『クラィング森林1』
樹海のほうが良かったかな?
「うわぁ、すごいでかい森だなぁ」
「かなりの大きさですねー」
王都を離れて4ヶ月、ついにクラィング山がやっと見えてきた。
だが、クラィング山に行くにはこの「クラィング森林」と呼ばれる森を通らなくてはならなかった。
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「クラィング森林」
クラィング山の周りに生い茂る大森林。あまりの広大さゆえに、年に何人かが遭難する。でてくるモンスターも最低でBランクと、かなりやばい。森林火災が起きることもあるが、すぐに森に住む精霊たちによって消火される。また、クラィング森林にいるモンスターに「クラィング森林の主」と言われるものがいるらしく、それを狩りにきた冒険者はいとも簡単に返り討ちにあう。
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鑑定し、改めて情報を得て、俺たちは森に入った。
「一応、道はあるんだな」
「商人なんかが通るそうじゃからの。そりゃ道もできるじゃろ」
道としては、ただ草を刈って、地面を、むき出しにした道だが、この大森林の中で迷いにくくなるように作られている工夫でもあった。
「ただ、この道はクラィング山を迂回するように作られておるから、どこかで道を外れてゆかねばクラィング山に行けん」
「それでクラィング山を目指す人が遭難するのか・・・」
クラィング山は森の外からならばはっきり見えるほど大きかったが、森の中では空を埋め尽くすほど葉っぱが生い茂っていた。
木に登って確認すればいいと思われるが、樹皮がツルツルで登れなくなっていた。
「まあ、私なら糸を使えばのぼれますけどね」
ハクロはアラクネである。つまり、木々の間に糸をはって登ることができるのだ。
あれ?そういえばさ、登れてなかったときがなかったっけ?
ある程度道なりに進み、途中からモンスターが襲ってくるようになってきた。
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「クリムゾンウルフ」
真っ赤な体毛をもつモンスター。その赤い体毛は喰らった相手が多いほどより美しい色となる。ランクB。
「ネイキッドゴブリン」
森林での過酷な弱肉強食に耐え、ついに強くなれたゴブリン。群れで行動し、そのチームワークはゴブリンよりも優れている。ランクB。
『オールドトレント』
切り株がモンスターとなったトレントの進化種。ドリアードにほぼ近い能力をもつが、ドリアードよりも凶暴で人をよく襲う。猛毒を根っこにもち、それを使用して攻撃してくる。また、さらに希少種ともなると色が紫から茶色に変化していて普通のトレントと見分けがつかず大変危険。ランクはB。
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あ、前に薬草採取の時に気になっていたモンスターだ。いつの間にか紛れてたよ。全員ハクロたちによってあっという間にたおされていたが。
キチンと素材となる部分は回収し、アルテミスに収納してもらって、そのまま俺たちは進んで行った。
出落ち感があるモンスター・・・