『エルフの集落1』
キーワードにいれてたエルフやっと出せたな。あれ?前にも出てたような?
案内されて、俺たちが着いたのは森の中でもかなり開けた場所だった。
木々の上に小さな家がいくつもあり、地面には畑が多く点在していた。また、夕刻なためあちこちの家から夕飯の用意でもしているのか、いい香りが立ち込めていた。
「こんなとこがこの森にあったんだな・・・」
「ええ、ここには結界があって、本来ならあなた方のような外のものが入ることはないのですが、今回に限り許可をいたしまして特別に入れました」
よく見ると、皆同じくらいのエルフたちがあちこちに見られた。みんな仮面はつけておらず、その容姿は男女問わず皆整った顔立ちをしていた。いつの間にか村長と呼ばれていたエルフとその他の人たちも仮面を外していた。
「見ろよ、珍しく外の人だ」
「モンスターまでいるぞ!!」
「どうやらあいつは魔物使いらしい。つまりあのモンスターたちは従魔か」
「アラクネだよなあれ・・・普通のやつと違ってなんてきれいなんだ・・・」
「あのスライムの子もなんか可愛いな。二体いるけど、姿が同じだから分裂しているのかな?」
「あの女のひと大きい・・・でも、鱗があるところを見ると人間じゃないのか」
どうやら俺たちが珍しいようで少しづつだが人が集めり始めていた。
さすがに注目を集めたくないので俺たちはさっさと移動して、村長の家に案内された。
案内された村長の家はほかの家に比べて少し大きく、明らかに他の家よりも存在が強調されていた。
その内部の広い部屋に俺たちは連れてこられた。
部屋の奥に村長、その周りにほかのエルフたちが座る形であった。
「さて、今夜一晩はこの村の儂に家で過ごしてもらう。だが、明日になったらさっさとこの村から出てってくれ。ここにはあまり外の人に対していい感情を持っていない者がいるのだよ」
「わかりました。では、今晩はここに泊めさせていただきます」
「あと、その従魔たちも同じ部屋にいてくれないか?何せ、わしらの弓が通じなかったモンスターたちだ。ここにおるものでも恐怖に震えておる者がおるのだよ」
「別にいいですよ。それでいいならとくに文句はありません」
「なら、良しとしよう。ついでにだが、そなたたちが受けたその依頼の内容を話してくれないか?」
俺たちは説明した。依頼にて怪物退治を見つけたこと。その怪物がもしかしたら王都で起きた、「黒魔石」により変化してしまった人かもしれないこと。
「なるほど、それが気になってその依頼を受けるために歩いてきたのか」
「ええ、本当ならアルテミスに乗ってくればここまであっという間につくのですが、ここまでくる道のりの途中には人家や、他に通行しておる商人などに驚かれて迷惑をかけるかもしれないと思って、その手段はつかわなかったのです」
「ふむ、その他人に対する心遣いは大したものだな。ただ依頼を達成したいならそのようにすればいいものをわざわざそうするとは・・・面白い奴らだな」
どうやら村長に気に入られたようである。しかし、この村長・・・男?女?エルフはみな美形なんだがまったくわからない中性的な顔立ちでそこが分からん。
「ん?待てよ、今何と言った?」
「歩いてきた」
「そのあと!」
「アルテミスに乗って」
「そこだ!そのアルテミスというのはそこの女でいいのだろうが、そんなにそいつは早いのか?」
「本来の姿に戻ればアッという間じゃの。だが、主殿としてはそうしなくても歩いた方がいいと・・」
「本来の姿?君は従魔だとなんとなくわかるが、いったいなんのモンスターなんだい?」
「エンシェントドラゴンじゃが?」
「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」」
うわ、この反応すごいな。そりゃそうか、エンシェントドラゴンなんて思わないだろうな。
「え、え、エンシェントドラゴンなのか!?いや、そうなのですか!?」
「そうじゃよ。主殿、こいつらに元の姿を見せたほうが良いかの?そのほうがより簡単にわからせられるぞ」
あまりの事実に疑いを隠せていないようなので、いったんアルテミスのドラゴンの姿を見せることになった。
だいぶ暗くなってきているはずだが、月明りが差し込み、それなりによく見える状態だった。
エルフの村の中央の広場にアルテミスがたち、なにごとかと集まってきたほかのエルフたちまでもがきていた。
「それじゃあいくぞ。「人化」解除!!」
アルテミスの姿が一瞬光ったかと思うと、そのあとには一体の大きなドラゴンがたたずんでいた・・・。
「「「・・・・・・・・」」」
あまりの衝撃により、村長たちは言葉を失っていた。他に集まってきていたエルフたちは腰を抜かすものや、気絶するものまでいた。
「これでわかったじゃろう?我はエンシェントドラゴンなのじゃ」
威厳を出すように話すアルテミス。しかし、人化しているときの態度をずっと見ていたせいで、なんか胸張って威張っているようにしか見えなかった。
「主殿、もう人化してもよいかの?この姿だとここは少し狭いんじゃ」
「ああいいぞ。もう十分信じてもらえる「「「すんませんでしたーーーーーーーーーーーーーー!!」」」
え?」
見ると、村長含め、他に俺たちに攻撃してきたエルフたちまでもがアルテミスに向かって土下座をしていた。
「え、何?なんだこの状況?」
「ま、まさかあなた様がエンシェントドラゴンなどと知らずに矢を放ってしまい、本当に申し訳ございませんでしたーーー!!」
どうやら、アルテミスがエンシェントドラゴンだと分かった瞬間に、その恐ろしさを感じてしまったようである。
「いや、我は別にいいのだが・・・・久しぶりに見たなこの反応」
え?前にも何かやったことあるのか?
アルテミスが別に気にしていない様子に、その場にいたエルフたちはほっとした表情を見せた。が、次の瞬間,今度は俺のほうに顔を向けた。全員一糸乱れぬ動きでなんか怖っ!!
「それで、アルテミス様がエンシェントドラゴンだということは、あの魔物使いはいったい何者なんですか?あなた様のような存在が従魔として従うなんてふつうそんなことはありえないんですが」
「そうじゃの、何と言われても主殿としか言えないのじゃが・・・」
「ゼロとか言いましたよね。なんであのようなお方を従わせれているんですか!?」
「えっと、普通に従魔になってくれたんだよな」
「そんなことはふつうあり得ませんよ!!アルテミス様のようなドラゴンなどは普通はそんな魔物使いに使役されるようなことは嫌うはずです!それなのに普通に従魔にできたとか信じられませんよ!!」
「と、言われてもな・・・」
「そもそも、我が主殿に興味を持ったことがきっかけじゃったろ」
「え?なんで興味を持たれたのですか?」
「んー、主殿の魔力が分かるやつここにいるかーい?」
「生憎我々はエルフなのですが、ここにいる者たち全員は魔力を感じることはできなくて」
「それならばしかたがないのぉ。そうじゃ!主殿、こ奴らに説明する前に軽く1発何か魔法をぶっ放してくれんかの?」
「魔法をするとは言っても上空に撃っていいんだよな」
「いいじゃろ?」
「いいですよ!!」
とりあえず、アルテミスが説明する前に軽くわかってもらうためにと言われたので、上空に向かって魔法を撃つことになった。上空に向けて出し、思い切ってやるか。
「『ビッグバン』!!」
もはや俺の十八番ともいえる魔法を上空に放出した。
派手な爆発が上空に起き、その爆発による大気の振動が体に伝わり、その威力のすさまじさを感じさせた。
「「「・・・・」」」
また全員が声も出せなくなり、その説明にまた時間をかけるのであった。
このとき、ハクロとスラ太郎は寝るための布団の準備をしていたためここにいなかった




