『卒業試験6』
ちょい短め
『勝負あり!!』
試合に勝った合図が流れ、観客もみな熱狂した。
「すごかったな今の試合も!」
「ああ、それにあのアラクネがわなを張る瞬間見たか!?」
「見たぞ!でもあまりにも速すぎて見切れなかった・・・」
「しかし、あの強そうなゴーレムを倒すとはかなり強いな」
観客たちは次々と今の感想を述べていた。
「う、嘘みたいに、強すぎるん、だな・・・」
一方、司会席にいたゴーレムを製作してその戦闘力を測って知っていたハグエェはあっけにとられていた。
(あのゴーレムが一体だけでも小さな国ならすぐ壊滅するはずなんだな。今回はあくまでも卒業試験だからやや弱体化させているとはいえ、こうもあっさりと倒すなんてあいつらいったいどれだけ強いんだな・・・。こうなったら今回のエネルギーぎれの早さに対して・・・)
このとき、このハグエェの目を見た者なら気がついただろう。この試合を見て、自身のプライドに傷がついたハグエェが野心を燃やし始めたことに・・・。
「なんとか勝ったな」
「ええ、なんとか罠が成功してよかったです。粘着力を高めたのが功を奏したようです」
「しかし我が思いっきりあのゴーレムを投げればよかったのではないか?」
「いくらアルテミスでもあれは重すぎると思うんだけど」
「いや、昔自分がどれだけまで持てるか実験したことがあっての、自身の体重の20倍までなら持てるようじゃからあのゴーレムでも問題なかったとおもえるがの」
「「アルテミスノタイジューテドレダケ?」」
「それは秘密じゃ!」
自分から言い出したのにそこまで来て自身の体重を隠すとはやっぱり女の子なんだな。
『エンシェントドラゴンの体重は平均して24トンぐらいです』
そして空気を読まない世界の声さん、あっさりバラさないでくださいよ・・・、しかしあのデカさから考えるとなんか納得した。まてよ?20倍までなら大体480トンか・・・想像つかないな。
というか、やっぱり世界の声とやらお前実は第4の従魔じゃないか?
なんとなく出た疑問を考え、2日目の試験に備えてまたあの芝居じみた言い方をしたモッセマンさんと別れると、俺たちは部屋に戻って体力と気力回復の為に早めに寝たのであった。
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ゼロ達が眠りについた深夜、スラム街にてある報告がなされていた。
「そうか、もう卒業試験を受けたのか」
「はい、明日は2日目の試験にて生徒達からのお題をこなすというものを受けるそうです」
「あれはたまに変なものがでたよな」
「はい、わたしのときなんか女装してその場で男子生徒に告白しろとかいうのがありましたからね・・・、あれは悪夢でした。あれはこの国をいやになったきっかけでしたよ。しかも、なぜかそれが原因で、男子生徒にその格好して告白してくれと言われ続け・・・」
「そ、そうか、苦労したんだな。いやそうじゃなくて、そのお題にだな、このお題を書いたものもいれられないか?」
「このお題の紙ですか・・・まあ、いれられますがくじ引きのように適当に引かれますのでこれが選ばれる可能性は低いと思いますが・・・」
「それでも選ばれるかもしれないからな。一応やっといてくれ」
「はっ‼︎」
暗闇に紛れ、消えたその人物を見たもう1人は、
「女装とか言っていたけど、あいつは女だよな・・・」
その疑問に頭を悩ませていたのであった。
卒業試験2日目
生徒からのお題の中にはたまにトラウマレベルものがあるらしい。
ちなみにそのお題のトラウマレベルものを書いてるのは、なぜか歴代校長か国王様のが多いらしい。




