
「どうして逃げ出せないんでしょうかね・・・」
「ハクロ、お主はアホか?あの首に『隷属の首輪』がつけられておるのじゃぞ」
見ると、確かに首輪がついていた。
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「隷属の首輪」
魔道具の一種。これを身につけると持ち主のいうことには逆らえなくなる。反抗しようとすると、首輪から電流が流れてくる。外すにはその奴隷の持ち主が死ぬか外すか、もしくは専門家に頼む必要がある。また、魔力が強すぎる者には効果はない。
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「なるほど、それでか。しかし、それだとあのエルフを人質にされてしまう可能性があるな」
「ならば先にあの者を助ける必要があるのじゃな。だったら主殿ならはずせるじゃろ。あの首輪は魔力が強すぎる相手には効果はないからな。主殿の魔力ならたやすくいけるじゃろ」
「だが、どうやって助けるかだな・・・見張りがいるし、うかつに行けないな」
「ダッタラ、マカセテー!」
「お、スラ太郎、何かいい方法があるのか?」
「ウン!」
スラ太郎が考えた方法を聞いた俺たちは、そのやり方に少し驚いたのであった。
次回に続く・・・!




