『卒業試験10』
今回短め
3日間の卒業試験が終わり、本日ついに合格発表されるのであった。
校庭の中央、そこで待っていると周りにだんだん野次馬が集まってきていた。
時間がきて、ついに発表されることになった。
「これより今回の卒業試験の結果を発表する。フォン・ガロン・ゼロ、前へ来なさい」
モッセマンさんが壇上に立ち、そういったので前にいった。
「フォン・ガロン・ゼロ、結果は・・・・・・合格だ!!卒業してよし!!」
その瞬間、周りにいた生徒たちからから歓声が上がった。自分が合格したわけでもないのに、それでも同期の俺が合格することはやはりうれしいらしい。
「フォン・ガロン・ゼロよ、貴公はこれよりこの学校を去り、冒険者として登録しに行くがよい。これは卒業記念品の『学校推薦Dランク証明書』と、『冒険者初心者お役立ちセット』である」
そういって、渡されたのは一枚の証明書と、小箱だった。どうやらこの小箱の中に「冒険者初心者お役立ちセット」とやらが入っているらしい。
「なお、本日合格したことにより寮からの強制退去となるため、ギルドに行き冒険者登録をするよりも早めに宿を探すことをお勧めする」
そういえばそうなるんだったな。ま、もともと私物はないからほとんどかたずけなくていいんだけどね。
「やりましたねゼロ様!!」
「うむ、主殿が合格できたのはやっぱうれしいのう」
「ヤッタネマスター!」
その合格発表のあとすぐに学校を去り、今はギルドに向かって歩いていた。魔物使い登録するためには従魔を見せる必要があるので、ハクロたちはいったん出した状態でいた。
え?宿をすぐに探さないのかだって?そりゃ探したいけど、とりあえずまず今日は野宿でいっかと意見がまとまっているんだよ。
なんやかんやと通りを歩いている人たちから注目を集めながらも、俺たちはギルドへ向かったのであった・・・。
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冒険者用学校のとある1室。そこで二人の人が話していた。
「はぁ、ゼロはここを旅立ってしまわれたのですか」
「ええ、これで姫様が接近することができなくなってしまいましたね。とりあえず、このままいても仕方がないので退学届けを出して城へ戻りましょう」
「そうですわよね、意味がないですもんね。では、退学届けを用意してちょうだい」
「はい、わかりました」
落ち込む姫と、やっとこれで護衛任務から離れられると内心喜んでいる騎士たち。しかし彼女たちは知らなかった。城へ戻った際に、父親である国王が6日後にゼロを城へ招待するということを・・・。
次回から新章突入!!