『王都を出て旅をしよう』
新章突入!!
王都にきて1年がたち、12歳と俺はなった。表彰式から時間がたったとはいえ、いまだに俺はギルドでの注目を集めていた。ランクはDからBランクに上がり、それなりに依頼を受けてこなしていた。
「・・・旅に出ようかな」
「えっ?どうしたんですかゼロ様?」
ある日の午後、俺はふと旅に出ようと思った。
「ここにきてさ、もう1年たつじゃん。ずっとこのまま王都にとどまるのもあれだしさ、いったんどこか遠くまで行ってみようかなと思ってね」
「そうですか。何か遠いところにある依頼を受けてみるのがいいかもしれません」
「そうするか」
ギルドの依頼ボード前で丁度いいのがないかと探していると、一つの依頼に目がいった。
「『クラィング山の怪物退治』か・・・」
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「クラィング山」
王都からかなり離れたところに位置し、帝国との間にある山。標高は5000メートルを超えており、山越えをするのは大変危険で、だいたい迂回するルートを選ぶことが多い。
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『怪物はおそらく黒魔石によって生まれたものだと思われます』
あ、久しぶりの世界の声さんだ。1年近く聞いていなかったな。
「この依頼は面白そうだな。適当に生きたいが、適度な刺激は必要だ。この依頼を受けるか」
「そうしましょうか」
ギルドでこの依頼を受けると手続きをして、いったん宿に戻り旅の準備を始めた。
「食料はだいたいこのぐらいで十分かな。アルテミス、収納しといてくれ」
「それはいいが主殿、その依頼なら我がドラゴン化して主殿を乗せて往復すれば早く済むと思うんじゃが」
「いや、そうしなくてもいいさ。たまには旅をしないとね」
「そういうもんかのう」
準備が終わり、一晩寝て王都を旅立つことにした。
王都を旅立つ前に、王宮に寄ってローズにしばらく依頼で留守にすることを告げた。
「そうなんですか・・・・。だったらできるだけ無事に帰ってきてくださいね。戻ってきたらまたデートしましょう旦那様」
「わかったよ、そうしよう。それじゃあ行ってくるよ」
「はい!」
この1年の間にローズとも仲良くなった。最初のほどこそ互いにぎこちなかったが、今では互いにひかれあっているような気がした。
そして、俺たちは王都を出てクラィング山」を目指して旅を開始したのであった・・・。
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ゼロたちの行動をずっと監視していたモンスターが、その動きに気が付き、急いで主のために連絡しに行ったことはこのとき誰も気が付きはしなかったのであった・・・。
現実で実際に旅してみたいな・・・




