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『エルフの集落3』

ちょい短い

 村に入ってきたごろつきどもを全員生け捕りにして、尋問が開始された。尋問の内容としてはエルフたちのの村を襲った理由と、侵入方法である。なお。尋問場所は、ハクロが作った糸の檻の中でやることにした。糸でできているとは言えども、ハクロがの今回使用している糸は、同じ太さの鋼鉄の280倍の強度のものらしい。(鑑定したら560倍だった。2倍だったよ。しかし、いまいちわからないな)


 ごろつきどもの中でも、リーダー格らしい一番目つきが悪そうなやつに聞いた。


「おい、どうやってこの村に侵入してきた。そして村の人たちを襲って生け捕りにしていた理由はなんだ」

「けっ、誰がお前のようなお子様に教えるんだよ」


 ・・・そりゃそうだよな。俺12歳だからそりゃ見た目はまだ子供だよな。そんな子供に尋問されていることはなんか嫌なのだろう。


「あ、兄貴、そいつもしかしたら『怪物殺しのゼロ』じゃないっすか!?」

「はぁ!?こいつが『怪物殺しのゼロ』だと!?」

「だってそいつの従魔にきれいなアラクネがいるじゃないっすか!!」

「ゲッ、本当だ!美しい普通ではないアラクネを連れているのは『怪物殺し』しかいねぇじゃないか!!」

「え!?何その呼ばれ方!?」


 まだ元気があったそいつの部下たちに聞いてみたらとんでもないことが分かった。


「あ、あんた自身のうわさなのに知らないんすか?美しいアラクネをつれた『怪物殺し』の異名が付いているんすよ!」

「おれも知っているぜ。確か王都に現れた怪物をあっという間に葬り去ったてな。それが由来らしい」

「おいらも聞いたことがある。確か普通ではない従魔を連れ、どれも見た目が美しいものばかりらしい」

「なんでも指先一つで山を吹き飛ばすだの、気に入らないやつを細切れにするだの」

「その従魔たちにはそれぞれファンクラブが付くほど人気だとか」

「エンシェントドラゴンを仲間にしているとか、不老不死だとか」


 ・・・そんな噂が広まっているのかよ。しかも、どれも間違っていないようなことばかりじゃん・・・。さすがに細切れはないが。


「そ、そんな化け物みたいな相手に俺は・・・すっ、すいやせんでしたぁ!!」


 リーダー格の男は一気に顔を青白くして、すべて供述した。


 自分たちはただこの村を襲い、奴隷とするためにエルフたちをさらって来いと頼まれたこと。この村に入るために奴隷となっているエルフを使って侵入したこと。依頼主は帝国の奴隷商人だと。さらにまだ仲間が森の中に集まっているところがあると。


 すべてべらべらと供述した後、男は涙ながらに懇願してきた。


「頼む!どうにか俺一つだけに罰を受けさせてほかのやつらはみな許してやってくれ!こいつらはただ俺に従って行動しただけなんだ!!俺の命はどうなってもいいからせめてこいつらの命だけは助けてくれ!!」

「あ、兄貴!兄貴こそ助けてやってくれ!!こんなどうしようもない単純脳筋馬鹿の兄貴だが、ここまで一緒に俺たちと家族同然に過ごしてきた大事な兄貴なんだ!!俺達よりも兄貴を許してくれ!!」

「馬鹿野郎!!お前たちをほおって俺だけ助かるなんてことができるか!!」

「「「「俺達だって兄貴だけ助からないのは嫌なんですよ!!」」」」

「お、お前らそんなに俺を・・・」

「「「「兄貴---------------!!」」」」

「お前たちよーーーーーーーーーーーーー!!」


互いに抱き合うごろつきども。その顔はどれも涙を流していた。


・・・なんだこの三文芝居。あれか?同情を誘っているのか?


『えぐっ、えぐっ、ぐすっ、どうやら心からのようで偽りはないようです。ひっぐ』


 どうも偽りはないようである。というか、世界の声さん、泣いていませんか?


「おーいおいおい。なんてすばらしい絆なんじゃあ」

「なんかこっちまで涙がでます・・・」


 ハクロたちまでもらい泣きしているんだが。エルフの長老たちまでもらい泣きしているよ!!


「ナケルノ?」

「ワルイコトシテルノニ?」


 そのスラ太郎の言葉に、その場を覆っていた感動ムードが一気になくなった。


 スラ太郎よ・・・もう少しオブラートに包んでくれよ。


三文芝居か・・・

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