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『2度目の表彰式 1』

 着替え終わり、表彰式の時間となった。今回行われる場所は王宮の中ではなく、王都の広場に作られた特設ステージである。俺たちは表彰式が始まる直前まで、そのすぐ横に作られたこの特設待合室に待機させられた。



 というか、1日で作られたのかよ。手抜きとかじゃないよね?それだったらハクロの体重とかで床が抜けそうなんだけど。だって、アラクネだから蜘蛛の部分の体重が・・・。


「ゼロ様、なにか失礼なこと考えませんでしたか?」

「いえ何も」


 なんか怖い笑顔でハクロが尋ねてきたんだけど。美人なだけにかなり怖い。というか、モンスターでもその部分は人と変わらないのか。


「主殿、もう始まるぞ」

「あ、もうそんな時間か」


 だんだんと人が集まってきて騒がしくなってきたもんな。待合室のドアの隙間から見ると、ステージ中央に国王がたっていた。


 国王の服装は前の時とほぼ変わらなかった。


「これより、公式第10回表彰式を始める!!」


 王宮での表彰式に比べると滅茶苦茶回数少なっ!!そういえば、いつもの口癖を言っていないな。一応公の場だから口調をしっかりしておくのか?


「今回の表彰理由としては、あの昨日に現れた化け物を退治したということである!その偉業を成し遂げた冒険者ゼロとその従魔たちよ、我が前に現れよ!!」


 呼ばれ、待合室から出て、決められた道を歩きステージに俺たちは向かった。


 うん、はっきり言ってかなり恥ずかしい。何このある意味公開処刑みたいな感じは!!ここまでッ湯目を集めるとかなり恥ずかしいんだけど!?


「あれが今回の授与者か。小さいけど魔物使いなんだな」

「あの年齢でこんなことができるなんてすごいねぇ。私の孫ぐらいじゃないか」

「あの従魔たちもすごいな。人に近い姿を全員している。どれだけの実力があるんだ」

「あれでDランクなんだから世の中わからんな。ここまでだとAランクになってもおかしくないじゃないか」

「魔物使い自身もすごい魔法が使えるらしい。魔法使いとしてもやっていけそうなぐらいだとさ」

「ある意味才能の無駄遣いだよな。俺だってBランクの魔法使いなんだが、昨日の化け物を倒したあいつの魔法見てさ、自信喪失してしまったぜ・・・」

「そんなにかよ!あいつ俺たちのチームに入ってくれないかなー」

「無理無理。あいつにはあの従魔たちがいるんだぜ。それだけであいつにとっては十分だろ」

「なんでもあの従魔たちの美しさに惚れてファンクラブもできているらしい。ほら、あそこの集団がそれなんだよ」

「「「フレー!!フレー!!アルテミスの姉御!!」」」

「「「美しいですよハクロ姉さまーーー!!」」」

「な、すごい人気だろ」

「モンスターなのに私たちよりも人気があるね・・・・」



 なんかいろいろ話されているんだけど、なんかいま初耳なことがあったんだけど!?予想はしていたけどまさか本当にそんなファンクラブがあったのかよ!?


 ふと、横目でハクロたちを見ると、二人ともやや頬を赤らめていた。そりゃ恥ずかしいわな。自分の知らないところでそんなものができているもんな。・・・そういえばスラ太郎のだけないな。なんでだろ?


  

 国王様の前まで行き、何とか式が始まった。


「冒険者ゼロとその従魔たちよ!今回の貴殿たちの表彰理由はあの化け物を退治してくれたことにある!!よって、わが国最高峰の勲章『神龍帝の証』を授与する!!」


 受け取った勲章は、以前のと同様に神龍帝というドラゴンの姿が彫られていた。


「また、今回の功績のでかさから考え、貴殿たちは望む褒美を受け取ることができる!!何が褒美としてほしいか答えよ!!」


 褒美か・・・。土地?いや、17歳になったら自身が国と同じになるようにしているのだからこれはアウト。地位?これは興味ない。ただ適当に冒険者として生きていければいいんだもの。お金?いや、別にいるものでもないし。だったら、これにしよう。


「そうですね、でしたら冒険者なので何か実用性のある魔道具がいいですね」

「それでいいのだな?」

「はい」


 ハクロたちを見てもそれでいいという顔をしていた。


「では、実用性のある魔道具にするのである!魔道具管理担当大臣よ、この者たちが望むような実用性のある魔道具を式が閉会するまえに見繕って持ってくるのである!!」

「はっ!了解いたしました!」

「それでは、この後閉会の時間まで皆の者!それぞれ今回の表彰式にて出されている露店などで楽しむがいいのである!(ぞい)」


 あ、今小さく「ぞい」を言った。やっぱ口癖を抑えながらってのはかなりきついんだな。


 とりあえず、閉会までの間、露店を楽しむことになったのであった。



スラ太郎のファンクラブがない理由は、なんか見た目から保護欲に駆られた人たちが、スラ太郎をおびえさせないためにひっそりと活動していて目立っていないからである。

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