『衣装』
今回はちょっと短い?
一夜明け、今日はまた表彰式が行われることになった。
前回と違う点は、今回は大々的に行われることになっていた。
「幾ら何でもここまで派手にやるのかよ・・・」
一夜しか経っていないのに、すでに街中にはたくさんの屋台などがならんでいた。そのどれもが今回の騒動に対する祝いなんてかいてあって正直恥ずかしかった。
ちなみに、今俺たちは王宮の応接間にまた来ていた。朝起きたときに王宮からの使いがきて、ここに運ばれてしまったからだ。
扉が開き、そこから国王が来た。
「今日の表彰式は午後から行うことになったぞい。それまでに準備しておくぞい」
「いや、準備と言われても着の身着のままでここに連れてこられたんだが」
「心配ないぞい。今回は王宮の衣装スタッフに頼んであるぞい。おい、出てくるがよいぞい」
「「「「はいはーい!!私たち王宮衣装スタッフです!!」」」」
なんか元気よく飛び出てきた。5人組で全員がどう見てもメイドだった。というか、メイド服の色の違いでしか判別できないほどそっくりだった。
「わあ、この方たちが今回の表彰式にて表彰される方なんですね!国王様こんな光栄な仕事をさせてくださりありがとうございます!!」
なんか赤い服のメイドが感激しとる・・。普通に服の色で見分けるか。
「えっと、王宮衣装スタッフということは、俺たちの衣装を用意してくれるんですか?一応、こっちにはアラクネのハクロがあっという間に服を作ってくれるので別にそこまでしなくても」
「いや!だからこそなんです!!」
青色がなんか語り始めたぞ。
「そもそもですね、服はその人を表すといいます。今回の事件の功労者であるあなた方には、それ相応の格好をしてもらう必要があります。その従魔がいくら服を作れるとはいえ、その従魔のセンスだよりになってしまいます」
「私のセンスが悪いっていうの?」
「いえ、そうではありません。ただ、どうせ服を作れるのならよりそれを活かしてほしいのです」
「どういうことですか?」
疑問に思うと、緑の子が何やら分厚い辞書のようなものを待ってきた。
「これをみて。これにあるデザインならよりいいものが作れる」
表紙タイトルがあったので見てみると『様々な公式の式典などに役立つ服のデザイン集 13巻』と書いてあった。
そんな本があるのかよ。というか13巻ということはほかにもあるのかよ。そっちもだせよ。
ハクロがそのデザイン集を見ると、少しパラパラと読んで、何か空中にイメージを描いたかと思うと、あっという間に俺たちの服が作られていた。
「どうですか?私的にいいと思ったものなんですが」
「いいんじゃないかな」
俺のは前の服に比べてやや大きめの正装。ハクロのは明るい水色で、さわやかな感じのドレス。スラ太郎A,Bのはかわいい子供用みたいな青と、白ののドレス。アルテミスのは黒で高級な感じのドレスだった。
「取りあえず着替えるか」
一応、ハクロたちは女の子なので従魔用空間で着替えさせ、俺は近くの空き部屋で着替えさせてもらった。
「なかなか似合っていますね]
「というか、あなたたち王宮衣装スタッフと言ってましたけど、結局何したかったんですか?ただデザイン渡して終わりじゃなかったですか?」
「それが私たちの仕事なんですよ」
なんか黄色の子が語りだしたぞ。
「私たちは実は全員不器用で服が作れないんです。でもデザインすることだけはできたので、その着せる相手のデザイン案を考えるという仕事ならできたのでこうなったんですよ」
つまり衣装の着せ替えなどではなく、衣装のデザインを考えるためだけの仕事か。
「で、表彰式にて出られる主役の衣服のデザインを考える仕事につけたんですよ!!そのため王宮衣装スタッフと言われる仕事になったんです!!」
なんか全員涙ぐんでいるな。ここまで来るのに相当苦労してきたんだな・・・。
皆の着替えが終わり、王宮衣装スタッフたちは部屋から出て行った。
あれ?5人いたよな。赤、青、黄、緑・・・あと一人何色だっけ?ほとんど目立っていなかったからわからんかった。
あと1色は実は黒色。ただ、影が薄くて発言しようとしていたのだが他が先に発言したので全く目立たなかった。