『俺の決意』
ゼロの決めたこととは!!
朝になり、俺は着替えて校長室に昨日約束した時間に入った。
中に入るとそこにはモッセマンさんと国王がいた。
て、なんか酒臭っ!!え、なに!?よく見ると酔いつぶれているじゃんこの2人!!特に国王あんたがそこで酔っていいのかよ。この国かなり不安になったよ!
とりあえず、泥酔している大人たちに向かってアルテミスを出し、スキルの「龍の威圧」でむりやりたたき起こした。
「あのモッセマンさん、一応俺は一晩中ずっと悩んでいたんですよ。それなのにそっちはのんきに酒飲みでもしていたんですか?」
「い、いやその、一応ね、わたくしたちもいろいろ話していたんだよ。国の政治についてとか、ゼロ君がどう決断するかとかね。ですよね国王様」
「そ、そうぞい。で、結局決断したのかぞい?」
あ、これでごまかそうとしているなこの人たち。絶対後で何かいたずらしてやろ。とりあえず話が進まなくなったらダメだから後にしておこ。
「で、結局ですが昨日アルテミスが言っていた案『一国と同じ立場になる』ということに決めました」
「そうか、そうしたのだな」
「はい」
そう、俺は結局アルテミスの案にしたのだった。この国の人間ではなくなるが、それでも俺は適当に自由でいたい。そのためには他国とのかかわりが少なくなるそれにしたのだ。
「ですが、年齢とその『国際共通通信』がまだ満たしていません。ですからモッセマンさん、国王様、お願いしたいことがあるんです」
「え、なにかあるのかい?」
「なにかぞい?」
「そのまえにモッセマンさん、この学校って確か卒業するには最終卒業試験を受けないとできませんよね」
「ああ、そうだが」
「でしたらまず、その試験を明日受けさせてくれないでしょうか?」
「え?明日にかい?」
「で、国王様。それで卒業した後俺にその『国際共通通信』の魔法を教えてほしいのです」
「なるほど、この学校をさっさと去り、それでわしからその魔法を教えてもらうのを早めるためかぞい。だが、その魔法は覚えるためにはかなり長い詠唱が必要ぞい。その詠唱を一つも間違えず、途切れさせずに3日3晩唱えなければ覚えられないんだぞい。しかもかなりの魔力を消費するから魔力回復薬を唱えながら飲まなければいけないんだぞい」
「その辺は大丈夫です」
俺は今まで黙っていた俺のスキル、『適当』と『魔力制限解放』、『精霊王の加護』について説明した。
「『精霊王の加護』・・・、昨日の話で出たそれをまさかゼロ君が持っていたとは・・・」
「しかもなんぞいの残りのスキルは。魔法使いになったほうが向いてたレベルぞい」
「ですが、それならその長い詠唱や魔力に関して心配しなくて済みます」
「ちょっと待つぞい。年齢はどうするのだぞい。17歳にならねばできないのではなかったのかぞい。わしはてっきりその年齢になるまでこの学校に残るのかと思いきやいきなり卒業試験を受けたいなんてわからないぞい」
「ああ、それはですね思いついたことがあるからですよ」
「「思いついたこと?」」
「冒険者は基本依頼をうけ、各地を旅する。つまり基本一か所にとどまっていない。ならば、さっさと冒険者になって様々な場所へ行けばいいんですよ。そうすればなかなか俺の居場所がつかめない。で、6年経って17歳になったら一旦ここへ戻り、正式におれ自身が一国と同じだと宣言して認めてもらう。そうするんです」
「なるほど、確かにそれなら納得・・・あれ?ちょっと待って。魔物使いが冒険者登録するなら従魔が4体いるよね?まだ3体だからできないよ?」
そう、確かにまだ俺の従魔はスラ太郎、ハクロ、アルテミスの3体しかいない。魔物使いが冒険者になるには最低でも4体は必要だ。
「ですが、その残り1体は、別に登録の際にいるだけでいいのですよね?」
「確かに登録後に数が減ったりしたりして別にそのようなことも認められるが、それでもその1体がいないんだよね?」
「ですが、昨日その問題を解決する方法を思いつきました。ようはあと1体いればいい、ならばこれならどうですか?」
そう、要はあと1体いればいいのだ。そしてその方法は昨日思いついた。
「出てこいスラ太郎!」
俺はスラ太郎を出した。スラ太郎は今は人の姿に似た形をとっているがもとはスライム。そして、スラ太郎はそのスライムすべての能力が使える。そして、普通のモンスターのスライムの増え方もそれにあたる。
つまりだ、
「スラ太郎、『分裂』しろ」
「イエッサー!」
モッセマンさんと国王様が驚きの表情でスラ太郎を見た。スラ太郎は俺の指示と同時に体が真ん中から真っ二つに分かれ、そこから新たに半身が生えて「2体」のスラ太郎になった。
「「ブンレツカンリョウイタシマシタマスター!!」」
「な、その方法があったか!!確かに本来スライムは分裂してその数を増やす。それをさらにその最上位種であるスライム『光の女王』に行わせたのか!?」
「これなら一応ちゃんと4体になるでしょ?冒険者登録をした後にまた合体させればまた元に戻せばいいのです」
ずるはしてはいないだろ。だって決まりだと「4体いる」となっていて別に「分裂して数を増やしてはいけない」なんてなっていないもんな。
「これなら一応認められると思う。だがまさかこんな手段を思いつくとはな。今は別にいいが、これから一応その分裂のことに関して考えなければいけないな」
「で、俺のお願いは聞いていただけるのでしょうか?」
「ああ、だいたいその並外れた力を持っているんだ。これ以上ここにいても意味がない。特例だが、要求通りに明日卒業試験を受けさせよう。ただ、モンスターを戦わせる試験だけかと思うかもしれないが、筆記試験もある。それは大丈夫かい?」
「はい、問題ないです」
だって一応もしわからなかったら「鑑定」使えばいいもんな。できるだけ使わないようにするがな。
「あと、わしからも言わせてもらうならばその『国際共通通信』の魔法は教えてもいいぞい。だが、それを教えるのはそなたが17歳になってからではだめかぞい?」
「え?なんでですか?」
「今の年齢から教わろうとしているのがばれたら一応政治的な問題がまたあるからだぞい。だから一応その辺を考えてそうするんだぞい」
あ、なるほど。もしその様子を見られたら国に反抗する気じゃねーのとか言われて絡まれそうだもんな。
「じゃあ、17歳になったら教わりに来ます。それでいいですよね」
「ああ、それでいいぞい」
それで俺はその約束を取り付け、さっさと冒険者となるために明日卒業試験を受けることになるのだった・・・
やっと次回からいつもの雰囲気の話になれそう。この章が今のところ一番話が重かった。
次回、卒業試験編がはじまるよ!!
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