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閑話 ローズとの初デート

そろそろ新章はいりますよ

 婚約が決まり、正式な発表は4年後となっているものの、互いによりよく知るために今日はデートを行うことになった。


 第2王女であるローズが堂々と人前に出るのは危険なため、一応変装してもらっていた。俺もあの事件で有名になってしまっているのでついでに変装している。


 互いにサングラスをかけ、帽子を深くかぶるだけの簡単な変装だったのだが、念のため「隠蔽2」のスキルも使用してあまり目立たないようにした。


「ええと、どこに行こうか」

「それなら何かおいしいものがあるところに行きたいですわ!」


 とりあえずまずは軽くスイーツでもと思って、王都の有名スイーツ店に俺たちは訪れた。


「この店のスイーツがおいしいと評判なんだけど、どうかな?」


 注文したスイーツが運ばれてきて、とりあえず聞いてみた。


「まずは一口・・・おいしいですわ!!」


 一口食べた瞬間にローズの目が輝いた。試しに食べてみるとすごくおいしかった。俺たちはその味を互いに楽しんだのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ゼロたちから少し離れた建物の上、そこにハクロたちはいた。


「はあ、ゼロ様と一緒に私も食べたかったな」

「「オイシソウダヨー」」

「あほか!今は主殿たちに不届き者が寄らぬように我々がこっそり監視しておるのじゃぞ!!」

「そうですよ!姫様たちに危険が来ないように見守るのが今回の仕事ではないですか!!」


 今回のデートにおいて、できるだけ危険を避けるために護衛をつけたかったのだが、第2王女が駄々をこねたので今、いつもの第2王女の側近である騎士1名とハクロたち従魔で監視していたのであった。


「それにじゃ、主殿の幸せを願うのが我々の務め!!今回の婚約者とのデートでも同じことじゃ!!」

「でも、私たちだってゼロ様のことが好きなんですよ!!それなのにデートできないなんて世の中おかしくありませんか!?」

「そうはいっても我々はあくまでモンスター。人とは結ばれぬ運命なのじゃ!!それでも主殿の幸せを願い見守るのが従魔の務めじゃろ!!我だって、あの女を認めたとはいえつらいんじゃ!!地味にイチャイチャしおってなんか嫉妬の炎が渦巻いておるんじゃ!」

「そうですよ!こっちだって姫様のことを常日頃から世話している未からすればつらいんですよ!!」

「お主、人間なのにわかるか!!」

「あなたこそ従魔なのにわかりますね!!」


 互いに手を取り合うアルテミスと騎士。2人の間にモンスターと人との間を超えた友情が芽生えていた。


「あ!だれか二人に近づいてきます!!」

「「何っ!!」」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 スイーツを食べ、次にどこへ向かおうかと話していた。


「おうおう坊ちゃん、こんな昼間から間から彼女とデートですか?いい身分じゃねえか」

「俺達なんかこの年になっても彼女無しなのにうらやましいじゃねーか」

「おい彼女、こんな男なんかよりも俺たちといいことして遊ばないかい?」


 ・・・なんかガラの悪い3人組に囲まれたんだが。


「お断りします!!あなたたちよりも旦那様のほうがいいです!!」


 ローズが断ると、3人は頭に来たようだった。


「このガキが俺たちに逆らうのか!!俺たちは冒険者チームランクCの『暴れ牛』だぞ!!」


 ああ、最近問題起こしているやつらか。


「ふん、最近あなた方はあまりいいうわさを聞きませんね。相手にする気もない」

「なんだとこの貧相なガキめが!!」


 そのリーダと思われる男が俺に殴ろうとした。


「くらえこのガキがぁぁぁ!!」


 だが、その拳は途中で止まった。


「ど、どうしたんですか兄貴!?なんで急に止めるんですか!?」

「ち、違う!体が動かねぇんだ!」


 見ると、男の拳にはいくつもの細い糸が絡みついていた。


「な、なんだこの糸は・・・。細いのにちぎれねぇ・・・」

「それは私の糸だからですよ」

「なっ、だれだ!?」


 声のする方向に男たちが振り向くと、そこには1匹の美しいアラクネがたっていた。


「その子たちに暴力をふるおうとしているのを見かけましてね、止めたんですよ」

「なっ、お前はあのゼロとかいうやつの従魔じゃねぇか!!」

「さすがにこのようなことは見過ごせませんですからね、このままぼっこぼこにしてあげてギルドに突き出して差し上げましょうか?」

「ふざけんな!!たった1体の従魔で俺たちにかなうと思うのか!!」

「ええ、あなた達ごときには負けませんよ」


 その言葉に頭に完全にきたのだろうか。残る二人が同時にハクロへ殴りかけていた。


 だが、相手が悪かった。


 ハクロはアラクネのモンスター。アラクネはもともとわなを仕掛けて獲物を狩る。何もしかけていないはずがなかった。


 二人が同時にハクロに殴りかけた瞬間、かれらは足に何かを引っかけた。それは、話しているうちに素早く仕掛けていた罠だった。


 引っかかった瞬間、上からなぜかたらいが落ちてきて男たちの頭に直撃した。


「「痛ってええええええええええええええぇぇぇぇ!!」」

「ふふふ、即席『天井落とし たらいバージョン』にうまいことかかりましたね。もう終わりですか?」


 二人が気絶したので残る男にハクロは尋ねかけた。男はいまだに動かぬ腕を動かそうとしていたが、ふと思いついたように意地の悪い笑みを浮かべた。


「くっくっく、だがお前は従魔だろ?俺たちがお前に襲われましたと言えばお前の主人が罰を受けることになるぜ?どうせ、モンスターなんかのいう事なんて誰も信じないしなぁ。どうするんだよ、お前はそのまま俺たちを見逃すしかないよ「黙れ」なぐぅっ!?」


 あ、こいつ一番言ってはいけないこと言ったな。ハクロが怒り、男の首を糸で締め上げた。


「黙れ。貴様らになんかゼロ様を傷つけることは許さない。それでもそうするのであればここで始末して差し上げましょうか?案外糸で簡単に首が切れるんですよ?」

「なっ!そんなことをすればただでは済まないぞ!!」

「だったらばれなきゃいいんですよ。糸でいくつにも細かくあなたの体を切り分けて、そこに転がっている2人も同じようにして、混ぜて、そして・・・どうしましょうかね?」

「「「思いつかなかったんかい!!」」」


 俺とローズと男は同時に突っ込みをいれた、


「だったらその場に埋めるのはどうじゃ?」

「あ、それならいいですね」

「ワタシガトカスノハ?」

「それもいいですねー」

「むしろ、この場で男としての尊厳を奪ってしまうのはどうでしょう」

「それはひくわー」

「なんで私だけそんな反応!?」


 いつのまにか、アルテミスとスラ太郎、そして騎士がその場にいた。


「それならば、よけいなことを言わないようにもういっそのこと声帯を破壊してしまうのはどうでしょう?しゃべらなくなりますよ」


 なんか怖い話になってきたため、その場はハクロたちに任せて俺たちはデートの続きをしに行くのであった。







 夕方になり、デート終了の時間になった。この後は、ローズは護衛の騎士に連れられ王宮に戻ることになっている。その騎士が来るまで話し合うことにした。


「今日のデート、楽しかったかい?」

「はい、旦那様、楽しかったです!」

「よかった。初めてだったから緊張してたんだよね」

「それは私もですよ」

「「アハハハハ」」


 二人して同じだったことに笑いあった。そして、迎えの護衛がきてローズは王宮に帰っていったのであった・・・。キス?まだ早いわ!!









後日談

あの冒険者チームの男たちは、あの後ランクを一気に落とされGランクにされた。された理由としては幼い子供たちに危害を加えようと冒険者にあるまじき暴挙をしようとしたというものらしい。

さらに、ハクロたちに何をされたのかはわからないが、なぜか内またで何かを隠すように歩くようになったという。

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