『前触れ』
なんか今日2つ目の投稿
「よし、今日もギルドで依頼を受けるか!」
王宮での表彰式の時に、精神的疲労がたまって昨日は気力がなかったが、今日は回復して気力をとりもどしていた。
「昨日の『たっこんやっき』がまた食べたくなりましたねー」
ハクロが昨日買ってきた「たっこんやっき」はうまかった。たこ焼きのようだが、それに比べるとかなり味が濃く、中の具がモチっとした感じでかなり美味しかった。
「うむ、絶品じゃったのぉ。ハクロ、お主どこで買ってきたのじゃ?今日は我が買おう」
「ギルド近くにあった屋台だったけど、王都を移動しながらのようだし、具のモンスターを得るために今日はいないと思うよ」
ぬうっ、今日も買おうかなと思っていたのにな。残念無念。
とりあえず諦めて、ギルドにある依頼ボード前にきた。
「今日ある依頼の中で受けられるのは、『スライム×50匹討伐』、『低級治癒ポーション作りの手伝い』、それにあとは・・・ん?」
他に無いかと探していると、何やらギルドが騒がしくなってきた。
「またか、これで今日は何人目だ?」
「たしか56人目だったな」
「なんか急に多くなってきたな」
何事かと気になり、近くの受付嬢にきいてみた。今日は猫の獣人の人だった。
「何かあったんですか?」
「ああ、ゼロさんですね。それがですね、最近妙な事件が連続して起きているんですよ」
「妙な事件?」
「ええ、冒険者の中には魔法使いや魔法戦士、回復術師などといった魔力が高く、魔法を使える方々がいますよね」
一応、俺も魔法戦士みたいなものなんだけどね。魔法を使えるし、エンチャントで身体強化できるしね。ま、魔物使いだからそんなことほとんどしないけどね。
「それでですね、ここ数日の間にそれらの職業の人たちが襲われている事件があるんですよ。襲われているといっても、妙なことに皆外傷がなく、ただ・・・」
「ただ、なんですか?」
「どういうわけか、皆魔力をほとんど抜かれているんですよ。エルフ、ドワーフ、獣人、人間、そしてモンスターまで魔力が抜かれているという事件が多発しているんです」
あのサイクロプスもそういえば魔力が無くなっていたな。なんか関係があるのか?
「魔力が抜かれてしまう事件か・・・、ん?そういえば魔力を抜かれた被害者達はどうなっているんですか?」
「魔力を抜かれたせいで、衰弱していますが、今の所死亡した者は確認されていません。ただ、根こそぎ抜かれたようで、冒険者業を復帰するには少しじかんがかかるかと。あ、あと、どういうわけか皆被害を受けた場所がバラバラで全くわからないことだらけです」
どこか一箇所でならわかるが、皆被害を受けた場所がバラバラか。
「どんな感じで魔力をぬかれてしまったんですか?」
「それが、皆いつの間にか抜かれて、気がついたら魔力不足で倒れてしまったとしかありません」
いつの間にか、気がつかないうちにか・・・。魔道具が何かかな?
「いずれにせよ、ゼロさんも注意をしていてください。狙われているのは魔力が高い人たちのようで、その従魔たちも十分危険にさらされる可能性があります」
「わかりました、できるだけ警戒しておきます」
「ああ、それとモッセマンさんがあのサイクロプスについてわかったことがあるので、今日学校の校長室に来て欲しいと連絡がきました」
あのサイクロプスについて何か詳しくわかったのだろうか。とりあえず今日は依頼を受けずに、モッセマンさんのところへ向かったのであった。
だんだん何かやばい感じがしてきたな。




