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『表彰式、そして暗躍する者たち』

今回はSIDEというのを入れてみました

「これより、王宮内第286回表彰式を始める!授与者は前に来てくれ」


時間がきて、表彰式が始まった。俺たちは中央に設置されたレッドカーペットに沿って歩き、国王様の前にまで来た。


というか、286回もやっているのか。なんか中途半端だな。しかもレッドカーペットって地球と似たようなことしているな。


ハクロたちとともに国王様の前に立ち、そこでひざまずいた。一応偉い人の前だしね。


 周りにはこの王宮に今いる貴族たちだけが集まっていて、俺がまだ12歳の男の子なのを見て驚いているようだった。


「まだ成人していないあのような若い少年がそのようなことをしたというのは信じられんな」

「だが、あの従魔たちをみろ。どれも人に近い姿をとっているではないか」

「しかもどれも姿が美しい」

「うらやましいものであるな」

「フォン殿にしてみればこの場にいないことを悔やむだろうに。自分の息子がこんなにも立派だというのにその価値に全く気が付けぬとは全くダメだな」

「ああ、あの人は私腹を肥やすことしか考えておらぬからな。この場にもしいたならば、国王陛下に何か無茶な請求でもするつもりだっただろう」

「それを考えると本当にあのフォン殿の子供かと疑いたくなるよ」


 やっぱり、あの親父はかなり評判が悪いな。この場にいないことをいいことに、貴族たちは言いたい放題言っているな。


「冒険者ゼロよ。お主はこのたび、先日現れた怪物退治及び、第2王女を助けた功労に対して表彰する!この勲章『炎龍帝の炎』を授ける!」


 授与された勲章を見るとそれには、はるか昔龍帝と呼ばれた存在のうちの1体をモデルにした彫刻が彫られていた。


 アルテミスにあとで尋ねたところ、この炎龍帝は炎をつかさどり、人間の子を育てたという伝承があるらしい。今はこの世にはいないというが、なかなか気さくなドラゴンだったという(その伝承は本当らしい)。


「では、表彰式も終えたので、これより宴を開く。ゼロ殿よ、ゆっくりと楽しみたまえ」







 この宴とかいうのは、要は貴族たちが俺に何とかしてつながりを持とうとして、国王様に土下座してまで頼み込んだものらしい。さすがに貴族たちに土下座されてしまったので、国王様は拒否することができず、開いたらしい。


 立食形式のため、立ちながら食事をするのだが貴族たちが俺の周りに集まってきてうっとおしかった。1時間しか開かれないようなので、その間に必死になって俺とつながりを持とうとしていたよ。


 俺がその対応に何やかんやとしているのに、アルテミスたちは離れてもぐもぐと普通に食べ歩きしていたよ。お前ら、一応主の俺がこの対応に追われているのだから助けろよ・・・。なんかうちの婿にとかうるさいし・・・・。

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SIDEハクロ


 うわぁ、ゼロ様がものすごく貴族たちに囲まれています・・・。一応大丈夫なんでしょうけどやっぱりあの中に近づきたくないです・・・。なんか人間の欲というかなんかそういう感じが伝わってきてあんまり気持ちのいいものじゃないんですよね。


 ゼロ様、この場はこのハクロ、ただ見守ることしかできません。どうかお許しを・・・。

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SIDEアルテミス


 人間というのは本当欲深きものじゃのう。主殿はそんな人間出身とは思えんほど欲がないようだし、ほんとにいいお方じゃ。だが、この場では我は逃げる選択をするのじゃ。我の姿は、今は人化のおかげで人に近い姿をしておるため貴族どもからみたら絶対セクハラする気であろう。


 主殿以外にはこの体を触られたくないわい。じゃから主殿、我は主殿が貴族に囲まれている場合は見守っておるから許してくれ・・・。

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SIDEスラ太郎AB

「コレオイシー!」

「コノニクウマー!」

「コノカジツモオイシー!」

「ウマウマ」


 マスター、ココノゴハンオイシーヨ!

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 この後、俺は予約していた宿に泊まり、俺をほったらかしにして食事をしていたアルテミスたちには罰として正座させたのであった。ハクロの場合は、足は蜘蛛だから正座できないのでブリッジの体制をとらせたのであった。








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 王都のスラム街、その奥深く、以前ゼロが生やした桜の大木の根元に、2人の影があった。


「そうか、じゃあ準備は整ったんだね?」

「そうなんだな。この短い期間でも十分に魔力をためられたんだな」

「しかし、なんかやせたねぇ。ま、そのおかげで呼吸しやすくなったんだろうね」

「そうそう、前よりはるかに体の調子もいいんだな。これもお前が協力してくれ、そのうえ、この『黒魔石改良型』をもらったからなんだな」

「じゃあ、実行は3日後に王宮でね」

「それまでさらに念入りに整備しておくんだな!」


 ハグエェが、いや、元は『ハグエェであった』人物は、そういい、さらに念を押して準備するために、その場から姿を消した。


 その場に残っていた人物は空を見上げ、計画の成功を願った。


「ふふふ、これであの計画がついに実現するなぁ。ここまで来るのに一体どれだけ時間がかかったんだろうね。しかしあの男も哀れだよね。利用されているだけで、終わったらお払い箱なのに」

「いや、あなたの性格が悪いだけでしょ」

「それは同感だ」


 いつの間にかそこには2人の人影が加わっていた。


「まったく、我々の入手した情報で、偶然あなた様がここにいると気が付いたからいいものを。そうじゃなかった我々まで巻き添えでしたよ!!」

「私としてはあんまり気が進まないんですけどね。あそこには無茶苦茶な従魔を連れた「あのお方」の可能性がある人物がいるというのに」

「だからこそだよ。「あのお方」であるならば、この利用された哀れな「操り人形」が引き起こすことに対して対処ができるでしょう。それに、最近では帝国や宗教国が何かと引き起こすらしいですしね。早いか遅いかの違いですよ」

「そんな簡単に言ってしまわれてもね。ま、人間どもにしか被害がないし別にいいか」

「そうですよ。そういえば「あのお方」の可能性がある人物にはまだ実質的には従魔が3体しかいないんですよね。もし、生き残っておられたらその従魔の枠に我々が入れたらいいんですけどね」

「入れてくれますかね・・・。そんな事件を起こす実行犯の黒幕にそんな簡単に気を許してくれますかね?」

「それはわかりませんけどね。ま、その人物が「あのお方」と同じであると願いましょう。我らの真の主であることに・・・」

「「我らの真の主であることに・・・」」


 その場で互いに願い、すぐにその3人の影は消えたのであった・・・。



ーーーーーーーーーー

一方その頃、王宮にて。


「あああああーーー‼︎貴族たちが邪魔で全く近づけなかったー‼︎」

「気を静めてください姫様‼︎だれか止めてくれー!」


乱心なさる姫様が見られたらしい。

 



ちなみに、スラ太郎の場合は正座はできるのだが全く足が痺れていなかった。スライムだもんね。

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