『クラィング山を目指しての旅路5』
ラッキー何とかって結構書くのが難しいな
(うん・・・なんだこれ。すごくなんか気持ちい感じがする。ああ、そっか、俺はバルゼンと戦って、地面に激突したんだな・・・。じゃあ、ここは死後の世界か?たしかあの変な神がいた場所とは違うような・・)
意識がはっきりしない中、俺は目が覚めた。ただ、体が何かに包まれているようで動かず、それでも何か心地よさを感じられた。
(なんかこう、ゆったりとできるような感じが・・・)
むにゅ
(ん?なんだ今の感触?)
何かが頭にのしかかり、それはとても柔らかかった。だが、なんなのだろうか?
気になったので、意識がはっきりしないなか、何とか右手を動かして確かめてみた。
むにゅう むにゅう むにゅう
なんかこう、持ちのように柔らかくて、それとなく手が沈んで・・・ん?「沈んで」?前にも確かこんなことが・・・
「げっ!まさかごぶおぉう!?」
その正体がなんとなくわかってしまい、一気に完全に目が覚めた途端、いきなり俺は溺れた。
「もがぐぼぼぼうもが(この感じはまさか)!」
俺がおぼれている場所、それはスラ太郎の体の中であった。
「もっががーーー(やっぱりーー)!」
そして、先ほどもんだものは何か見てみると、右手だけがスラ太郎の体の外に出て、スラ太郎の上に寄りかかって寝ていたハクロの胸をしっかりつかんでいた。
「もが、ががっぽ、がぼぼぼ(あ、なるほど、ハクロのだったのか)・・・・もがが、ががっががががががっが(てっ、なんでしっかり握りしめているんだ俺はっ)!」
慌てて手を放して、何とか気持ちを落ち着かせた。
そういえば、今気が付いたが、溺れているはずなのになぜか全く苦しくないのだ。体の傷もほとんどが消えているようだった。
(それに確か、ハクロたちは召喚できていなかったはずだが・・・?)
「お、主殿!気が付かれたか!!}
すぐそばで寝ていたアルテミスが起きて、俺が意識を取り戻したことに気が付いた。
「もががががっぐがっぐぐが(いったいどうなっているんだ)?」
「ああ、そういえばスラ太郎の中に入っているのじゃったな。まったく何を言っているのかさっぱりわからん。おい、スラ太郎、主殿を出してやれ」
「ワカッタヨー」
スラ太郎の体内から吐き出され、とりあえずいったん状況説明をしてもらうことになった。ちなみにハクロは全く起きる気配がないのでそのままにしておいた。
「で、昨晩主殿が得体のしれないものと戦って居ったことはわかるのじゃ。その時に呼ばれたのはわかったんじゃが、なぜか出られなくてのぉ」
「そういえば召喚ができなかったんだった。それなのになんで今出てこれているの?」
「俺が教えたからだよ」
「あ、ジョイントさん」
いつの間にかジョイントさんが近くにいた。見ると、あちこち包帯を巻いていた。
「昨晩、俺たちは突然何者かに襲われてな、何人かが犠牲になっちまった。恐ろしく強いやつで、俺のタイタンの右腕と、クサビがやられちまった。そしてだ、そのままなぜか風魔法で飛ばされて気絶してしまったんだ」
「で、おそらくそいつが主殿が戦ったやつと同じと考えていいじゃろう。主殿がなんと勝った後にこいつらが何とか意識が戻ってな」
「それでお前の体がひどくやられていてな、骨が少し見えて、出血もひどかった。さすがにもう助からないと思っちまったよ」
「でもそうなってしまうのは嫌じゃった。ただ、主殿に呼んでもらわんと我らは出られない。そこでじゃ、何とかしようと思って、スラ太郎に念話ができるやつがないかと聞いたところ、できてな、それで何とかして出せないかと聞いたんよ」
「いきなり声が頭に響いてビビったぜ。まあ、何とか助けられるかもしれないと聞いてな、あの化け物を倒してくれたし、魔物使いの裏技でお前の従魔たちを読んで出したわけよ」
「で、スラ太郎に直接体内で回復魔法をずっとかけてもらって居ったわけよ。ハクロも心配でずっと主殿を見ておったぞ」
だいたいの状況はわかった。つまり、俺が襲われる前にジョイントさんたちは襲われていたのだ。
「戦闘時に何とか分かったんですけど、あれってたぶん、王都に出た化け物と同じですよ。
ジョイントさんに詳しく説明していった。
「なるほど、つまりあの侯爵は黒魔石とやらで暴走している状態だったんだな。だが、なぜ昨日の夜にそんなことになったんだ?ずっと持っていたならその前にも起きていいはずなんだが」
確かに、その謎があった。そもそも、その黒魔石自体が改良されていたのではないだろうか?改良によって何かしたのだろうか?
考えていても仕方がないので、この先どうするか話し合いが行われることになった。
話し合いにてなにが決まるか