表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/397

『エルフの集落2』

57話『ギルド登録をしよう』にエルフいたな。

「で、どうしたらこういう状況になったのですか?」

「・・・さあ?」

「わからんのぉ?」


現在、俺とアルテミスは正座させられ、ハクロに叱られていた。


アルテミスがエンシェントドラゴン、俺が魔物使いなのに桁外れの魔法が使用できるということが村中に知れ渡り、その怒りをかったら滅ぼされかねんと危惧したエルフの人たちによって俺たちは今、村長の家の1番豪華な客間に案内されていた。


先ほどまで今夜の布団を用意していた身からすればなんか無駄になった気がして少しイラついていたハクロであった。



少したち、エルフの村長たちが服装を改めて部屋に入ってきた。


「まさか、アルテミス様と、その方を従える魔物使いのゼロ様とは知らず、すみませんでした」

「いや、別にいいんだけど」


アルテミスがエンシェントドラゴンだとわかっただけでこの状況である。この先、出来るだけ目立ちたくはなかったが、ついやってしまったことに俺は後悔したのであった。


「で、先ほどまでは今晩だけ泊まっていいと申し上げましたが、この先いくらでもここに泊まっていいです」

「いや、今夜だけだしな。帰りにここに寄れるかわからないし」

「そうですか・・・しかし、あなた様たちのようなお方がここに泊まってくれたというのは誇らしいです」


 なんだろうか、すごい掌返しなような感じである。


「そ、そうなんですか・・・そういえば、聞きたいことがあるんですが」

「なんでしょうか?」

「俺たちがこの村に入る前に、やけに警戒していましたよね?なぜなんですか?」


 ただ外のものというだけではあの警戒はありえない。いきなり弓矢を放ってきたところから考えると、何かに対しての恐れのようなものが感じ取れた。


 尋ねた瞬間、一瞬村長は何かに対して怒りを表すようなそぶりを見せた。


「それはですね、たまにこの森奥深くにまで奴隷商人が来ることがあるんですよ」

「奴隷商人がですか?こんな森にまでにですか?」

「ああ。しかも、非合法な奴らがな」


 村長に聞いたところ、ここ数年、どういうわけか奴隷商人がこの森に踏み入れてきてエルフたちをさらっていくという。しかも、腕の立つ傭兵を雇い攻めてくることもあるのだそうだ。


「どうやらウィーキッドネス帝国のものらしくてな、近々戦争を起こすだろうと読んだ商人たちが奴隷を集めているようなのだ。そのためこれまでにも何度か襲撃を受けさらわれたものが大勢おる。しかも、結界が張っておるためめったなことではこの場所にはたどり着けないのだが、奴隷にした同族を使ってくるのだ」


 忌々しく話すところを見ると、もうかなりさらわれてしまっていることが読み取れた、


「ギルドや国に対して訴えても、取り締まってもらっても、一向に無くならん!!本当にいらだつのだ!}


 なるほど、それでここまで外からの者に対しての警戒が強かったのか。て、あれ?


「それにしては、村の人たちは俺たちの姿を見ても別に警戒する人がいなかったようですが?」

「それはな、儂らが連れてきたからというのがある。つまり危険はないと判断されたとのと同然だからだ」


 なるほど、そういうわけだったのか。


「と、すまなかったな。今夜はもう遅い。もう寝るのがい「何か侵入してきてます!!」」


 いきなりハクロが叫んだ。


「ど、どうしたんだハクロ」

「この結界の周りには、万が一怪物がふもとに降りてきてここに来ないかと思いまして、実は念のために私は糸を張っておいたんです。その糸にエルフたちではない、何者かの反応があるんです!」

「な、なんと!?そのようなことをしておったのか!アルテミス様を使い魔にするゼロ様にしては、ただ美しいだけのモンスターを従魔にしておるのかと思ったら、そのような能力まで持ち合わせた従魔だったとは!!」

「驚くところはそこじゃないだろ!!それよりハクロ、そいつらは今どのあたりだ?」

「えっと、村の入り口らへんです!!」

「急いでそこに向かうぞ!!もしかしたらさっきの話の奴隷商人たちかもしれない!」

「わしらも一緒に向かいますぞ!」




 村長たちとともにすぐに飛び出して、村の入り口に向かった俺たちが見たのは、木の上の民家が燃えている光景と、エルフたちを生け捕りにしているこわもてのごろつきたちだった。


 エルフの人を肩に担いだごろつきたちは俺たちに気が付いたようだった。


「あ、なんだお前たちは?エルフではないようだが」

「おっ、エルフではないようですがなかなかの上玉ぞろいですぜ」

「しかも他にいるのはちび助か。おい、そこのちび、さっさと帰って「『ストーン・ハンマー』!!」ぎゃぁぁぁっ!?}

「な、何しやがるこのちびガキ「『ストーン・ハンマー』!!」おっぎょう!?」


 ごろつき2名が、地中から突き出た石柱によって急所を思いっきりやられ、口から泡を吹いて悶絶した。


「あ、主殿?」

「誰が、誰が、誰が、『ちび』なんだよこのやろぉぉぉぉぉぉぉ!!」


 ゼロはキレた。普段、アルテミスやハクロといった自分より背が高いメンツと一緒のため、まだ12歳だからこれから背が伸びる可能性はあるとはいっても、それなりに身長に対してのコンプレックスがあった。だが、ただ『ちび』というだけならここまでキレることはなかったが、そのごろつきたちの身長が問題だった。そのごろつきたちの身長はゼロより少し多きかなというぐらいであまり変わらないにもかかわらず、それなのに『ちび』と言ってきたことにキレたのであった。


「決めた!!今ここを襲ってきているやつら全員死なない程度にぼっこぼこにして捕まえろぉぉぉ!!」


 一応、念のため情報を聞き出すために生け捕りにすることは忘れないのであった。そして、この後すぐに、全員が捕らえられたのであった。半分ぐらいが股間を抑えて苦しんではいたが・・・。


こんかいの襲ってきた相手に対するそれぞれの無力化手段

ハクロ:糸で縛る

アルテミス:腹を殴る(死なない程度に)

スラ太郎:体を膨らませて取り込み、中に入れて溺れさせる

エルフたち;痺れ薬を塗った矢

ゼロ:『ストーン・ハンマー』という今回初めて使用した魔法。本来は土の壁を作る魔法だが、応用して相手の急所に直撃するように適当に改良した魔法。ハンマーと言っているが、昔、ハンマーの形状にして使うなんて考えたことがあり、そのために作ったのだがどういうわけかハンマーにならなかったためその名残として残したものである

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ